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【ボラティリティ・クラスタリングの計測🌟】卒業論文で取り扱う最重要モデル📊:計量経済学 No.20


Introduction:計量経済学への挑戦🔥

経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍

「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います

学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです

しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥
また、正しい計量経済学の知識やデータ分析のリテラシーを会得しなければなりません💦
現実の経済データを、理論モデルと当てはめ
正しい計量手法によって実証分析できる力を醸成したら
きっと将来どこかで活躍できる人財になれる可能性を高めることに繋がると思います

実際の経済動向や政治と結びつけながら
応用できる能力がなければ
知識を持つ意義も小さくなってしまいます💦

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います

私がこれからアウトプットする
計量経済学において最重要なパートである
時系列分析のモデル理論解説を
どうぞ最後まで、ご愛読ください📖

本投稿作成における参考文献は以下の通りです

なぜ、計量経済学を学ぶのか??

計量経済学が時系列解析法を「理論なき計測」として退けるところからスタートしたことでよく知られているのです

1930年に創立された計量経済学会の規約第1条では、計量経済学は「理論的数量的アプローチと経験数量的アプローチの統一」と定義されていました📝

また、R・フリッシュによる『エコノメトリカ』創刊の辞では、「統計学、経済学、数学の三者の統合」と定義されているのです👍

このような定義においては、当時のハーバード景気予測に代表される時系列解析法への批判が強く意識されていたとされています

すなわち、それが29年の大恐慌の予測に失敗したのは,経済理論を無視し、 時系列データの形式的な解析のみに終始したからであったということです

今後はそうした「理論なき計測」の立場を退け、「理論に基づく計測」を重視していかなければならない、という見解の重要性が増しています
このような歴史を経て、計量経済学はスタートをきったのでした


そして、何よりマクロ経済変数は
その多くが互いに影響を及ぼし合う相互依存の関係にあり、また過去の変化の影響が持続するという傾向を持ちます

これらの動向を分析したり、将来を予測したりできるようになるためには、計量経済学、ひいては「時系列分析」に対する理論や正しい実証手法への理解が必要不可欠となります

「計量経済学」シリーズの投稿では、こうしたマクロ時系列変数の実証分析に必要な計量理論と手法を習得することを目的とします

これから私がアウトプットする
時系列マクロ経済分析に関する内容について
どうぞ最後までご愛読くださいね💖

前回のお復習い✨

ARCHモデルのお復習い🍀

R.エングル (Robert Engle)は、ボラティリティ・クラスタリング といわれる現象を発見し 、それをモデル化する方法としてARCHモデルが提案されました

ARCHモデルの利点として、データからパラメータを推定すれば、時間を通じたマクロ経済変数(株価、為替、金利など)の分散を 推定できる点が挙げられるということをこれまで確認してきました

金融商品 (オプションなど )の価格は、その他経済変数の分散に依存しており 、その動きを正しく予測することで、金融商品の適正価格を求めることができます

ボラティリティ・クラスタリング

ボラティリティ・クラスタリング(volatility clustering)とは、例えば「今日、 株式市場が不安定であるならば(株価が大きく予測不能な動きをしたら)明日の市場も不安定になる可能性が高いこと」、 逆に、「今日、株式市場が安定しているなら、明日の市場も安定する可能性が高いこと」を意味しています

GARCH過程について🌟

今回の投稿では、少し重複する点もありますが、ARCH過程の一般化したモデルであるGARCH過程について考察していきたいと思います

エングルの弟子であるT.ボルスレフ(Tim Bollerslev)は、ARCHモデルを一般化 (generalized)」したGARCHモデル (generalized ARCH model)を提案しました

まずは、定義からしっかり確認します
(p, q) 次の一般化ARCH(generalized ARCH, GARCH)過程は、任意の t について、以下のように定式化されます

$$
\\
GARCH(p,q)  Process\\   \\
w_t = σ_tz_t \\σ ^2_ t = c + β_1σ^2_{ t−1} + · · · + β_pσ^ 2_{ t−p} + α_1w^ 2_{ t−1} + · · · + α_qw ^2_{ t−q} \\\{zt\} ∼ I.I.D(0, 1)\\    \\\because c >0 , \beta_1,· · ·,\beta_p,\alpha_1,· · ·,\alpha_q \ge 0\\\to \sigma^2_t > 0 ,\forall t\\     \\\sigma_t^2  is  known, at  time  point:t-1
$$

もしここで、β1=β2=・・・=βp=0とすれば、ARCHモデルになります

再度確認しますが、GARCHモデルの利点は 、高次のARCHモデル (ラグの長さpが大きいモデル)であっても、低次のGARCHモデル (ラグの長さq,pが小さいモデル)によって表せる点にあります

