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レビュー「わたしの好きな映画10作品」 第九回 サニー 永遠の仲間たち

「サニー 永遠の仲間たち」

涙と笑い、現在と過去、音楽とダンス、カラフルでポップ、数々のエピソードと登場人物、いくつもの事柄があちこちに散りばめられた複合性の高い作品でした。時に覗かせる作家性や80年代後半の韓国の暮らしや文化も良好なアクセントになっていました。一際目立つのが、シンナー中毒の彼女、そして、顔に浮かぶ鮮血でした。してしまったことはともかく、彼女の疎外感は痛々しく、忘れかけていた苦い経験や体験、そんな記憶を蘇らせる迫真の演技でした。大小様々、幼い頃の友人関係には妬み嫉妬は付き物ですが、他の登場人物の誰よりも彼女のその後の貢献や活躍、幸福を願いました。勝手に想像するのも映画の楽しみ方の一つですが、個人的には敵対するグループの小心のリーダーが憎めないキャラクターだったので、その後の人生が気になります。付随して、サニーと敵対するグループ、その決闘の際の主人公の憑依は爆笑を誘いました。本作の数々のレビューをインターネット等で読みましたが、葬儀に現れた彼女はスジではないのでは?という意見がありました。言われてみれば、確かに、でも、単純に考えてスジでは?また、本作の魅力の一つに加わる意見でしたが、本作には楽しむポイントが彼女らの思い出のようにいっぱいありました。

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