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「日本における女性のキャリア」は、「ある決断」をすると断然ラクになるという話。(ノーベル経済学賞研究に学ぶキャリア論)

これは、前後編の後編なんですが、前編では、男女の賃金格差を分析した研究で今年のノーベル経済学賞になったクラウディア・ゴールディン氏の著作の内容の紹介をしました。

前編はこちらから↓

後編の今回は、ゴールディン氏の知見を「日本社会に活かす」ためにはどうすればいいか?について考える記事を書きます。

前編で紹介したように、私は経営コンサル業のかたわら、色んな個人と文通しながら色んな個人の人生を考える仕事もしているんですね。(ご興味があればこちらから)

そのクライアントにはそれこそ「老若男女」いて、学者とかお医者さんとかアイドル音楽の作曲家とか農家の人とか、そういう特殊な職業の人もいますが多くはいわゆる「勤め人」で、だいたい半数は女性で、下は20代の人から上は60代の人まで、地方から東京から海外在住の人まで、色んな人生のあり方に触れてきたところがある。

その仕事で繋がっている人たちを見ていて感じるのが、「上の世代(50代とかの、そろそろ子供が巣立つ頃の世代)」と「下の世代(20代、30代のこれから子供を持つ、あるいは現役子育て世代)」では見えてる世界がかなり違うってことなんですよ。

端的に言うと、「50代」頃のキャリア志向の女性と「日本の会社」の間にはちょっと単純には語れない感情的なシコリが残っている部分も大きい。

普段はサバサバしているようでも、そういう話題になると急に処理しきれていない恨みつらみが消えずに出てきてしまうみたいな人も結構いる。

一方で、現役の子育て世代の話を聞いていると、むしろ日本の会社は「かなり近い」ところまで迎えに来てくれていて、後少し踏み込んで「双方向的」に知恵を出し合える関係になれば大きく変わるんじゃないかという予感もある。

ゴールディン氏の著作でわかるように、「ジェンダー論的な”差別意識”の問題」を延々と蒸し返していても、「具体的な制度レベルのミスマッチ」が解決できないと決して社会は変わらないわけですよね。

そこで「具体的なミスマッチの解消」と「日本における今後の女性のキャリア像」について考える記事を「後編」として書きます。

(いつものように体裁として有料記事になっていますが、「有料部分」は月三回の会員向けコンテンツ的な位置づけでほぼ別記事になっており、無料部分だけで成立するように書いてあるので、とりあえず無料部分だけでも読んでいってくれたらと思います。)

1●”前編”における「ゴールディン氏の研究」の話まとめ

まずは、前編で述べたゴールディン氏の著作のポイントを簡単に箇条書きにすると、

A・男女の賃金格差は、徐々に「ジェンダー論的な差別意識」の問題ではなくなってきていて、むしろ具体的な制度上のミスマッチを解決していかないといけない時代になっている。
B・「同じ大学を出て同じ仕事をしている男女」に給与差などはもはやない。一方で、「子供を生む」とその「時間に制限が一切なく働くグリーディジョブ(貪欲な仕事)」の最前線に夫婦の両方が参加し続けることが難しくなり、どちらか(たいていの場合女性の方)が「仕事をセーブ」しはじめる事が将来的な大きな給与格差に繋がっている。
C・もちろん「むしろ女性の側が”グリーディジョブ”に参加し男が主夫寄りになる」選択肢も増えるべきではあるが、もっと良いのは「子育ての時間」を持っても最前線に残れるような「働き方」を増やしていくこと。
D・「グリーディジョブの非グリーディジョブ化」の例としては、アメリカにおける薬剤師業界のように、「標準化・システム化」され取り替え可能な仕事にしていく方向性が考えられ、日本でもそういう流れはあらゆる業界・業態で進みつつあるのでジェンダームーブメントはそこと協業していくべき。
E・一方で、「標準化・システム化」できない領域が仕事には当然あり、ゴールディン氏の研究もそこについて明確な答えを出しているわけではない。そこに「日本社会の事情」にあった解決策を具体的に考えていく必要がある。