GARCH(1,1)モデルのシミュレーション

以下では、分散(σ_t^2)が次のように、h_tと表記できると想定します

$$
GARCH(1,1)  Process\\         \\h_t=\alpha_0+\alpha_1\epsilon^2_{t-1}+\beta_1h_{t-1}\cdot\cdot\cdot(1)\\       \\we  put,[h_{t-1}=\alpha_0+\alpha_1\epsilon^2_{t-2}+\beta_1h_{t-2}]   \to(1)\\       
   \\h_t=\alpha_0+\alpha_1\epsilon^2_{t-1}+\beta_1(\alpha_0+\alpha_1\epsilon^2_{t-2}+\beta_1h_{t-2})\\      =\alpha_0(1+\beta_1)+\alpha_1\epsilon^2_{t-1}+\alpha_1\beta_1\epsilon^2_{t-2}+\beta_1^2 h_{t-2}\cdot\cdot\cdot(2)\\     \\     \\we  put,[h_{t-2}=\alpha_0+\alpha_1\epsilon^2_{t-3}+\beta_1h_{t-3}] \to(2)\\       \\     \\h_t=\alpha_0(1+\beta_1)+\alpha_1\epsilon^2_{t-1}+\alpha_1\beta_1\epsilon^2_{t-2}\\            +\beta_1^2 (\alpha_0+\alpha_1\epsilon^2_{t-3}+\beta_1h_{t-3})\\      \\    =\alpha_0(1+\beta_1+\beta_1^2)+\alpha_1\epsilon^2_{t-1}+\alpha_1\beta_1\epsilon^2_{t-2}\\          +\alpha \beta_1^2\epsilon^2_{t-3}+\beta^3_1 h_{t-3}\cdot\cdot\cdot(3)
$$

このように、過去の時系列に基づくGARCHを逐次代入していくと、以下のように、次元が無限であるARCH(∞)モデルなることが判明します📝

$$
ARCH(∞)  Model \\     \\     \\h_t=\alpha_0(1+\beta_1+\beta_2^2+\beta_3^3+\cdot\cdot\cdot)\\     \\       +\alpha_1\epsilon_{t-1}^2+\alpha_1\beta_1\epsilon^2_{t-2}+\alpha_1\beta_1^2\epsilon^2_{t-3}+\alpha_1\beta_1^3\epsilon^2_{t-4}+\cdot\cdot\cdot
$$

この結果から、GARCH(1,1)モデルは、パラメータ (α0, α1, β1)の値を変えることで、複雑な分散の動きを捉えることができることがわかります

実証分析:ドル・円レートと為替介入🌟

ここでは、ドル・円レートと為替介入政策効果を計測する際の手法を確認します
ある観察期間において、実証分析でのデータを用いて、 為替介入がドル円 レートに与える影響をみてみましょう

ドル円レートの対数をst 、介入額(億円)を 𝐼𝑛𝑡_𝑡と表記します

介入額 𝐼𝑛𝑡_𝑡が、正なら円買いドル売り介入、介入額 𝐼𝑛𝑡_𝑡が負なら円売りド ル買い介入と考えます
このときは以下のモデルを想定します

$$
\Delta s_t = \alpha+\beta Int_t+\epsilon_t\\          \\     \\\epsilon_t=v_t\sqrt{h_t}\\       \\h_t =\alpha_0+\alpha_1\epsilon_{t-1}^2+\beta_1h_{t-1}\\  \\\epsilon_t \backsim GARCH(1,1)\\\therefore \Delta s_t=s_t-s_{t-1}   
$$

ここで誤差項はGARCH(1,1)に従うとします

ここで分析の結果において、回帰モデルの係数𝛽が負なら、介入は効果があったとみなされます

つまり、円買いドル売り介入をしたとき (0< 𝐼𝑛𝑡_𝑡)、ドル円レートが円高方向(∆𝑠𝑡< 0)に動けば、介入は効果があると認められます

現在、データセットを作っているので、今後実証分析に挑戦していきたいと思います💖

本日の解説は、ここまでとします👍

次回は「構造変化に対する実証分析」というテーマを徹底的に考察していきたいと思います

マクロ経済学をより理解する手法としての
計量経済学ならびに時系列分析の知識を
一緒に獲得していきましょう🔥

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

卒業論文執筆への軌跡📚

エッセンシャル・経済学理論集🌟

【国際経済学🌏】基礎的理論&モデルの説明

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば

大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍

今後とも何卒よろしくお願いいたします!

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