見出し画像

ここは私の夢の国

何となく、現状に満足していない時に私は映画を見たくなる。
今の世界とは違う世界を見てみたい、所謂現実逃避。

上映時間より早めに映画館の入り口に足を踏み入れる。
ハイカロリーな映画のつまみはどれも食欲をそそられる。

なんやかんや王道のポップコーンを選ぶ。
味は塩にしておけば間違いは無い。

まだ足元が明るい中、いそいそと席へと座る。

映画はすぐには始まらない。
CMが約10分程流れるからだ。

「ああ、こんな映画もやっているのね。」

なんてぼけーっとしながら見ている。
私にとってこの時間が世界で一番無駄だと思う瞬間だ。

仕方のないことだけれども(笑)

某カメラを被ったアイツの映像が始まればいよいよ映画の始まりだ。

周りがゆっくりと暗くなっていくと、そこから映画の世界に突入する。

テレビとはまた違った雰囲気である。

大画面に大きなスピーカー

俳優たちの台詞の言い回しや息遣い。

指の先から立ち姿まで。

ストーリーとともに繰り広げられるプロの技術にただただ翻弄される。

これが、映画の醍醐味だ。

いつの間にか現実とは切り離された世界に私はいる。

時には自然と涙がこぼれ落ち、怒り、嬉しさ…。

感情の全てを支配された後、気づいたらエンドロール。

こんなに多くの人たちが作っていたのか。

映画って素晴らしい。。。

ふっと幕を閉じた会場からは、最初のあたたかい光が戻る。

各々、色んな表情を浮かべながら出口へと向かっていく。

みんな、再び日常へと戻っていく。

私の心の中からはモヤモヤしたものが無くなっていた。

明日からまた頑張ろう。きっと大丈夫。

ここは私の夢の国。

様々な感情を教えてくれる。

でも、永遠にはいられない。

それで良いのだ。

つかの間のひとときが心のデトックスをしてくれる。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?