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2週間でMVPを開発し鎌倉で50組をナンパした結果

このnoteは、ジーズアカデミー Advent Calendar 2021の21日目の記事です。20日目のSago Takutoさんからバトンを受け取りました。

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11月に会社を起業してから、約1ヶ月半が経ちました。

この1ヶ月半では、会社設立に伴う諸々の事務手続き等の他に、主にリーンスタートアップと呼ばれるやり方で事業の仮説検証を行いました。

リーンスタートアップとは、コストをかけずに最低限の製品・サービス・機能を持った試作品を短期間でつくり、顧客の反応を的確に取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していくマネジメント手法のこと。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/lean-startup/

具体的には、タイトルのように2週間MVP(Minimum Viable Product: 実用最小限の製品)を開発し、それを元に50組のユーザーに現地で試用とインタビューをお願いしてみました。

リーンスタートアップの方法論や考え方は本やWEBで知ってはいたものの、実践してみて初めて気が付くことも多く、いわゆるKnowing-Doing Gap(知識として知ってることと、実践できることの間にあるギャップ)を感じました。

この記事では、同じように起業を考えている方や、またエンジニアで個人でサービスを開発をしている方の他山の石になればと、実際に私がこの1.5ヶ月で実践した内容とその結果をご紹介したいと思います。

2週間でMVP開発を試みる

課題仮説として、「観光に来ている人は、訪れている観光スポットに興味があるものの、興味を満足させるような情報に出会えていない」と考えており、その仮説検証を行うために11月の後半2週間でMVPを作ることにしました。

具体的には、位置情報を元にいまいる観光スポットの面白い情報や歴史的背景を、クイズを通して楽しみながら知ることが出来るというシンプルなWEBサービスを作りました。

鎌倉クエスト

(ちなみに、後から気が付くのですが、リーンスタートアップのセオリーから見てもこの段階でMVPを作るのは非効率的なやり方だと後で反省することになります笑)

開発は、G’s ACADEMYの繋がりで協力してくれた方と、フロントエンド・バックエンドで分担することにしました。

システムの構成は、フロントエンドはNuxt.js、バックエンドはLaravelで、それぞれHeroku上で構築することにしました。

また、自分自身へのコミットメントを高めるため、「やるぞ宣言」を使ってTwitter上で期限を宣言し進捗を毎日報告するようにしていました。

(バグのようでなぜか完了と表示されてますが、当時は進捗率10%くらいで表示されてました)

結果として、最後の最後でCORSエラーにはまってしまい、2人で朝まで6時間近く格闘したものの解決できず、12月1日の期限に完了させるという目標はあと少しのところで達成することができませんでした・・
(12/1時点で95%でした)

ただ、Twitter上で宣言し進捗を報告していたおかげで、皆さんに励まされながら高い集中力を維持して開発できたのは間違いないので、「やるぞ宣言」自体はすごくよかったです。

集中力が高まりすぎて、最後の3日間くらいはほぼ寝ず、終わった後に2日間くらい疲れすぎて動けませんでした笑

ちなみにCORSエラーは、バックエンド側の設定に問題があると思っていたのですが、実はフロント側でたった1行、プロキシの設定がきちんと書かれていなかっただけだということが後でわかり、愕然としました。

こういうネットワーク関連エラーの、フロントとバックエンドの原因の切り分けってどうやってやるのがよかったのだろう・・?

鎌倉で50組にインタビューをお願いする

このようにして2週間で作ったMVPを元に、12月は実際に鎌倉で想定するユーザーに声を掛けて、MVPの試用とインタビューをお願いすることにしました。

平日と週末で合計50組・80人位の人に声を掛けたと思います。

そこから見えてきたのは、当初想定していたよりも観光スポットのストーリーや歴史的背景を知りたいと思う人は少ないということです。

実際に50組に声を掛ける中で、MVPに登録してくれたのは9組で、その9組も感想や使い方を見る限りそこまで興味はないし定着には至らないだろうというのが素直な反応です。

鎌倉に来ている人に話を聞いてみると、写真を撮ったり散策に来ている人は多いもののの、「なぜ鎌倉大仏は室内ではなく屋外に安置されているのか」といったことまで興味を持って積極的に知りたいという人はそこまで多くない様子でした。

(ちなみに外国人観光客を主要な想定ユーザーの1つとして考えていたのですが、コロナのせいで鎌倉には全く外国人観光客がおらず、検証は出来ませんでした。)

期待はずれな結果で正直がっかりしましたが、早い段階でユーザからフィードバックをもらい、ニーズを検証できたのはよかったです。

反省と今後

改めてこの1.5ヶ月の動き方を振り返ってみると、早い段階でユーザーに会って話を聞けたのはよかったですが、課題仮説自体の検証はMVPを作らなくても出来たのではないかと思っています。

MVPを作らなくても、想定するユーザーにインタビューをして課題仮説をぶつけてみたり、現在どのような行動を取っているか深掘りすれば、検証は行えたし同じ結果を得ることが出来たと思います。

私自身が開発を好きなのもありますし、MVPを作っていると前に進んでいる感もあって、ついつい先に手を動かしてしまいがちです。

ただ、一足飛びに、MVPを作って価値仮説(ソリューション)の検証をするのではなく、その手前でもっとしっかりとユーザーへのインタビューや観察を行い、課題仮説の検証を行うべきした。

今後は、改めて課題仮説から再考し、想定するユーザーのインタビューを丁寧に行っていきたいと思います。

また、コロナで渡航客が来れない中なかなか難しいですが、外国人観光客に対しても何らかの形で検証を行いたいと思っています。

最近読んだ記事ですが、SmartHR創業者の宮田さんも2年以上かけて12回ピボットし、やっといまのSmartHRの事業に辿り着いたそうです。

 本当に無茶苦茶にピボットしていました。最初は2つプロダクトを世に出して、たたんだんです。それからは(実際にコードを書くに至らないが)課題を見つけてプロトタイプを作ってと10回繰り返して生まれたのがSmartHRです。だから、これまで合計で12回のピボットをしてきました。

記事より抜粋

思い込みで進むよりも、リーンスタートアップのやり方を学びながらユーザーを巻き込んで進めるようになったことをポジティブに捉えて、引き続き頑張りたいと思います!

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