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月間報告書1. 〔Australia - 海外編〕

mixiより引用掲載 2011年3月3日12:28付

Geelong Grammar School Corio校で働かしてもらっている健太朗です。

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ひさしぶりに日本語で文章を書くことに今ものすごく違和感を感じています。 

私がもっている3つの仕事の紹介、
今把握できる範囲でのこの学校の日本語の教育、
そして最後に最近の普段の様子や考えについてまとめたいと思います。 


31日の月曜の夕方にメルボルンに到着しました。
30日の日曜に到着の予定でしたが、火山灰の影響で関空からオーストラリアへのフライトがキャンセルになり、1日到着が遅れました。
到着した次の日はルームメイトに付き添ってもらって、買い物をしたり、銀行の口座をつくったり、学校を案内してもらったりしました。 

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そして、2月2日水曜日、到着してから2日後から日本語補助教員として働き始めました。 


私の主な仕事はClass Support、CONVO、Boarding Houseの3つに分けられます。 

Class SupportではCorio校にいる日本語履修全生徒、Year9を除くYear5からYear12、日本でいう小学5年生から高校3年生の授業に同行します。
Year9の中学3年生は分校のTimbertop校に1年間いっているのでまだ会ったことがありません。

Corio校はmiddle school、小中学校とsenior school、高等学校が隣接しているので、幅広い学年層の生徒と接することができます。
4人の日本語の先生(Jenny, Catherine, Mr. Chaney, Prue)と共に、1クラスあたり最低7人から最高15人までの、様々な国籍が入り混じる男子女子生徒を相手に日本語を教えています。
現在は、週30コマ(1日6コマ×平日5日間)の授業の内、20コマくらい同行しています。

毎回の授業によって自分がする仕事は異なります。
1コマ中先生の言うことを板書したり、
授業についていけていない生徒を教室の外でマンツーマンで教えたり、
生徒のプレゼンテーションの評定をしたり、
20分程授業の導入として折り紙を教えたり、
オーラルの小テストを行ったり、
日ごとに様々なことをしていっています。 

どの先生ともコミュニケーションがうまくとれていると思います。
授業外では、日常生活の話や、授業を今後どのようにもっていきたいのかだとか、あるいは生徒やオーストラリア、日本、お酒、教育観などについて話したりと、笑い話から真面目な話まで色々話しています。
それぞれ4人の先生方に合う自分の役割をもっと磨きながら、できる限り毎回違うことにチャレンジしていきたいと思っています。 


CONVOはconversationの略称で、日本語履修全14人のYear11の生徒と15分間、17人のYear12の生徒とは25分間、いずれも1対1で会話練習をします。
生徒によっては1日に1コマ空き時間があるのでその時間に、あるいは昼休み、放課後の時間帯に週1回行います。
所定の時間になると生徒は私と中国語のアシスタントのいる部屋にやってきます。
生徒によって本当に毎回のconvoの状況が違ってくるので、今は生徒を知ることを第一に、第二に生徒に合わせたconvoの形を模索しています。 

積極的に日本語を話そうとするがparticleとここでよばれている「私は」などの「は」、他にも「が」「を」「で」などの使い方が無茶苦茶であったり、単語の数はあまりしらなくともとても流暢に話せる子がいたり、考えることに必死で言葉がでてこない子がいたり、日本人の子がいたり、めちゃくちゃテンション高く部屋に入ってきてconvoを終始楽しんでいる子がいたりと、様々な個性と幅広い日本語の会話レベルが入り混じっています。 

そのような中で、
今のところ落ち着いた自分なりのconvoの形式をこの写真で紹介しています。

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IBはInternational Baccalaureate略で
各国で知名度は高く世界中の大学で有効の点数、
VCEはVictoria Certification of Education の略でオーストラリアのVictoria州を中心につかえる点数で、
Timbertop校を経たYear10の時生徒はどちらかのコースを選択します。

convoの間、生徒が質問してきたことや、生徒が話した文章などを私がその場で書きとり、convoの終了間際にこの紙を使ってその時間にしたことを少し復習します。そしてなるべくその日の内にコピーをとりにいって生徒に渡し、紙を見直して復習をしてもらうという形式です。 

convoを始めた当初からこの形式をしていますが、
終わった直後にコピーが欲しいといってきてくれたり、
生徒がこの紙をファイルにきれいに閉じてくれている様子をみたり、
授業中にその紙を取り出して何かを思い出している様子をみると、
一応役に立っているのかなと感じています。
まだまだこのconvoでは自分なりにできることがあると思うので、色んなアイデアを練っている段階です。

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Boarding Houseの仕事は到着した2日後から始めました。
月曜日にmiddle school対象のBarwonという寮へ、
木曜日にsenior school対象のManifoldという寮にいっています。

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Barwonでは6時半から宿題の時間なので、日本語を主に、時々他の科目も手伝ったりします。
宿題の時間の後は、寮内にあるビリヤードや卓球をしたりして1時間半程そこで過ごします。
最近はピアノを教えたりもしています。
Manifoldでは上記のconvoを1人だけして、特に他は何もしていません。 