こういう感じです。

つまり端的に言うと、

男女の給与格差をなくすには、「プライベートを100%捧げきらないと出世できない」ような仕組みを変えていく必要がある。それは「子育て中の女性」だけでなく、男性にとっても良いことであるはずだ

…というようにまとめられるかと思います。

で、ゴールディン氏は、その「グリーディジョブの非グリーディジョブ化」の成功事例としてアメリカの薬剤師業界の話をしているんですが、それ以外の「事例」で説得力がある話が出てくるわけではなく、「薬剤師業界でできたんだから他でもできるんじゃない?」みたいなことを言ってるだけなんですよね。

もちろん、この「標準化・システム化」して「取替可能なシステム」にしていくというのは、確かに今後の日本では大事なポイントではあるんですよ。(詳しい話は前編記事を読んで下さい)

一方で、そうやって「あらゆる仕事が取り替え可能になる」というビジョンにはかなり無理があるのも事実ですよね。

本の中に出てくる例としては、

薬剤師業界<<医師業界<<<<<<MBAや法律職

…みたいな順番で「同じ学位を持った男女の給与差が開いていく」という分析が紹介されているんですが…

医学薬学みたいに「制度」がすべてを規定してくれる業界ほど、「取替可能」になって時間の融通がきくのでキャリアが断絶しないですよね…って言われても「そりゃそうだ」って話ですよね。

じゃあ、MBAや法律職でも同じように「あらゆる人が取り替え可能な存在になっていく」か?っていうと、そりゃちょっと難しいところがある。

ある意味でこういう世界観自体が、「学位」的なラベルだけであらゆる給料が将来に渡って決まるべきだ…という一種の形式的なエリート主義そのものですし、「勉強は得意じゃなかったけどオリジナルな仕事の工夫で成り上がる」みたいな余地がゼロになったほうが「フェアな」世界なのか?みたいな話になってしまう。

あの本を書いているゴールディン氏ですら、「じゃああなたの学者としての仕事も取り替え可能にしていかないといけないですよね」ってなったら嫌な顔すると思います(笑)

また、あらゆる仕事を「取り替え可能に標準化」してしまうと、むしろその競争で最も優位に立てるのは英語圏で覇権国家で「他人に押し付ける力」が最もあるアメリカ企業ですよね、みたいな問題もある。

だから日本企業が同じことをやっていくなら、ちゃんと自分たちの強みを深く理解した上で、丁寧に「標準化・システム化」を行っていくような動きが必要になる。

そういう「日本社会の実情」を理解した上で具体的に変えていく動きと、ジェンダームーブメント的な改革圧力がちゃんと両輪で噛み合うようにしていくことがこれからの課題だし、一世代前に欧州で女性の社会進出が進んだのはそういう「理想論と現実論の両輪」がちゃんと噛み合っていたからだ、という話を「前編」ではしました。

で、今回の「後編」では、さっき書いた「文通の仕事」でお話している若い世代の女性には、「上の世代の女性」とは違う「日本の会社との距離感」が生まれているところがあるし、そこをあと一歩踏み込むと色んなことが大きく変わるんじゃないか、という話をします。

2●若い世代の女性の「会社との距離感」は上とはかなり違ってそう

「文通」の仕事で話していて思うのは、上の世代と下の世代の日本女性で「日本の会社」との距離感はかなり違うな、ってことなんですよね。

で、「文通の仕事」はもう10年以上やってるんですが、10年前とか5年前とかと比べてもかなり違う。

要するに「要望が具体的」になってきていて、例えば子供が急病で短時間抜けなくちゃいけない時に「有給が丸一日」消化されちゃう仕組みがオカシイ・・・みたいな、そういう感じの「制度上のミスマッチ」に関する要望を持っている事が多い。

で、これは会社によってまだレベル差があるんですが、”多くの”会社においてそういう細部のミスマッチは解消していく流れになりつつある。その方が子育てに参加したい若い世代の男性にとっても良いからね。

一方で、「日本の会社における自分の将来像」に関して、少し迷ってる部分もある人は多くて、そこにあるミスマッチをもう少し解消できると色んな事が良い方向に変わるんじゃないかという感じがしています。

