#6 「痛み」とは
皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。
北海道札幌市で
「フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。
このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。
第6回目となる今回のテーマは
「痛み」
について。
▼痛みの分類
「痛み」はいくつかに分類することが出来ます。
◎原因による分類
① 侵害受容性痛:健常な組織を傷害するか、その危険性を持つ侵害刺激が加わったため生じる痛み。または侵害受容器を介した痛み。
・侵害受容性痛は危険から身を守る警告系として役立っている
・しかしながら、痛みを抑える必要が無いわけではない
・痛みが痛みへと悪循環を引き起こすので、治療と並行して痛みの治療も必要である
術後痛に代表されるように多くの病気では有益な物ではなく、不快感や機能障害をもたらし、治療にも悪影響を及ぼす。
・炎症性痛:侵害受容器を介した侵害受容性痛
・急性と慢性がある。
・組織破壊の結果、発痛物質(ブラジキニン等)や感作物質(プロスタグランジン等)により引き起こされる
・組織が損傷され炎症が生じると、発痛物質や発痛増強物質などが放出され絶え間なく自発痛が発生
⇒侵害受容器の過敏化により痛覚過敏が生じる
② 神経因性痛:末梢或いは中枢神経系そのものの機能異常による痛み
・侵害受容器が侵害刺激を受けていないにも関わらず、末梢神経或いは痛みの伝導路ニューロンが引き金となって生じる痛み
③ 侵害可塑性疼痛
・末梢侵害受容器の活性化を引き起こす実質的な組織損傷
・損傷の可能性のある事象の明確な証拠が無いにも関わらず、或いは痛みを引き起こす体性感覚系の病変や傷害の証拠が無いにも関わらず、侵害受容の変貌によって引き起こされる痛み
⇨組織損傷が無いにも関わらず発生する痛み
④ 心因性疼痛
・身体の異常によるものではなく、心理的な原因に由来するもの
・心理社会的因子が関与している痛みの事
◎発生部位による分類
◆体性痛:痛みの部位が限局し疼くような痛み、差し込むような痛みが出現
①表面痛(表在痛)
・皮膚や粘膜の痛み
・速い痛み→刺す痛みで鋭く局在が明確。刺激を止めると直ちに消失。
・遅い痛み→灼けつく痛みで鈍く局在が不明確。刺激を止めても続く耐え難い痛み。
②深部痛
・骨幕、靱帯、関節嚢、腱、筋膜、骨格筋の痛み
・速い痛み遅い痛みの区別が不明確な疼く痛み
・骨格筋の痛みは、血行障害のある骨格筋が持続的に収縮するときに出現しやすい
◆内臓痛
・痛みの部位が不明確で、締め付けられる痛み
・特有な不快感を伴う痛み
・体性痛に比べて局在が不明瞭で性質がはっきりしない事が多い
・内臓の痛覚受容器の分布が粗く、脊髄内での終末分布が広範囲に広がるため局在がはっきりしない可能性
・内臓痛を含む内臓の感覚は交感神経または副交感神経と閉口する求心性線維を介して脊髄に伝えられる
・脊髄後根に含まれる内臓線維の割合は少なく、総数の10%以下である
・内臓求心性線維に反応する脊髄神経のほとんどは体性求心性線維からの入力も受けている
・内臓の感覚の支配密度は低い
・内臓からの求心性情報の一部は内臓反射に関与し、その多くは無感覚である
・腹痛によって、悪心、冷感などの自律神経反射が誘発される
◆中枢痛
・脳または脊髄に障害があり、末梢の侵害受容器からの入力が無くても、あたかも強く刺激されたような激しい痛みが生じる状態
・脳の障害により生じる視床痛や、脊髄の障害により生じる対麻痺性疼痛症、無知覚性疼痛症など
・感覚情報を脳に伝える経路が中枢神経内で遮断されることによって発生する求心路遮断痛
中枢痛の臨床的特徴
・痛みが出現するのは神経障害直後ではなく、しばしば時間をおいて出現する
