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とにかく足を踏み入れてみることの大切さ

2013年10月僕はパリにいた。
観光旅行でも、語学留学でもなく働くために。
夜19時頃にシャルルドゴール空港に着いてパリ中心部に向かうロワシーバスは満員で空いてる座席はなく立ったままで長旅の飛行機で疲れていた身体には少々キツかった。

オペラ座前でバスを降り予約していたSaint-Lazare駅近くのホテルに到着しホッと一息ついたのだけれどこれから始まる1年間への不安や異国の地にいることにソワソワしてなかなか寝付けなかったのを今でも覚えている。

渡仏前の戦闘力

渡仏前の僕は広島や福岡のイタリアンで数年働いて広島のワインバーで過ごした3年半という経験、フランス料理店での経験はゼロだった。

そんな経歴でもその頃の僕は今と目標の根本は変わらず「広島に日本全国から足を運んでもらえるレストランを作る」だった。
そしてそれを実現するには「経歴」や「経験」が足りないのではなくて圧倒的に「実力」が足りなかった。

目標に少しでも近づきたい、今より良くなんなきゃスタートラインにも立てない。
当時の僕には焦りや自分の状況への不甲斐なさしかなかったから殻を破るため、無い「実力」を少しでもつけるため家族と離れてでもその行動に出るしかなかった。

↑こんな小さい時期に離れるのは当然寂しかった。

戦場には武装して行けと言うけれどフランスに着いた時の僕の武装状況は壊滅的で知ってる言葉はbonjour, bonsoir. merci. 数字もはっきり言って10ぐらいまでというお粗末さ。戦闘力はヤムチャより下だったかもしれない。

結婚していて1才の娘がいた僕は自分が渡仏するお金と家族が1年間日本で生活できるお金を貯めないといけなかったから1年半パチンコ屋と居酒屋の掛け持ちをして毎日20時間馬車馬のように働いていたからとてもじゃないけどフランス語の勉強なんてしてる時間なんかなかった。

事前の準備はするにこしたことはないけどまず動き出しちゃった方が何倍もいい。
国が違って言葉がわからなくても結局は「人対人」で本当に相手のことを理解しようと努めることと、何とか相手に伝えようとすれば身振り手振りで結構なんとかなるものだ。

大切なのは語学力よりコミュニケーション能力。僕がフランスで常に意識していたコミュニケーションのためのルーティンは三つ。

・わかんない言葉があったらとにかくフランス人に書いてもらう。(最初はほんとに何もわかんなかったから書いてもらいまくり笑)

・1日いろいろ書いてもらった単語を家で辞書で調べてその日のその言葉が出た状況と照らし合わせて復習する。

・次の日に出来る限り前日に覚えた言葉を実際に使う。

この三つのルーティンをとにかく毎日毎日繰り返していたら3ヶ月も経てば厨房では割となんとなく何言ってるかわかるようになってくる。

(休みの日にフランス人の友達と飲みに行くのもオススメ)

フランス行くならやっぱ言葉ができなきゃとかフランス料理の経験がしっかりしてなきゃってのは無いよりはあった方がいい程度のアイテムにすぎないと僕は思ってる。

ヴァランスの三つ星「PIC」にて

現にこんな武装状況の僕でも最終的には一つ星から三つ星全てのクラスのレストランで働いて部門シェフを務めることもできた。

大切なのはやっぱり行動でしかなくて作戦たてる前に動き出しちゃってやりながら作戦は考えた方がいい。上手くいかないことだらけだから人生は面白いし上手くいかないことだらけってことは改善し放題ってことだ。

僕は今広島の宮島口にレストランを作る準備をしてる。まだ銀行からの融資実行は下りない。下りるか知らないんだけどとりあえず1脚20万の椅子(椅子一つにも選んだ理由があるからいつか必ずnoteに書く)を8脚オーダーしちゃったし、好きな作家さんの器もオーダー済みだ。

シェフっていう立場にも立ったことないし当然経営者にもなったことはない。危ないかなーって思ってもいつでも「好き」を中心に捉えてリスキーな選択をしていきたい。
その「好き」に全力で突っ走って人の心を揺さぶりたい。

インターネットがある時代だからこそこんな人でも何とかスタートラインに立てそうなんだ!
こんな感じでも海外でやれるの!って何年後でもいいから誰かの目に止まって勇気が湧きますように。

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