#9 呼吸について
皆さんこんにちは、パーソナルトレーナーの古寺健吾です。
北海道札幌市で
「フィットネスで人生を豊かに」をモットーに、多くの方の健康に寄り添うお仕事をさせて頂いております。
このnoteマガジンでは、主に「健康」や「身体」に関する内容の記事を毎週アップしていきます。
第9回目となる今回のテーマは
「呼吸」
について。
▼呼吸とは
呼吸は人間が一番最初に行う「運動」です。
息を吸う事を“吸気”、息を吐く事を“呼気”といい、吸気では交感神経、呼気では副交感神経が優位になります。
呼吸には第1次呼吸と第2次呼吸があります。
第1次呼吸は、頭蓋の後頭骨と仙骨との間に生じる脳脊髄液循環リズムで、胎児期に起こる呼吸法です。
第2次呼吸は、赤ちゃんがお腹から出てきて「オギャー!」と泣いたときから始まり、これが我々が普段行っている“肺呼吸”になります。
代表的な呼吸法として知られているのは、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」がありますが、通常適切な呼吸といわれるのは「腹式呼吸」です。
腹式呼吸は、横隔膜という呼吸筋が正しく使われる事で行われますが、猫背や反り腰などの不良姿勢においては正しく機能せず、過剰な筋肉の緊張を生む原因となります。
そして、呼吸の役割は様々で
・酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換(換気)
・自律神経の調節
・肩こり腰痛予防及び緩和
などがあり、上記から派生する形でも様々な効果をもたらします。
また、呼吸は、歩行や咀嚼と並び原始動作であり無意識に身につくものとされています。
これには環境やメンタルが影響する事も示されています。
▼呼吸の仕組み
呼吸は一般的に「肺呼吸」を行いますが、肺自体は随意的に膨らんだり縮んだりする事は出来ず、脳の延髄にある呼吸中枢の調節によって横隔膜などの呼吸筋が収縮する事で出来たスペースに対して自然に膨らみ、横隔膜などの筋肉の弛緩により肺が縮み、肺に溜まっていた空気が排出されます。
この空気の出し入れの事を「換気」といいます。
また、肺は空気の通り道となっている管状構造をした気道(気管支)と、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出を行うガス交換の場である肺胞から成り立っています。
▼呼吸と自律神経
呼気では副交感神経、吸気では交感神経がそれぞれ優位になる事から、呼吸は自律神経を整える唯一の方法とされています。
人は、交感神経と副交感神経のバランスが保たれているからこそ、平常心を保つことが出来ます。
普段からストレスを感じやすい人は、そのバランスが崩れ、交感神経が常に優位になり、痛みを感じやすくなったり、免疫低下や睡眠障害、精神疾患等を引き起こす原因にもなります。
このように、自律神経の乱れは様々な症状を発し、精神的にも身体的にも負荷を与えます。
呼吸と自律神経は相関関係があり、睡眠障害、精神疾患、情緒不安定などの場合、呼吸数は多くなる傾向があります。
また、呼吸数や量などは記憶するといわれ、多くの場合、ストレス時の呼吸が記憶として定着する事が分かっています。
リラックスや呼吸を整える為に行う深呼吸では、呼気(吐く場面)の時に脱力し空気が自然と漏れ出るように行えているかがキーポイントとなります。
呼気において強く息を吐く事を努力呼気といいますが、通常呼気では力みなどが入らずに行う事が重要です。
深呼吸で呼吸を整えようとしても、努力呼気による息の吐き方を行うと、結局交感神経が優位になったままになり、かえって逆効果になるので注意が必要です。
▼肩こり腰痛との関連
肩こりや腰痛は呼吸の改善によって緩和される事が分かっています。
その原因は様々ですが、呼吸が適切に行えていない場合、横隔膜という筋肉が適切に機能せず、腹式呼吸がスムーズにいかず肩を上下に動かすような胸式呼吸を繰り返す傾向が多くなります。
また、呼吸は1日に約2万回行われていると言われており、このような肩の上げ下げも同じ回数行われていると考えると、肩が凝るのは容易に想像できます。
猫背や反り腰など姿勢不良の場合は特にこの傾向は顕著に見られます。
通常、腹式呼吸によりコア(体幹)が安定します。
不良姿勢が起こると腹式呼吸によるコアの安定が欠け、身体に不安定性を生じさせます。
不安定な状態は筋の過緊張を起こし、交感神経を優位にします。
これが「痛み」に繋がるという事です。
腰痛に関しても、腰椎の椎間板内圧が高くなる事で腰部にはストレスが加わり疼痛が起こります。
これは横隔膜の筋の付着を考えます。
横隔膜は、肋骨の底を覆うドーム状の形状で腱中心と呼ばれる箇所、剣状突起、腰椎の4番と3番に付着しています。
腹式呼吸により横隔膜は収縮し、上側のドームは下に下がってきます。
下側の腰椎付着部分は動作は起こりませんが、力は上に引っ張られるようなベクトルが働きます。
これにより腰椎の椎間板にスペースが出来、椎間板内圧が緩むことにより、疼痛の緩和が起こります。
また、腹式呼吸をコントロールする事で自律神経を整える事が出来るので、この事からも交感神経優位な(痛みを感じやすい)状態から解放される事にも繋がります。
いずれにせよ、腹式呼吸により横隔膜が適切に機能すれば、肩こりや腰痛を緩和させる事は十分可能であるという事です。
▼インナーマッスル
腹式呼吸には、インナーマッスルが関与します。
先ほどから出ている横隔膜の他にもいくつかの筋肉によって、コアの安定が保たれます。
イメージとしては、腹部(腰部)を上下、前後に囲うようにインナーマッスルが活躍します。
・上:横隔膜
・下:骨盤底筋群
・前+横:腹横筋
・後:多裂筋
これらを総称して
「インナーユニット」といいます。
これらのインナーユニットがしっかりと機能する事により、体幹の安定やパフォーマンスの向上に繋がります。
腹式呼吸では、上の蓋の役割を果たす横隔膜と、下の蓋の役割を果たす骨盤底筋群が向き合う事で腹圧が抜けずにコアの安定を獲得できます。
反り腰の方のように、骨盤が過剰に前傾していると、横隔膜と骨盤底筋群がそれぞれ向き合わず、腹圧が抜けてしまいます。
▼トレーニングとの関係
筋トレにおいては、呼吸は非常に重要な役割を果たします。
ベンチプレスやスクワットなどの種目を行う際に、腹式呼吸によって体幹を安定させ高いパフォーマンスを発揮できます。
アームカールやサイドレイズなどの種目を行う際にも“コアの安定”という点で、呼吸は大切です。
腹式呼吸を用いて、腹腔をパンパンにする事を“ブレーシング”といいますが、このブレーシングは体幹を固定し、パフォーマンス発揮時には必須となります。
テニスや野球のスイング動作時にもブレーシングにより体幹が安定する事で、胸椎や骨盤、股関節の適切な回旋が生まれます。
また、動作中の息の吐き方もポイントになります。
通常、力を発揮する場面において息を吐くわけですが、この時に脱力したような呼気だと当然ですが力は入りません。
この時は「努力呼気」を用いて、意図的に呼気をコントロールする事が必要になります。
※短く強く吐くのがポイントです
最後までお読みいただきありがとうございました。
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