で、私がそういう話をする中で、結構一貫しておすすめしてるのが、

「”その会社で”出世していく意志」をある程度明確に見せていくといいですよ

ってことなんですよね。

そうやって、「夫婦で協力しながら子育てにちゃんと時間を使いつつ、出世もしていく」ロールモデルを作っていける手前まで、やっと日本の会社がたどり着きつつあるところがある。

3●「生え抜き正社員の女性役員」が生まれつつあるのも大きい

その状況変化において結構大事な事件だと思うのが、「生え抜き正社員」の女性役員が徐々にあちこちの日本の会社で生まれつつあることじゃないかと思うんですね。

たとえばトヨタとかでも数年前に「生え抜き正社員の女性役員」が出始めてるんですね。

正社員で入社して、出世レースで登って、満を持して役員になるという、「男なら普通」のコースで女性がちゃんと役員になる時代になった。

日本というのはどの分野もある程度年功序列的な国なんで、「役員に女性がいない」っていう批判は、「日本で役員になる世代」の女性でそういうキャリアを歩んでいた人が少ないんだからかなりアンフェアな批判のしかたである面はあるわけですよね。

そして、その状況で無理やり「女性役員」を作り出そうとすると、トヨタの前の女性役員は、ゼネラルモーターズで広報をやっていたアメリカ人女性役員を引き抜いてきた例とかなんですが、そういうのが「普通に働く日本女性」のロールモデルになるかっていうとならないですよね。

結果として「今までの日本社会で”目立つキャリアウーマン”」というのは、あまり「日本社会側の事情」とかを知らないタイプのキャリアの人が多かったわけですよね。

だから、女性が「まわりの男性たちとは違う女性ならではの意見を持つぞ」となった時のロールモデルが、「日本の会社の現状」とかなり乖離しているような事例が多くて、結局女性の意見の活用自体が進まない面もあった。

一方で、さっきのトヨタの加古さんのようなキャリアが増えてくると、「日本の会社における女性の出世」というのを、男性と同じレベルでちゃんと理解できる土壌がやっとできてきているところがあるわけじゃないですか。

加古さんも、ある意味で「男社会」の中で同化しきらずに自分なりの持ち味を見つけてきた、みたいな話がインタビューで語られていますし、こういうゾーンで「女性の活躍」が目立つようになってくると、「日本社会」と「自分の意見を持った女性」の乖離が少なくなって、結果として無理なく活躍できる女性が増えてくるはず。

「外資文化出身のキャリアウーマンで日本の会社のことを全然知らない」とか、「かなりアクティビスト寄りのジェンダー論の大学教授でアカデミアしか知らない」とか、そういう感じの人しか「目立って意見を言う女性がいない」状況が続いていると、「日本社会の実務を取り扱っている層」と「意見を持ってるアクティブな女性」とのギャップが大きすぎて取り入れられないですよね。

一方で、「女性初のレクサス開発担当」みたいなステップをちゃんと踏んで成果を出し、皆に認められて出世した「生え抜き正社員の女性役員」みたいな事例が徐々に増え始める事で「アクティブな女性の意見」と「日本の会社の実情」をちゃんとすり合わせて反映していける可能性が高まる。

私が若い世代の女性と「文通」の仕事で話してる時には、結構できるだけ「その会社で出世する」ことを考えてもらえるように背中を押しているところがあります。

そういう事例が増えることで、「日本社会」と「女性の要望」が、全く交わらない平行線で罵り合うだけだったり、逆に「ガチ極右政治勢力の内輪のお姫様」みたいな女性だけが持て囃される・・・みたいな状況とか、そういう「日本あるある」的な不幸を超えていけるようになるからですね。

4●今日本女性に求められる「リーンイン」のポイントがここにある

「文通」の仕事で若い世代の女性と話していて、男性の場合と違う事が多いな、と思うのは、「その会社」に対してコミットする姿勢みたいなものなんですよね。

男性の多くには「コレ」があるというか、そういうのが「あるべき姿」として刷り込まれてる経験をしている人が多いんですが、女性がそう思うまでにはちょっと心理的障壁が色々とあるっぽい。

