見出し画像

【補足】評価制度 その他 設計ポイント

今回は、評価制度を設計する際に出てくる細かな懸念ポイントやその他取りえるオプションについてご紹介していきたいと思います!

※本記事は、評価制度を設計していく中で出てくる個別事例なども含んでおりますので、主軸となる成果・行動評価の設計を終えた段階で閲覧されることを推奨いたします!

【各記事の概要】
 その①:評価制度の全体像
 その②:成果・行動評価の評価方法
 その③:評価制度の運用準備

 ①~③がまだの方はこちらからご覧ください↓


それでは今回もよろしくお願いいたします!


オプション「360度評価」

・360度評価の目的

行動評価を行う際に、行動評価基準を基に自己評価+上長評価により評価を行っていただくほかに360度評価を実施するかについて検討の余地がございます。

メリットとデメリットを上記でまとめており、実施目的も様々ございますが、一番は「従業員の行動変容を促すこと」だと考えております。

メンバーの方で言うと、常に評価対象者となりえる人が身近にいる状態となるため、どのような時でも従業員は評価項目となる行動を意識するようになるといった点を目的として導入されるなどです。

上記の目的ももちろん重要ではありますが、特に重視したいのはメンバーだけでなく、”管理者”が部下からも評価をされることで、マネジメントに責任を持つようになるといった点が360度評価で得られるメリットとしては大きいのではと考えています。

部下が上長へフィードバックする機会は360度評価がなければまず発生しないものであり、そうなってしまうと上長は、どういったマネジメントの仕方が最適なのか振り返ることが難しくなります。

そのため、メンバーだけでなくむしろ管理職の方への行動変容を目的として、マネージャー層のみといった形でも導入されることも多くございます。

一定工数が多く、運用方法についても工夫を挟まないと場合によっては人間関係にも影響が生じてしまうこともありますので、導入する目的を明確にしたうえでご選択されることを推奨しております。

※過去のこちらの記事でも360度評価の目的やメリット、デメリットをご紹介しておりますのでぜひご活用ください!


・360度評価の運用方法

目的の最後でもお伝えした通り、運用方法によっては互いに疑心暗鬼となってしまったり、嫌われる事を恐れて適切な評価が行われなかったり、運用に沿わなかったりなどいくつか検討しておくポイントがあります。

そのため、360度評価を実施される場合に事前に検討しておくべきポイントについて3つ簡単にご紹介させていただきます。

・・・

まず、1つ目に検討すべきポイントとしましては、
「①社内だけでなく、顧客や仕入先等の社外の関係者まで巻き込んで行うか?」です。

社外の関係者も巻き込む場合には、以下のメリットとデメリットがございます。

メリット:外部からの視点を入れることで客観性や公平性が高まる
デメリット:協力を得ることができなかったり、評価の工数が増えてしまう可能性

そのため、360度評価の評価者には、顧客や仕入先等の社外の関係者も含まれる場合もありますが、 協力を得られないこともあり、現実的には社内の関係者やカスタマーレビューといった形で評価を行っていることがほとんどです。

現実的な運用といった点で、評価者については社内のみでまずは行われる事を推奨しております。

・・・

続いて検討していくポイントとしては
「②実名で行うか、匿名で行うか」です。

実名で行う場合
メリット:責任感を持って評価がなされる
デメリット:特にマイナスな評価などについて率直な評価がなされない可能性がある

匿名の場合 
メリット:自らの名前が公表されないため率直な評価がなされる。評価者の心理的負担が少ない。
デメリット:評価に対する真剣さがやや欠けてしまう可能性がある

どちらも一長一短のため、まずは心理的負担が少ない匿名で実施される事を推奨しております。

その中で、中心化傾向など問題が生じた場合には、 被評価者には誰からの回答かがわからないようにしつつ、実名での実施といった運用で対策される事を推奨いたします。

・・・

最後に検討するポイントは「③直接評価に加えるかどうか」です。

360度評価のデメリットの一つに、工数が多くかかるといったものがございますが、もう一つ、評価に慣れていないメンバーが評価を行うことによって評価の質が適切でない可能性があるといったものがございます。

そのため、評価結果をあくまで上長評価の参考として利用する方法と、公平性や上長の恣意性を排除するために直接反映させる方法の2パターンございます。

一般的には回答の質を担保しきれないため、回答結果は上司評価の参考として利用することが多く、左側の案①を推奨しております。

※注意※
360度評価結果を上長から本人に伝える際に、直接評価内容を読み上げてしまうと、匿名であっても回答者の見当がおおよそついてしまうといった場合もございます。
そのため、上長がフィードバックを行う際には、伝え方についても十分な注意が必要です。

以上がオプションでご設定いただける360度評価についてのご説明でした。
話は変わりまして、続いてよく出てくる懸念ポイントをご紹介いたします。



よく出てくる懸念ポイント

①期中異動の時はどうしたらいいの?

期中に異動することで、チームが変わり目標の設定内容が変わる事やキャリアコースが大きく変わる場合には、求められる行動基準についても変化する場合がございます。

その際の対応方法としては、異動前と異動後の両方を評価に含める方法と、長く在籍した方(または異動後)のどちらか一方のみで評価する方法の2つございます。

公平さといった点で左側をご選択される場合もございますが、②の方法を推奨しております。

たとえ異動前の評価結果が良かったとしても、その後は異動先の評価基準により評価を行うため、異動前のパフォーマンスは考慮されません。

そのため、異動前の評価を含め高い評価が出ていた場合、その結果を踏まえてしまうことでその後の評価結果が落ち込んでしまう可能性もございます。

しっかりと異動により評価が下がる可能性は十分に認識のすり合わせを行ったうえで②の方法をご選択される事を推奨しております。

※評価を行うに際し十分な期間が無い場合には、その期を評価対象から外し、試用期間として次の期から評価対象に含めるといった方法もございます。


②中途採用はどうしたらいいの?

中途採用者の評価方法には、以下のパターンがございます。

たいてい入社後1か月はオンボーディング期間のため、入社した期中には成果を出すことが難しく、評価対象に含めないことが一般的です。

一方で、評価対象外となる期間が長くなるほど、昇格スピードが遅くなり、モチベーションに影響を与える可能性があります。

そのため、目標を設定したり、業務に慣れるまでの期間を考慮しつつもできる限り昇格のスピードを速められるよう可能な限り評価対象とする②の方法を取られることをおすすめいたします。

また、こちらを何カ月から対象とすべきか、についても論点がありますが、およそ3か月か、4か月で設定される事が一般的です。

どちらとされるかについては各社さまの決めの問題になりますので、試用期間の長さなどに鑑みた上でご決定ください。


以上が評価制度を設計する際に出てくる細かな懸念ポイントやその他取りえるオプションについてでした!

評価制度まわりはこちらで一旦終了となります!次のテーマについても検討中ですので、もしリクエストなどあればX(旧:Twitter)等でコメントいただければと思います!

それではまた、次回の記事もどうぞよろしくお願いいたします!

・・・
ハイマネージャー
OKR1on1フィードバック人事評価などハイブリッドワークのマネジメントに必要な機能が全て揃ったピープルマネジメント・プラットフォーム「HiManager」の提供、及びマネジメント人事評価に関するコンサルティングを行っています。

HiManagerに無料お問い合わせしたい方はこちら⇩