・痛みは通常、異常感覚のある部位に生じる
・痛みは自発性定常痛(灼熱痛)、間欠性電撃痛、誘発痛の3つの要素に分けられる
・脊髄視床路、及びその大脳皮質への投射路の機能異常と関連して出現し、時に交感神経系の機能異常を伴う事がある
◎速い痛みと遅い痛み
◆速い痛み
・一次痛(即時痛)
・鋭い痛み
・空間的、時間的に識別性に富んだ痛み
◆遅い痛み
・二次痛(遅延痛)
・鈍い痛み
・遅れて感じる灼けつく痛み
・識別性の乏しい痛み
・強い持続性を持ち広がるような不快感を生じる痛み
▼急性痛と慢性痛
◎急性痛
・急な外傷や病気などによる痛み。基本的に一過性且つ局所的。
・主に筋や骨、靱帯、内臓等の組織損傷
・様々な要因によって慢性化する事もある
◎慢性痛
・痛みが長く続いている状態。急性痛がきっかけに慢性的に痛みが長続きする事もある。
・痛みが長期化するほど、組織損傷の可能性は低い事が考えられる。
※骨折でも数か月で骨は元通り接合する
・痛みは様々な要素で変化する(心理、環境、対人)
・1度損傷すると「記憶」として定着する
※ぎっくり腰からの慢性腰痛等
◎痛みと脳
痛み(不安や恐怖)を感じる脳の部位は、前頭葉、小脳、脊髄、海馬などがある。
痛みはアウトプットであり、脳は痛みを記憶している。
例えば組織損傷による痛みがある場合、ある動作によって痛みが現れるケースにおいて
「その動作(可動域)=痛み」が“通常”という記憶定着が起こる。
脳がシグナルを発する事で、「痛み」を感じる。
慢性的(長期的)に痛みを感じていると、痛みに対して敏感になる。
▼痛みの原因と改善
痛みは【環境、対人、温度、時間帯、気分など】様々な要因で波がある事が多い。
好きな人といる時や、好きな物を食べている時には痛みは感じず、ストレスを感じた時や嫌いな人といる時には痛みが増大するケースが多々ある。
この場合、どこかの筋肉が硬い事または姿勢が悪い事が原因と考えるには要素が足りなく、問題は
「なぜその筋肉が硬いのか」
「なぜ姿勢が悪いのか」
ここを突き詰めなければいけません。
つまり、痛みや凝りの改善においてその部位をストレッチする、もしくは揉み解すといった様な事はアウトプットに対しての対処となる為、根本改善には程遠い事が容易に考えられる。
もちろんストレッチや揉み解しによってその痛みが緩和する事はあるが、あくまで一時的な物であり数日で元に戻るケースが多い。
痛みの改善においては、インプットに対してアプローチしていく事が重要となる。
環境面や人間関係、デスクワークによる肩こり等は、その根本原因となり得る事象を排除する事で改善が見込めそうだが、実際はあまり現実的ではない。
(仕事を辞める、嫌いな人と絶対会わない、寒冷地から引っ越すなど)
しかしインプットを司る経路を修正する事は可能である。
つまり、脳・神経への働きかけがそれに該当する。
脳の一部にPMRF(橋延髄網様体)という痛みの抑制に関わる部位がある。
このPMRFを活性化する事により痛みの緩和に繋がる為、実際の現場においても活用事例は多岐に渡る。
PMRFは同側の痛みの抑制に繋がる。
例えば、右側の痛みは右のPMRF、左側の痛みは左のPMRFが抑制する。
分かりやすく言うと、右側の痛みは右の脳が抑制していると言い換える事が出来る。
痛む側と反対側の動作を行うと、同側の脳(PMRF)が活性化し同側の痛みの緩和に繋がる。
また、身体イメージの向上やミラーイメージによる感覚調整、視覚や前庭覚からの介入などによって痛みは緩和される。
これらは全て「脳」へのアプローチになる為、根本改善において脳の活性化は必要不可欠である事がわかる。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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