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【世界を知れる🌏】為替レートの決定理論と基礎モデルの解説:国際金融論✨No.4

今後、定期的に投稿していく
【国際金融論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「国際経済学の分野」について学んだことを
アウトプットしていきたいと思います👍

前回の記事は、こちらになります


はじめに:モデルの導入前に

開放経済における対外取引は、財・サービスに係る「経常取引:Current Account」と、金融資産に係る「資本取引:Capital Account」に大別されるということは
こちらの記事で解説しています💖

これらの取引の根本的な相違点は、次の2点です

  1. 資本取引の単位費用が経常取引の単位費用より小さいこと

  2. 資本取引の所要時間が、経常取引の所要時間より短いこと

これらの相違から、国際取引に障壁(=資本規制や取引数量制限、莫大な取引費用の存在など)がない場合
内外の資産市場はほぼ常時均衡状態にあると見なせますが
内外の財(サービス含む)市場は必ずしも均衡状態にあるとは限らないのです
資本の移動というのは、時間が掛かることが多いです

「金融市場における資本」とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、材市場における資本を考えるみます
工場や家を建てる時間が1年以上掛かるケースが多いことに対して、鉄鋼原料が貿易される時間は相対的に短いというイメージで良いと思います📝

短期と長期の違いについて

今一度、ここで「長期と短期の違い」について確認しましょう
国際マクロ経済学における「長期」とは、財市場と資産市場の両者が均衡状態 に達する期間を指します
その一方で「短期」とは、瞬時に均衡状態に達する資産市場のみが均衡す る期間を示していると理解してください

私が解説する内容は、内外の財市場・資産市場が共に均衡状態にある場合の為替レートの決定理論 を取り扱うことにします

以下では、まず為替レートの均衡に関する古典的な概念である
「購買力平価説」および購買力平価と密接な関係にある
「実質為替レート」について説明することを試みます

その次、貨幣市場に着目した為替レートの長期均衡理論である
「マネタリー・アプローチ(貨幣接近)」について考察してみようと思います

また、購買力平価説およびマネタリー・アプローチに基づく為替レートの実証分析についても言及します

そして、私が卒業論文を執筆するときに留意点を指摘しながら理解を深めていくことにします💝

為替レートの長期的均衡モデル:Part④

為替レートの決定理論について、これから丁寧に解説していきたいと思います
長期均衡モデルで大切なことは「財・資産両市場の均衡」を考慮することにあります

短期とはまた異なる視点を持っていることは
上記で解説いたしましたが
まずは長期のモデルから順番に解説していきたいと思います

登場する記号一覧は、以下の通りです

$$
RE_i : Real  Exchange  rate
P_i : the  price  of  No.i  good    \\
S : Local  currency  exchange  rate \\
{P_i}^* : the  price  of  No.i  foreign  good \\
( i = 1, …, n )\\

w_i : the  weight  of  Good_i  in  the  Domestic  Price  \\
{w_i}^* : the  weight  of  Good_i  in  the  Foreign  Price
$$

購買力平価と実質為替レート

(3)実質為替レート

物価水準の変動が大きい場合、例えばハイパー・インフレーションが起きているような状況では、相対的PPPが比較的短期においても成立するケースがあります

事例をご紹介しますと
1980年代後半から、高いインフレ経済を経験したアルゼンチンとアメリカの消費者物価指数や対ドルレートの推移を見てみると相対的購買力平価の関係が成り立っていたそうです
※データなどは各自で検索してみてください

すなわち、名目為替レートがほぼ購買力平価水準(PPP)レートに沿った推移をしているとのデータがあります


その一方で、物価水準が安定的な場合には、相対的PPPからの乖離が認められるのです
この現象は、 物価水準の安定期には、物価が外的ショックに対して硬直性を持つことによります
このような相対的PPPからの乖離は、実質為替レート( RE )として表され、以下の通り定式化されるのです

$$
RE_i  =  S_i  \times  { P_i } ^*  ÷ P_i   ・・・①
$$

あるいは、前回も学習したように
①式の両辺から対数微分を取って
相対的時間増加率で表すと

$$
\hat{re}  =  \hat {s} + \hat{p^*} - \hat{p} ・・・②
$$

reˆ は実質為替レートの相対的時間増加率を示します
厳密に述べると、相対的PPPが成立する場合には、reˆ の値は常にゼロとなりますね📝

その一方で、財市場の価格に硬直性が見られる場合には
外的 ショックに依る sˆ の増加(通貨切り下げ)は reˆ の増加(実質為替レートの減価)をもたらします

「価格の硬直性」とは、極論を述べると
世の中の価格は、1日単位で変化しないということです
明日から急にコンビニの水が300円、次の日は150円という変動は起こりえないということです

為替レートは、1日で数円変わることもありますが
価格はこのような変動を取ることがないという解釈こそ
価格硬直性のインプリケーションなのです

この場合でも、長期的には裁定が働いて為替や物価水準が調整され、実質為替レートは一定の値に収束することが期待されるのです

今回の解説は以上とします👍
次回も長期的な為替レートの決定理論について
一緒に学習を進めていけたら幸いです💖

為替レートについて理解すれば、もっと国際的な経済の動向や輸入財で溢れる私たちの身近な生活について考えることができるようになると思います✨


For You:マガジンのご紹介🌟

こちらのマガジンにて
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

また、経済学理論集などは
こちらをぜひご覧ください💖


今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


Ending:最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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