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ただ君に会いたいだけ【また君と出会う未来のために】


阿部暁子さんの「また君と出会う未来のために」

まさかの一気読みでした。


昨日の投稿で

「これから読んで、終わったら感想書きます〜」

と言ったばかりだったが、読む手を止めることができなかったです。


仙台の大学に通う青年・支倉爽太は、人には秘密にしている過去があった。
失意の底にいた小学校三年生の頃、幽霊が出ると噂のある海で溺れたことをきっかけに、遠い未来――2070年――へと時間を超えたことがあったのだ。
そして現代に戻れた後も、未来で出会った年上の女性を忘れられずにいた。再会する方法など分かるはずもなく、気持ちを押し殺して大学とアルバイトに明け暮れていた爽太。
しかし、大学の室内楽サークルに入っている友人達の揉め事に関わる中で親しくなった八宮和希という青年に「おれは、過去から来た人に会ったことがある」と告げられて…?


阿部さんの本を今回初めて読ませていただいたのですが、文章から美しい情景が想像でき、自分もその場にいるのでは?と錯覚するくらいでした。


とある駅前でピアノを弾いているあの人

とある家でヴァイオリンを教えてもらったあの人

とある湖でヴァイオリンを演奏しているあの人


もう一回読んで、もう一回あの場所に自分を連れてってほしい!と感じるくらい圧巻でした。



そして、2070年にタイムスリップするという設定も良かったのかなと思いました。


タイムスリップの醍醐味は

現在から未来

未来から過去

など、時を超えるものであるが故に、とても繊細だなと感じました。


例えば、

未来に行ってみたら、最愛の子供が死んでいた。

なので、未来から現在にタイムスリップして、何かアクションを起こし、子供が死なないように取り計らう。

しかし、この行動は未来を変えているため、もしかしたら何か良からぬことが起きる可能性がある。


みたいな感じで、

時を超えるからこその難しい問題が出てきて、

行動するのか、しないのか、といった選択を余儀なくされます。


このタイムスリップがこの本の最大の見どころで、

「会いたいけど会ったら危険、でも会いたい」

といった駆け引きがあります。


「会いたいよりも大切なことはあるのか?」

間違いなく必見です。


気になった方は是非読んでみてはいかがでしょうか。

#読み終わった後に気づきましたが

#「どこよりも遠い場所にいる君へ」

#という作品の第2弾だったらしい

#逆から読んでいくスタイル

#笑

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2021年11月14日 けんぼーい


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