株価は小幅下落-マーケット考察-2020.5.22

米国株式市場は今週は大きく上昇した後で、ポジション調整的な動きで、上昇と下落を繰り返す方向感に乏しい展開となっています。

今週に入って、ワクチン報道が株式市場の主要変動要因となっているまのの、ワクチンが投入されるのは早くて1年は掛かる事を考えますと、根拠の乏しい楽観主義に相場が一喜一憂し過ぎている感がとても強いです。

米中関係は秋の米大統領選挙に向けて、
(1) 上院は米国株式市場に上場している中国企業の上場廃止を促す法案が可決したり、
(2) 香港を巡る対中制裁策を提示する
とも報じられ米国が中国をサンドバックの様に扱い始めています。米中間のジャブの応酬はこれから激化する可能性は高く、今後のシナリオはまだ不透明感でいっぱいです。

昨日発表された経済指標を見てみますと、以下の通り、相変わらず米国経済が苦悩している姿が窺えます。
(1) 新規失業保険申請件数が243.8万台と予想240万を上回る高水準でした。
(2) 5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は1970年以来の低水準だった4月のマイナス56.6よりは改善されたものの予想マイナス40を上回るマイナス43.1でした。

今週末はLong Weekendなので、金曜日の市場はポジション調整が更に進むような相場に終始しそうです。

また、今日から中国の全人代( 全国人民代表大会) の開催が予定されいます。その中で、
(1) 強まるアメリカとの対決姿勢に対応した軍事費予算額、
(2) 香港の治安維持のための法整備、
(3) 新規の財政出動の規模や具体的な対策、
(4) 新型コロナウイルス開発の進捗状況、
(5) 貧困の撲滅を強調する形で政策の方向性、
(6) 1976年以来、44年ぶりの低水準にとどまる可能性のある経済の先行きなどが明らかになる事でしょう。

全人代で発表される内容次第では、トランプ大統領の対中制裁発言が出る可能性もありますので、相場の波乱要因はまだまだありそうです。

 立沢賢一
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