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江ノ島おじさん物語

2001年 夏
子供たちは夏休み!毎年恒例の君(妻)と
子供たちが

埼玉の実家に帰省して仕事の為に東京の官舎に残った僕は自炊をしていた

そんな独りの夜
明日から夏休みの三連休をもらい埼玉に向かい

親友・内田と会って ご飯でも
そんな気持ちで電話をかけた

明日には埼玉に行く
そんな他愛のない会話をしていた
急に内田の声が小声になり
『ケン 俺が東京に行ってもいいか?
俺の嫁さんも実家の群馬に帰ってるんだ 
たまには埼玉以外で遊ばねーか?』

なんて悪魔な囁きなんだ!この野朗!
悪い奴だなぁー

「それ、いいなぁ たまにはこっち(東京)に来るか?」

僕は予定を急遽変えて
内田が東京に来て遊ぶ事に決めた!

僕は君が滞在している  
君の実家に電話を掛けて

「申し訳ない急に仕事になった」云々と嘘をつき
ごめんなさいたま🙇

翌日
青いポロシャツにブルージーンズ白いバシュを履いて
内田が上京して来る待ち合わせの場所
池袋駅に向かう

池袋駅でハイビスカスのアロハシャツ
ブルージーンズ 白いスニーカーを履いた内田と落合う

「新宿なら夜の方がいいだろう?
昼間は渋谷か?それとも品川・蒲田辺りでも行く?
大井の青物横丁に美味い店があるんだよ」
僕は内田と都内で遊ぶ気でいた

『ケン 神奈川に行っていいか?
俺 江ノ島とか鎌倉に行った事がないんだよ』

内田の提案に眼から鱗 そうかその手があったかぁ!

「いいよ 神奈川に行こうよ」

一旦 東中野の官舎に寄り
当時の愛車 日産 にっちゃん乱暴ランボールラルゴに乗り換え

内田の運転で都心から潮風の街に移動して行く

『やっぱり横浜はオシャレだなぁ
あの女を見ろよ短いスカートだなや・・』

内田も僕も横浜異国説の信者だったから
見るもの全て海外を感じていた

横浜中華街を横目に内田の運転するラルゴは
藤沢市方面に向かった

僕の経験だと目的の鎌倉や江ノ島近くの駐車場は料金が高いので
藤沢に車を置き江ノ電に乗った方が安くて移動が楽だと提案して決まった

藤沢駅からチョット歩くが
安くていい駐車場があった!

そこから男二人の旅が始まった

藤沢駅の二階から出発した江ノ電

まずは江ノ島に向かう

子供が居たら
江ノ島のシーワールドに寄らされていたろうね

石上、柳小路、鵠沼、湘南海岸公園、江ノ島駅で降りて

江ノ島へ向かう商店街を抜けて弁天橋を渡る

まずは腹ごしらえと
しらす丼」が美味しい店で

この先を相談した

あの頃
今みたいにスマホがあったら美味しいしらす丼を写メして記事に貼り付けられたのになぁ!

かき込むようにしらす丼を平らげる
空腹は最高の調味料だ!
何を食べても美味しいんだ!


店を出て直後だった
赤いサンダルに赤いミニスカート白いタンクトップ
痩せてはいるがボンキュンボン
トランジスタグラマーの女性

デニム地のホットパンツ白いTシャツ姿の
ムチムチダイナマイトボディの女性二人と

対面でぶつかりそうになった小麦色の肌が夏を思わせ茶髪ちゃぱつと丸い大きな眼が
湘南ガールだと看板を背負っていそうで

なんと言ってもセクシーだ!

『彼女!これから海岸でも散歩しない』

内田のクセだな!
好みの女性を見かけると声を掛ける

声をかけられた茶髪湘南ガールは
立ち止まりこちらを眺める 

トランジスタグラマー
美脚が一歩こちらに向いた

「何おじさん?海岸の行き方知らないの?」

ムチムチダイナマイトボディの女が続いて

「教えよてあげる、もう少し歩けば見えて来るわよ」

「急いでるから、ごめんね おじさん
「バイバイ おじさん アハハハ」
身体をくねらせ高笑いをしながら湘南ガールは坂道に消えて行った

残された四十路 手前の男二人 

『おじさんかぁ? お・じ・さんだよなぁ』

「まさか江ノ島でナンパするとは思わなかったよ」

『ケン こんなチャンス無いんだぞ』

「そりゃそうだけど・・もう おじさんなんだなぁ」

おじさんだから女に声掛けたらイケないのかぁ?
そんな法律でもあんのんかぁ?』

「わかった わかった内田 次 上手くいこうや」

『おぉ!チクショ湘南がなんぼじゃい』

内田の憤怒が弁天橋方向に動き出した!

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