見出し画像

"ワイガヤ"に騙されない

 私は仕事がら全国を転々としているため、東京本社の自席のほか、大阪や名古屋など各地の支店で仕事をする機会が頻繁にあります。
 全国の色々なチームの働き方や組織運営などを肌で感じることができるのですが、実は面白いほどそれが異なります。もし社外の人から"社風"や"社内の雰囲気"について尋ねられたら何と答えるべきか悩むくらいです。

 どのチームも、在宅勤務の人もいれば、取引先訪問に出る人、ご登録者との面談のために個別ブースに入る人がいますので、常に全員が揃って席に着いているわけではありませんが、半日も座って見て(聴いて)いると、チームごとにコミュニケーションの傾向が判ってきます。

 当社の場合(少なくとも各オフィスで私が座る場所の周辺の10チームくらい)は、シーンと静まりかえっていることはなく、常にワイワイと活気がある感じです。
 大阪支店のあるチームは、皆がほぼ絶え間なく電話かオンラインで取引先企業かご登録者と話し続けています。よい意味で終始にぎやかで、私にとってはじっくりと考える仕事には向かない環境です。(笑)

 その他、次から次へとご登録者の状況などを共有し合っているチームもあれば、よく聞いていると(よく聴かなくても)無駄話が多いチーム、また比較的限られた人が発信して周りはそれに反応するだけのことが多いチームもあれば、フラットに皆が会話に参加するチームもあります。
 正直、マネージャーが座っている時とそうでない時とでは空気感(無駄話の割合)が明らかに違うチームもないわけではありません。

 ざっくりと会話の中味を分析してみると・・・
  1)相手が社内か社外か
  2)相手(社外)は取引先か登録人材
  3)話題が"市場"か"案件"か
  4)話題が"顧客"か"ルール"か
  5)内容が"価値観"か"ルール"か
  6)内容が"事実"か"見解"か
  7)方向が"1対多"か"多対多"か
  8)方向が"上から下"か"下から上"か

 いずれもどちらが良いかということではなく、チームそれぞれに"偏り"がある、ということです。そして話題や話者の偏りは"視点"の偏りを生みます。

 私もそれを見るために出張しているわけではないのでこの話にこれ以上先はないのですが、一見"ワイガヤ"で活気があるように見えても、そこで話されている内容によって生産性やメンバーが感じる充実感が大きく異なる可能性があるように感じます。

 "人と話す"ことが業務の大半であるような仕事では時間の使い方をデザイン(管理)するのは難しいことですが、"誰と/何を/どのくらい" 話すかが最適でなければ安定して高いパフォーマンスを産み出すことはできません。

 皆が出勤しているから生産性の高いコミュニケーションができている、相互に闊達に発言し合っているから組織内のコミュニケーションは機能している、とみなすのは早計です。
 同時に、マネージャーが"ただ席に座っている"だけの時間が非常に重要であることを痛感するこの頃です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?