この学校の生徒の8割は、BarwonやManifoldのようなそれぞれの寮に住み、残りの2割はデイボーダーと呼ばれ夜8時半になるとバスにのってGeelongの町の自宅へ帰っていきます。 

先日行われた水泳大会やHouse musicのようなイベントでは、寮がひとつのチームとなっています。授業中では生徒が同じ寮の友達と隣に座っている場面をよく見かけます。

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最近はFrazerとよばれるデイボードなどにも通いはじめ、生徒の宿題や試験準備の手伝いをするようになりました。
Jenny先生に先日、日本語を苦手としている子に対して何か勉強会等をひらけないか相談したところ、自分が開いている曜日に他の寮にいけるよう今調整してくださっています。
寮に行くことで生徒の1日の生活がよりわかるので、これから他の寮にも行ってみようと考えています。 


この学校では、小学5、6年生は日本語が必修となっているようです。
5、6年生では日本の文化について学んだり、あいさつ等を学んだりしています。私が折り紙を教えたのはこの2つの学年です。 

そして、7年生、日本でいう中学1年生からひらがなを習い始めます。
ちょうど今週で「わ・を・ん」を習い終えたところです。1回の授業で2つの行を学んでいました。

8年生ではカタカナを習います。
先日はだいすき、すき、きらい、だいきらい、などの使い方についても勉強していました。
この学校に来てまずおもしろいと思ったのは、ひらがなやカタカナを初めて学ぶ際に、A4くらいの大きさの紙にひとつだけ文字が書いてあるフラッシュカードを使っていることです。このフラッシュカードの表には大きく文字がひとつ書かれており、裏にはその文字に加えてシンプルな絵が混じっています。生徒はその絵から、その文字がどのような発音をするのか想像させるのです。たとえば「さ」には日本刀の絵が「さ」の中に混じっており、生徒は『SAmurai sword…あ、これは「さ」だ!』といった感じです。
この絵が何かと授業の雰囲気をよくしていると感じています。

10年生では最近、counter、数の数え方について勉強しています。
買い物の場面がテーマで、「黒いTシャツをもう1枚ください」の「もう」などの文法を学んでいます。この時期から先生は生徒が学ぶべき漢字は板書に書き始めます。

11年生では引き続き文法を学んでいます。
この年から私のようなアシスタントと週に1回15分程度会話練習を放課後にしはじめます。

12年生はIBやVCEの試験に向けて、高度なレベルの内容を勉強しています。
12年生や11年生の中には飛び級の生徒もいたりします。アジア出身の子がほとんどです。


次回の報告では日本語以外のこの学校の教育についても報告できたらと思っています。 


この学校の生徒は本当によく質問をします。
のびのびとした学校の雰囲気が生徒をそうさせているのか、マイペースながらも授業を妨害するような生徒をあまり見かけません。
低学年のクラスでは生徒の質問や発言が多すぎて、授業の進行が遅れることもありますが、高学年のクラスでは試験が近づいてくることも重なり、みんな真面目に授業にとりくんでいます。
そして、生徒は放課後のスポーツやアクティビティ、イベントなどにとても一生懸命に取り組んでいます。
それを見ていると自身が高校生だった時をよく思い出します。

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最近は生徒と会話をするのがとても楽しいです。
こちらが生徒に色んなことを聞けば聞くほど、生徒はそれにこたえてくれ、自分を日本語のアシスタントとして頼ってきてくれます。 


アシスタントという身の立場から授業を1人ですることはありませんが、それでも最近は週に1回授業をする機会をいただけたりします。
この立場をうまく使って、残りの10カ月間すごしていきたいと思っています。
先日、Catherine先生との会話の中で他の言語の授業にもでてみたらといっていただけました。
すでに一部の生徒とダンスを練習してはいましたが、最近放課後のアクティビティとしてダンスを毎週生徒とできる可能性も出てきました。 

たくさん人と会話する中で、自分が23年間日本で過ごしてきた様々な経験が活かされると感じています。 


帰宅後や週末には、一緒に飲んでバカできる友達と過ごすことが多いです。
そのような場面は本当にたのしく、
けれどももっと英語が聞けて話せたらと
本当にくやしい思いをいつもしています。

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いいのかわるいのかわかりませんが、
今一番英語を上達させたいと思わせる場面は、
どうやら同じ年代の人と飲んで会話をしている時のようです。
彼らは半年早くこの学校で働き始めているとは言え、
自分と同じように英語が母国語ではないですが、
英語で楽しそうに話しています。

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酔っ払いながらも英語を話して、
その一瞬一瞬をたのしみたいので、
これからももっと人と会話していこうと思います。 


日本にいた時と同じスタンスで、
目の前のことを積極的に向き合って楽しんでいきたいと思っています。 


会話練習をよりよくするアイデアなど、何でもアドバイスをいただけたらとてもうれしいです。 

残りの10カ月間もよろしくお願いします。

mixiより引用掲載 2011年3月3日12:28付




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