#2 財務・会計のことをわかりやすく解説!!損益計算書の見方 初心者🔰向け
前回は損益計算書の一部を学びましたが、損益計算書は会社の売上と経費を載せて、差額で利益を計算する表ということを学びました。
では、利益がゼロになるケーキ一個の値段は?最後に問題を出しました。今日はこの内容をお伝えします。
税理士と社長とよくある会話
顧問先に、家族経営の社長さんに売上目標を持つことを勧めますと、だいたいの社長がうちの会社は、そんな大きくないし〜と言われます。
きっと、会社は今のままでいいし、きっと大きくはできないし、とりあえず食べていけてるし、という感じなのでしょう。
せっかく同じ業界で何十年も経営してきたノウハウがあるのに、と勿体無く思います。
売上、粗利益、利益などを、説明してもあまり関心がないようで決算は組んでも赤字でしょという感じです。
さて、そんな数字に関心のない社長に、少しでも数字に興味を持ってもらおうと、いろいろ工夫をしていきます。
その一つが、前回問題として出した「利益がゼロになる売上」の計算の仕方です。
では、まずは前回の復習からです。
ケーキ屋さんの損益計算書
前回のケーキ屋さんの損益計算書の復習です。
売上高 6,000円(600円✖️10個)
材 料 1,200円(120円✖️10個)
売上総利益 4,800円(粗利益とも言います)
テナント料 1,000円
アルバイト代 800円
光熱費 500円
小物文具代 200円
利 益 2,300円
損益計算書では、ケーキ屋さんの売上から経費を差し引いて、利益を計算する書類と説明しました。
売り上げは1ヶ月で600円の10個販売していますので、6,000円です。
そこから、1個120円の十個分の材料代を差し引きますと、4,800円
この売上高から材料代を差し引いた4800円を「売上総利益」またの名を「粗利益」と呼びました。
売上総利益からテナント料、アルバイト代、光熱費、小物文具代を差し引いいて、2,300円が利益となり、今月のケーキ屋さんの儲けになります。
つまり損益計算書は、ケーキ屋さんの売上高から経費を差し引いいて、利益を算出する書類でした。
経費には2つの性格がある 「固定費」「変動費」
復習項目ですが、利益をゼロ売り上げを計算する上で大切な部分です。
(1)固定費
前回、経費には売り上げの増減に関係なく払わなければならない経費があると説明しました。
復習となりますが、損益計算書のどの経費だったでしょうか?
テナント料 1,000円
アルバイト代 800円
光熱費 500円
小物文具代 200円
合 計 2,500円
これらは、極端な話、売り上げがゼロでも必ず支払わなければならない経費です。
これを「固定費」(売り上げと連動しないという意味で)と呼びました。
(2)変動費
では、逆に売り上げの増減とともに、金額が増減する項目は、材料ということになります。たくさんケーキを作ろうと思うと、材料はその分たくさん必要ですから。
利益をゼロにするためには、ケーキ1個いくらで販売すれば良いでしょうか?(損益分岐点売上)
本題に入ります。
答えを先にお伝えしますと、月10個販売するとして、ケーキを1個370円で販売すれば利益がゼロとなります。
計算方法ですが、逆算をしてきます。
このときに大切な要因となるのが、固定費であるか、変動費であるかです。
ケーキ屋さんの損益計算書
売上高 〇〇円
材料代 1,200円
売上総利益 △△円
テナント料 1,000円
アルバイト代 800円
光熱費 500円
小物文具代 200円
合 計 2,500円
利 益 0円←ゼロとしたい
利益の段階で、ゼロとするには、売上総利益△△円はいくらにするべきでしょうか?
簡単ですよね?固定費の合計は2,500円となっていますので、売上総利益は2,500円あれば、最終利益はゼロとなります。
次に材料代が1,200円ですから、
売上高〇〇円は、
1,200円+2,500円=3,700円
10個販売するので、
3,700円÷10個=1個370円
で販売すれば利益がゼロになる。
いわゆる損益トントンの売り上げですが、この売上高を会計用語で「損益分岐点売上高」とよびます。経営分析する上でとても大切な数字となりますので覚えましょう。
今回はここまでです!!
では、次回に向けて、問題です。
大変です、近くにライバル店ができそうです。ライバル店はケーキ1個を500円で販売するようです。
① 当店も1個500円で販売することにしました。
さて、利益はいくらになるでしょうか?(材料、他経費は金額は変わりません)
② 材料代が25%値上がるようです。ケーキを1個いくらで販売すれば、損益トントンの売上になりますか?(固定費は変わりません)
コラム
数年前の話ですが、10年後には「AI」でどんどん人がする仕事をなくなるという記事が出ておりました。
そのランキングでは、1位は歯医者、2位は税理士でした。
なぜ、歯医者が「AI」によってなくなるか?
現在の画像解析技術の進歩は凄まじいものであり、患者さんの口の中をカメラが映し出し、その画像をコンピューターがAIで虫歯かどうかを判定して、そのまま治療してくれるというのです。
数年前には実験的に行われているという話でしたので、いつかはお目見えするかもしれません。
顧問先のドクターも「その方が正確にしてくれるな」と笑ってられました。
では2位の税理士ですが、税理士の基本業務は、記帳代行(試算表作成)が基本収入で事務所運営が成り立っています。
その記帳代行が、FREEEなどのソフトによって自動化されていき、自動で試算表が作成されるようになり、税理士の基本収入がなくなっていくということらしいです。
なんとも、顧問先の歯医者ドクターと
「私ら1位と2位ですね〜10年後はただのおっさんになってますね〜(笑)」
などと笑いながら話しておりました。
進んでいる方向はそうでしょうが、10年では難しいでしょうね。
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