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SCM用語:ブルウィップ効果

ブルウィップ効果とは、サプライチェーン上の小さな需要の変動が、上流の段階に行くにつれて次第に影響が大きくなってしまうことです。

ブルウィップとは牛追い鞭のことで、小さく鞭を振っても大きくしなる様からきている言葉です。

例えば、原材料産地⇒工場⇒物流センター⇒店舗というサプライチェーンがあったとして、店舗でいつもより10個多く売れたとしましょう。
この時に、サプライチェーンの各段階の人は欠品してしまうと問題になるので、物流センターに40個多く入荷させ、工場は80個多く生産計画をたてて原料発注し、原材料産地は160個用意しようとする、というように上流に行くに従い影響が大きくなってしまう場合があります。
もう少し詳しく各段階を説明すると、
①店舗は10個多く売れたので20個追加注文して在庫を増やそうとし、
②物流センターは20個出荷して、追加で40個入荷して在庫を増やそうとし、
③工場では緊急で40個の追加製造を行い、さらに生産予定を80個たてて原料発注し、
④原材料産地は80個分の出荷をして、さらに追加の発注に備えて160個用意する
ということが発生します。
はじめは10個多く売れただけなのに、一番上流では16倍の動きになってしまうということです。

こういう無駄を防ぐためには、サプライチェーン全体で販売時点の正確な情報をリアルタイムに共有することが重要です。
上記の例では、原材料産地が、店舗では10個多く売れただけと知っていれば、160個も用意する必要がないということがわかります。
また、各段階の在庫や入出庫・移送中の状況の見える化がされており、すぐに全体を統制できるようになっていることが重要です。


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