さっきも書いたように、「生え抜き正社員の女性役員」みたいな事例がもっと増えていくと今後大きく変わってくると思いますが、もしこれを読んでいる20代30代の女性がいたらちょっと考えてみてほしいポイントがここにあります。

というのは、多くの男性社員は、「その会社の今の社長とか役員とか」に将来の自分を重ねやすいところがあると思うんですね。「あの人は30代でこの部署の課長だったから俺も何年後には役員だな」とか、結構心の中で思ってる人多いと思うんですよ。

そして、よく昔のビジネス書とかで言われてたように「2つ上の職階に出世した時に自分がどうすればいいか常に考えている」みたいな準備が行われがちで、その「考えてきた積み重ね」が将来役に立つ。

その「男性の場合自然とやってる心づもり」が、女性の場合はなかなか描けない場合が多い。

でもまあそれは現状仕方ないですが、上の世代にはそういう生き方をした女性が少なかったのなら、意図的に「自分が」それになるイメージを持ってくれないと永久に物事が変わらない事になってしまいますよね。

そこは結構意識的に「リーンイン(フェミ用語ですが”意識的に一歩踏み出す”みたいな感じ)」していってほしいポイントがあるんですね。

で、日本の会社は女性役員を増やさなきゃと皆思ってるんで、今、30代の子育て中の女性とかが、「その会社で出世する意志」を示すと、凄い優遇してもらえる可能性がぶっちゃけあるんですよね。

そこは「ちゃんと意志を態度で示していくコミュニケーション」が凄く大事。

「子育てにちゃんと時間を使えるように制度の細部を要求して変えていく」のも凄く大事な一方で、その人が「将来その会社でやっていく意志」を示してくれているかどうか、っていうのが凄い重要な分岐点になるように思います。

「その会社でやっていく意志」があるし、その会社の問題を主体的に考えてもいるし、一方でプライベートを使い潰して心身を壊してしまうような事には反対するし、具体的な制度のミスマッチも改善提案していくぞ

こういう態度↑を見せてくれるタイプの若い女性が増えることが、今の日本でジェンダー関連の空理空論とか感情的な罵りあいが山積みになっている状況を変えていく上で非常に重要なことだと思います。

5●「I型」で終わらない「T型人材」のススメ

で、もうひとつ、「文通」で話していて、若い女性の場合男性と違う部分として、

ある種の「ポータブルスキル」を持った「専門職」的人材像に囚われすぎ

…という傾向はあるように思います。

ポータブルスキルっていうのは、「●●のプロ」として経歴に書ける四角いスキルの事ね。

いわゆる「I型人材」とか言いますが、「Iの字の縦棒」の部分のように「専門」があって、その「専門」はどこでも必要とされるので、将来も転職しやすいし食いっぱぐれない…みたいな話ね。

で、もちろん「その会社でしか役に立たないスキル」しかないのも問題ですよねという話はあるので、ある程度そういう「I」の縦棒部分は大事なんですよ。

ただ、「I」の部分だけで高給が得られる仕事って、実はかなり限られるんですよね。

ソフトウェアエンジニアみたいな例と、あとは会計士や弁護士みたいに資格ありきなら別ですけど、あとは「I」型のポータブルスキルだけだと「ビジネスパーソンとして大きく活躍して収入を伸ばす」のは難しい。

もちろん、「ソフトウェアエンジニアなら出産関連で時間があいても全然平気」みたいな話はあるので、徹底してポータブルスキルの専門家になることで自分の時間を確保する…という戦略は悪いことではないです。

一方で、エンジニアでも、会計士や弁護士のような資格職でもない「専門家」ってどこかで限界が来ることが多くて、人事にしても法務にしても経理にしても営業にしてもその他あらゆる側面において、

「Iの縦棒部分」的な専門部分だけでなく「Tの横棒」的なジェネラリスト部分が、今の若い人が考えるイメージに比べて何倍も実は大事だったりする。

特に「普通の人」のキャリアにおいてはね。

つまり、「その会社で出世しようと思う」にあたって、「他人を巻き込んで仕事を進める方法を学んでいく」「その会社の今何が問題で、結局どうしていけばいいのかちゃんと自分で普段から考えておく」部分が想像以上に大事なんですね。

