#15 ビタミンについて
皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。
北海道札幌市で
「フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。
このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。
第15回目となる今回のテーマは
「ビタミン」
について。
▼ビタミン概論
ビタミンは生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、その生物の体内で十分な量を合成できない炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物の総称とされています。
ビタミンはほとんどの場合、生体内で十分量合成することが出来ないので、主に食品から摂取されます。
ビタミンが不足すると、疾病や成長障害が起こり得る可能性があります。
日本では厚生労働省が日本人の食事摂取基準によって各ビタミンの指標を定めており、摂取不足の回避を目的とする3つの指標と、過剰摂取による健康障害の回避とする目的とする指標、及び生活習慣病の予防を目的とする指標から構成されています。
ビタミンは生体内で酵素がその活性を発揮する為に必要な補酵素として機能するものと、そうでないものに大別されます。
補酵素として生体内で働くものは主にビタミンB群として知られています。
補酵素として機能しないものは、ビタミンA,C,D,E,Kです。
補酵素であるかないかに関わらずビタミンは生体にとって必要不可欠であり、ビタミン欠乏症に陥ると、ビタミンB群を補酵素として利用する酵素が関与する代謝系の機能不全症状が現れたり、ビタミンAが光を感知する物質の前駆体である為、夜盲症になったりする事もあります。
また、ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがありそれぞれの性質は異なります。
次の項では、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンについての解説を記載致します。
▼水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、水洗いや加熱調理による損失が大きく、茹で物や煮物よりも、蒸し物や炒め物などが適しています。
なお、過剰摂取をすると尿中に排出されます。
水溶性ビタミンのほとんどはビタミンB群で、あらゆる種類の酵素の補酵素として働いています。
特に「代謝ビタミン」とも呼ばれ、私たちが生きる為の源であるエネルギーを作る為には必須です。
不足する理由として、食品の精製、加工、保存などによってビタミンB群が減っている事や、ストレスや過度のアルコール摂取、妊娠、加齢、過食などによりビタミンB群の消費量が増える事などが挙げられます。
ビタミンB群を多く含む食品としては、レバー、肉類、魚介類、未精製穀物、野菜など様々な食品に含まれます。
【種類】
◎ビタミンB1
・糖質代謝に関わる
・アルコールの代謝に関わる
・脳の働きに関わる
・神経の働きを正常に保つ
◆不足すると
肩こり、筋肉痛、疲労、脚気、記憶力減退、集中力低下など
◎ビタミンB2
・脂質代謝に関わる
・過酸化脂質の分解に関わる
・脳と肝臓の働きに関わる
・皮膚の粘膜の代謝に関わる
◆不足すると
肝臓機能低下、眼精疲労、口内炎、舌炎、皮膚・粘膜の炎症など
◎ナイアシン(ビタミンB3)
・エネルギー産生(糖質、脂質の分解に関与)
・皮膚、粘膜の炎症防止
・神経症状を防ぐ
◆不足すると
うつ、イライラ、不安、精神障害、皮膚炎、口内炎、下痢など
◎パントテン酸(ビタミンB5)
・タンパク質、脂質、糖質の代謝に関与
・神経、副腎皮質の機能維持
・皮膚や毛根に栄養を与える
◆不足すると
うつ、性腺機能低下、めまい、動悸、頭痛、手足のまひ、痙攣など
◎ビタミンB6
・体タンパクの合成や造血に関与
・脳の働きに関与
・神経伝達物質の生成、抗アレルギー作用
・脂質の抗酸化
◆不足すると
インスリン分泌低下、アミノ酸吸収低下、浮腫性湿疹、貧血、下痢など
◎ビタミンB12+葉酸
・神経を守り正常な働きを維持
・ヘモグロビン、赤血球の合成造血作用に関与
・タンパク質代謝
・核酸の合成に関与
・脳の発育を助ける
◆不足すると
神経系障害、記憶力減退、集中力低下、食欲不振、便秘、悪性貧血など
◎ビオチン
・皮膚の健康を保つ
・筋肉痛緩和
・白髪、薄毛予防
◆不足すると
脱毛、白髪、うつ、無気力、食欲不振、吐き気、嘔吐、皮膚炎など
◎ビタミンC
・抗酸化作用
・コラーゲン生成促進(ビタミンEを利用)
・風邪やアレルギー予防
・腸から鉄の吸収を促進
◆不足すると
壊血病、疲労、結合組織異常(歯肉炎、発疹、内出血など)、骨成長障害(小児)など
▼脂溶性ビタミン
水溶性ビタミンとは対照的に、水に溶けにくく油に溶けやすいビタミンを脂溶性ビタミンといいます。
脂溶性ビタミンは、油と一緒に調理師摂取する事により吸収率が高まりますが、体内に蓄積されやすく、過剰摂取の場合は水溶性ビタミンのように尿で排出されない為、人体に害を及ぼす事もあります。
食事から摂取する脂質が脂溶性ビタミンの吸収を助ける為、低脂質色を実践した結果として脂溶性ビタミン欠乏症になる事があります。
【種類】
◎ビタミンA
・成長、生殖機能維持
・上皮細胞の正常化に関与
・視覚に関与
◆不足すると
骨や歯の発育不全、細菌への抵抗力低下、夜盲症、視力低下など
◎ビタミンD
・骨の再構築を調整(骨や歯の成長)
・体内でホルモンとして作用
・カルシウム、リンの代謝に関与
◆不足すると
骨軟化症(成人)、閉経後の女性や高齢者の骨粗鬆症の原因など
◎ビタミンE
・細胞の柔軟化、血液循環の向上
・生殖作用に関与
・抗酸化作用
◆不足すると
筋肉の緊張、流産のリスク、神経症、細胞老化など
◎ビタミンK
・血液凝固を助ける
・骨粗鬆症予防(ビタミンDと共同)
◆不足すると
出血傾向、骨粗鬆症、動脈硬化など
▼ビタミンの消化吸収
食事から摂取したビタミンは、吸収され、体内を巡り、役割を果たしたり貯蔵されます。
その経路は、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンで大きく異なります。
【水溶性ビタミン】
腸で吸収され肝臓に繋がる門脈血に入ります。
ビタミンB12以外はそのままの形では長期間留まることが出来ず、トランスポーターと呼ばれるタンパク質と結合して貯蔵されます。
また、血漿中のビタミンレベルが一定の割合を超えると、吸収されずに体外に排出されます。
【脂溶性ビタミン】
脂溶性ビタミンはその名の通り脂質と深くかかわっており、その吸収経路も食事で摂取される脂質と基本的には同じです。
脂溶性ビタミンの吸収にも胆汁酸などによって乳化される事(混合ミセル)が必須であり、混合ミセルの状態で体内に吸収されたのち、脂質輸送タンパク質であるカイロミクロンによってリンパ管で輸送されます。
食物中の脂質が少ない状態では、吸収に必要な混合ミセルの形成が不十分となる為、脂溶性ビタミンの吸収は悪くなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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