#19 プログラム変数
皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。
北海道札幌市で
「フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。
このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。
第19回目となる今回のテーマは
「プログラム変数」
について。
▼プログラム変数
プログラム変数とは、トレーニングのプログラムを作成するにあたって、設定した目標と実際のトレーニング条件に照らして様々な選択肢の中から最適なものを選んだり変更を加えるプログラムの要素の事を言う。
プログラム変数として一般的に分類されている物は、以下の7項目です。
① エクササイズ種目の選択
② エクササイズ種目の配列
③ エクササイズ種目の強度
④ エクササイズ種目の量
⑤ 休息時間
⑥ ワークアウト頻度
⑦ エクササイズ種目の様式
これら7項目のどれかがコントロールされなかったり、曖昧なままだったりすると、プログラムの目標が達成できなかったり、トレーニング効率が低下したりすることになります。
これら一つ一つについて厳密に検討しプログラムを作成していくのですが、一つ一つについて目標と条件に照らして検討すると同時に、それらの相互関係も視野に入れて総合的に検討する必要があります。
▼エクササイズ種目の選択
エクササイズ種目とは、いわゆるトレーニングの種目名の事です。
他のコンディショニングの場合、ストレッチングの名称やプライオメトリクスの名称などがエクササイズ種目として挙げられる。
エクササイズ種目の名称をきちっと使い、区別する事はエクササイズの目的や動作特性を明確にして効率よくプログラムを組み、その正しいテクニックを説明してトレーニングを進めていくためには極めて大切です。
プログラムにはこうした種目を選択するのですが、数多くの種目の中から何をチョイスするのかは簡単なようで実は難しいのです。
クライアントが「どのようになりたいのか」を明確にし、その目標に合う内容且つクライアントの姿勢や動作アライメントなどの評価や既往歴を基に、種目を選択します。
また、ある特定の部位のみにフォーカスしたプログラム(例:二の腕だけ)では、トレーニング原則の“全面性の原則”から逸脱してしまう為、トレーナーはクライアントのパフォーマンスレベルや身体的な特徴をよく理解しなければなりません。
▼エクササイズ種目の配列
配列とはトレーニングを行う順序(順番)の事を言います。
実施順序が明確でない場合、そのプログラムは効率が悪いことが予想されます。
もちろん、その順序がどちらでもよい場合や、その日のコンディションや条件に応じて実施順序をその都度変更する場合もあります。
配列に影響する要因にはその種目を実施する為の身体的及び精神的エネルギーの必要度と疲労との関係、種目の重要度、種目の新規性、関与する筋群の量、複雑性、トレーニング全体の目的などがあります。
実施順序は、個々のエクササイズの効果を最大限に引き出しつつ、トレーニング全体としての目的が効率よく達成されるように工夫する必要があります。
一般的な配列のパターンは以下の通り。
・大筋群→小筋群(例:大胸筋→上腕二頭筋)
・多関節運動→単関節運動(例:スクワット→レッグエクステンション)
・パワー系種目→持久系種目(例:ハングクリーン→キックバック)
▼エクササイズの強度
強度の決定には、絶対的方法と相対的方法があります。
また、これらは物理的方法と生理的方法に区別する事も出来ます。
絶対的方法:重さ(kg)、高さ(cm)、時間(秒)、心拍数(bpm)、傾斜(deg)などにより決定
相対的方法:最大筋力に対する%、最大跳躍高の%、最大スピードでの所要時間の%増、最大心拍数の%などにより決定
物理的方法と生理的方法の区別は、客観的なランニングスピードに対する生体の負担度が必ずしも直線関係に無いような、例えば血中乳酸値や主観的疲労度の個人差に対応する場合に必要となります。
レジスタンストレーニングでは強度の設定はいくつかの方法が混在して用いられています。
◎第1
2kg,3kgというように最初から絶対値として重量を示す方法。
ほとんどすべての人にとって使用重量に差が無いような肩のインナーマッスルに対する種目などが基準の回数に達した次の段階でウエイトを負荷する場合などに簡単に強度を指定するのに有効です。
◎第2
最大筋力に対する%として指定する方法。
通常は便宜的に1RM(Repetition Maximum)という最大何キロ挙げることが出来るかという数字で最大筋力をとらえています。
この1RMという基準に対するパーセンテージで表す方法が%1RMと呼ぶ方法です。
◎第3
最大何回挙げることが出来る重さかというRMで表す方法です。
正しいフォームで連続5回挙げることが出来れば5RMと表記。
このRMに対する%という指定も可能です。
▼エクササイズの量
レジスタンストレーニングであれば、ワークアウト当たりの総挙上重量や総挙上回数やセット数で表します。
強度と量は通常は一方が大きくなると他方は小さくなるという関係にあります。
強度の高い思いウエイトでは回数を多く行う事は出来ないし逆も然りです。
レジスタンストレーニングで最も通常のRM法に基づいて、使用重量の重さとその重さでのレップ数がほぼ自動的に決まる場合には、量は単純にセット数という事になります。
その場合、何セットであれば効率がいいのか、何セット以上ならその効果はほとんどそれ以下と変わらないかといった観点からセット数を決めていく事になります。
▼休息時間(セット間)
プログラムの効果に極めて大きな影響を与えるにもかかわらず、通常のワークアウトにおいてあまり重要視されていないプログラム変数がこの休息時間です。
早くトレーニングを終わらせようとしてどんどん休みを短くすると、目的が最大筋力や最大パワーを発揮するという点にある場合は効果が少なくなります。
厳密には、休息時間はセット間だけでなく、種目間、レップ間においても考慮が必要となります。
また、プログラムの強度やレップ数などによっておおよその休息時間が示されています。
・パワー系(1~5レップ):2~3分程度
・筋肥大(8~12レップ):90秒程度
・持久系(20レップ以上):30秒程度
セット数が多い場合、筋群の大小によってこれらは変化させることが望ましいです。
長すぎるまたは短すぎるなどの極端な場合もパフォーマンスの影響を左右する為、適切な休息をとる事が良いでしょう。
▼ワークアウトの頻度
通常、トレーニングは30分以上の休息時間が空くと、別のワークアウトと数える事が多いです。
1日に何回ワークアウトがあるか、週に何回ワークアウトがあるかという事は結局ワークアウト間の休息時間を問題としていることになります。
毎日1回ワークアウトを行えば1週間で7回のワークアウトとなりますが、1週間単位で見た時には適度な休息日を設ける事が望ましいとされます。
トレーニング初心者の場合、筋肉疲労や筋肉痛が残った状態ではトレーニングを行ってもその効果は期待できません。
つまり、筋肉の疲労を取り除き、負担のかからない状態を作る為にも、トレーニングの頻度は考慮が必要です。
その為、初心者には週1~3程度の頻度が推奨されます。
また、熟練者の場合、1日に行うトレーニングの部位を指定して日替わりでワークアウトをこなすケースも少なくありません。
しかしながら、身体全体には負担となり、関節やその他組織においてその疲労が蓄積し、傷害のリスクも伴う事から、やはりこの場合においても休息日を視野に入れた頻度でトレーニングを行う事が理想的です。
▼エクササイズ様式
上記6項目に直接該当しませんが、具体的なエクササイズの実施方法に影響し、その結果トレーニングの効果を左右する可能性のある要素を指します。
・動作のスピード
・エクササイズ密度(時間当たりのエクササイズ数、強度、量)
・ワークアウトの総エクササイズ数
・可動範囲
・ワークアウトに要する時間
・テクニックのバリエーション
・ウォーミングアップとクールダウン
・種目間或いはセット間の休息中の活動
最後までお読みいただきありがとうございました。
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