で、「そこの部分でちゃんと考え続けている部分がある」という信頼感が上層部との間であるなら、多少出産関連とかでタイムラグがあろうと、必ず「その会社で必要な人材」にはなれるはずなんですよ。

そして今の日本の会社は、そういう面で「男性社員が自然とその組織にコミットしているレベル」と同等以上にちゃんと「コミットする姿勢を見せてくれる女性社員」が喉から手が出るほど欲しいという感じなので、そこを狙うと「需給」が一致して、非常に充実したキャリアが描ける場合が多いはずです。

30代前半ぐらいの「普通に未経験的に転職できる最後のタイミング」になってくると、特に女性は「どこにもコミットしないでいられるポータブルスキルに逃げたい気持ち」になる人が多くて、「●●のプロ」とわかりやすく名乗れそうなコンサルとかその他に転職しようかなーと思いがちになるんですよね。

でも「そうやって何者でもない、”世の中に沢山いるそのスキルの習熟者の一人”」になると、やはり「必死に長時間働く」ことが必要になる可能性はかなり高い。

それよりも、「最低限の”Iの縦棒”は確保しつつ、”その会社での出世を目指していく」姿勢を見せることで、「お互いにとってとても大事な存在」になれるんですね。

そうすれば「色々と融通を聞かせてもらいながら、自分の持ち味や能力を発揮できる場を確保できる」道も随分とラクになります。

バンプオブチキンというバンドの歌に、

そこからひとつを選んだ僕だけに歌える歌がある
あなただけに聞こえる歌がある

っていう歌詞があったんですが…

日本における「男性のキャリア」はほっといてもそういう要素を自然に叩き込まれるんですが、女性はかなり意識しないと「そこ」に踏み込むのに勇気がいるんですね。

でもそこに「リーンイン」すれば、必ず今の日本の会社はあなたに便宜を図ってくれるし、そして単に「ポータブルスキル」だけを身に着けて「取替可能な存在」になっていく道よりも、もっと豊かな活躍の道がひらけます。

最近は日本企業の役員の給与も相当高いですから、

「10人なみのI型人材」になって「取替可能な転職市場をさまよい続ける」よりも、「その会社にコミットして役員になる」方が最終的にはよほど経済的なリターンも大きくなる

…はずですよ。

「文通の仕事」で色んな「働く女性」と話していると、男性の場合と最も違っていて、「リーンイン」すれば全く状況が変わってくるだろうと感じるポイントがそこにあると感じているので、ぜひ考えてみてください。

なんか僕は若い人にも敬語で話したいタイプの人で、こういう「先輩風アドバイス」みたいな事するのは苦手なんですが、「これ」は結構多くの人に当てはまるアドバイスだと思うので、もし受け取っていただければ嬉しいです。

長い記事をここまで読んでいただいてありがとうございました。

ここからは、毎月恒例「今月外に出した記事」のまとめをしつつ、今月はまた記事三本目が長くなりすぎて外向きのものになりましたが、ここ以後は会員向けにコンフィデンシャルな近況報告の話とか、こないだの橋本先生との対談の感想とか、そこでも扱われた「クルド人問題」で有名な川口市に実際行ってきた感想とか、日銀の方針転換でいよいよ「昭和が終わる」ってこととか、の話をします。



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また、この連載の趣旨に興味を持たれた方は、コロナ以前に書いた本ではありますが、単なる極論同士の罵り合いに陥らず、「みんなで豊かになる」という大目標に向かって適切な社会運営・経済運営を行っていくにはどういうことを考える必要があるのか?という視点から書いた、「みんなで豊かになる社会はどうすれば実現するのか?」をお読みいただければと思います(Kindleアンリミテッド登録者は無料で読めます)。「経営コンサルタント」的な視点と、「思想家」的な大きな捉え返しを往復することで、無内容な「日本ダメ」VS「日本スゴイ」論的な罵り合いを超えるあたらしい視点を提示する本となっています。

また、上記著書に加えて「幻の新刊」も公開されました。こっちは結構「ハウツー」的にリアルな話が多い構成になっています。まずは概要的説明のページだけでも読んでいってください。

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