#14 脂質について

皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。

北海道札幌市で
フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。

このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。

第14回目となる今回のテーマは

「脂質」

について。

▼脂質概論

脂質は炭水化物、タンパク質とともに三大栄養素と総称され、多くの生物種の栄養素です。

食品中の脂肪という時、脂質やその詳細である脂肪酸を指します。
常温で液体の油脂は油を指し、一方で個体を脂肪と呼ぶ事もあります。
自らの身体の脂肪(体脂肪)という時は、脂肪酸のグリセリンエステルの中性脂肪であることが一般的です。

脂質は1gあたり9kcalの熱量(カロリー)があります。
他の栄養素(炭水化物、タンパク質)に比べ約2倍以上もあり、少量で大きなエネルギーを確保できる特徴があります。

脂質は食物から摂取したり、体内で炭水化物から合成された脂肪は肝臓や脂肪組織に貯蔵されます。
脂肪からエネルギーを得る時は、グリセリン(モノグリセリド)と脂肪酸に加水分解してからさらに分解されます。

安静時や強度の低い運動時には脂肪の方が糖よりも多く使われています。
血糖やグリコーゲンは利用しやすいが、貯蔵量は多くない為安静時などではあまり多くは使われず、強度の高い運動時などに糖が優先的に使われるようになります。

▼脂質の役割

脂質は重要なエネルギー源だけでなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として臓器を保護したり、身体を冷えから守ったりする働きもあります。

また、脂溶性ビタミンであるビタミンA,D,E,Kの吸収を促すなど重要な役割を果たしています。

脂質は摂り過ぎる事により肥満の原因になる為、過剰摂取には注意が必要ですが、身体にとっては欠かせない栄養素である為、不足するとエネルギーが不足して疲れやすくなったり、体の抵抗力が低下したりする場合がある為、適量摂取する事が大切です。

肥満傾向にある人は、動脈硬化、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病の原因になる為、摂り過ぎないように注意が必要です。

脂質の1日の摂取量(目安)は総摂取カロリーの約20~30%であり、近年の日本人全体の平均脂質摂取量はおよそ25%ですが、ファストフードや菓子類等にも多く含まれている為、その摂取量には十分に気を付ける必要があります。

▼脂質の種類

脂質は、化学構造の違いによって、単純脂質(中性脂肪、ロウ)、複合脂質(リン脂質、糖脂質、リポタンパク質)、誘導脂質(ステロール類)の3種類に分類されます。

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また、単純脂質、複合脂質、誘導脂質などの脂質を構成している重要な要素が脂肪酸です。
脂肪酸は炭素と水素が結合し1本の鎖状になったもの(炭化水素鎖)の末端にカルボキシル基が結合しています。
炭化水素鎖の長さや二重結合の有無の違いにより、多くの種類の脂肪酸があり、その性質も変わってきます。

さらに、二重結合が無いものを飽和脂肪酸、二重結合があるものを不飽和脂肪酸といい、このうち二重結合が1つのものを一価不飽和脂肪酸、二重結合が2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸といいます。
飽和脂肪酸は常温で固まり、不飽和脂肪酸は常温で固まらないものになります。

多価不飽和脂肪酸はさらに、n-3系脂肪酸(オメガ3)、n-6系脂肪酸(オメガ6)に分けられます。
また、脂肪酸のうち食物からとる必要があるものを必須脂肪酸といい、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸がそれに該当します。

オメガ3脂肪酸は比較的良質な脂とされ、魚に多く含まれるDHAやEPAがコレステロールの値を下げ、善玉コレステロールを増やします。
亜麻仁油やえごま油などにも多くのオメガ3脂肪酸が含まれています。

《健康へ与える影響》

飽和脂肪酸は、肉や乳製品に多く、有害なLDLコレステロールを増加させ、保護的なHDLコレステロールも増加させます。

トランス脂肪酸(水素添加された油)は有害なLDLの増加と保護的なHDLの低下させ、植物油やナッツ、全粒粉、魚に豊富な一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸(特にオメガ3脂肪酸)は、有害なLDLを低下させ、保護的なHDLを増加させるほか、インスリン抵抗性を改善し、心臓のリズムを安定させます。

脂肪の摂取量が多い場合に、虚血性心疾患が生じるリスクが高まるのは飽和脂肪酸のみであり、一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸の割合が多い場合そのリスクは低いとされています。

また、トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなどに含まれ、世界保健機関(WHO)の摂取目標は飽和脂肪酸が10%未満に対し、トランス脂肪酸は1%未満とされるなど、少量で悪影響がある事が懸念されています。

脂質の過剰摂取によって、体内に脂肪として蓄積され肥満やメタボリックシンドロームの原因になります。
さらに血中の悪玉コレステロールが増加し、血管の内側に付着して高血圧、高血糖、脂質代謝異常の状態をもたらします。
動脈硬化による冠動脈心疾患などの不都合を引き起こす要因になる為、脂質の摂取量は十分配慮する必要があります。

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▼消化吸収

脂肪の多い食品は糖質やタンパク質が主体の食品に比べ、消化の始まりが遅く吸収に時間がかかります。

食品に含まれる脂肪の多くは化学的に安定した中性脂肪の形をしています。
胎内に入ると中性脂肪は十二指腸で胆汁により乳化されます。
次に膵臓からの消化酵素リパーゼの働きで、脂肪酸を一つ付けたままのモノグリセリドと脂肪酸、グリセロールなどに分解されます。

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水に溶けやすいグリセロールはそのまま小腸上皮細胞から吸収されますが、モノグリセリドと脂肪酸は腸内に分泌された胆汁酸の働きにより、ミセルという親水性の非常に小さい分子に取り込まれ腸管から吸収されます。

小腸上皮細胞に入った乳化物は、今度はタンパク質と結合し、カイロミクロンという大きなリポタンパク質を作ります。
カイロミクロンはリンパ管から吸収されリンパの流れに乗り、腹部、胸部、さらに左頚部下から鎖骨下静脈、心臓を巡って動脈に映り全身へ運ばれます。
炭素の鎖が10個以下の短い脂肪酸は、ブドウ糖やアミノ酸と一緒に門脈経由で肝臓に向かいますが、脂肪成分の多くはリンパ経由の道のりを辿ります。
食後3~4時間かけてようやく脂肪が吸収されるのはこうした長いプロセスがあります。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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