単なる自己顕示欲などではない。

ネットのツールを使ってアレコレと…
私も長いことやっているのですが、こういうツールを派手に使っている人は自己顕示欲の塊みたいなものだと思います。
その最たるものが、YouTuberだったり、ブロガーと呼ばれている連中かと。ある程度パッケージ化されたものを利用するだけなので、ここまでハードルが下がれば誰でも何でも手を出すだろうな…と感じています。

こういったツールが無かった時代は、自分で全部作るしかなかったので、ページひとつ、写真ひとつ…それぞれを大事に丁寧に扱っていたと思います。
手間も時間もかかるわけですが、同時に考える時間もあったので、愚かしいことを簡単に行う…なんて、そもそもバカバカしくて考えもしなかったと思います。
もちろん、最初から全てにおいて健全な人しかいなかったわけでもなく、それなりに話題作りに勤しんでいた連中も存在していました。
私個人としてはそういうことをしていた本人やその制作物に魅力は感じたことがありません。

ハードルが下がれば云々に関してなら、昔の歌手の歌は難しいものが多いのですが、いつからか歌詞に意味もなければ、そもそも歌唱力も求められないものが歌として幅を利かせるようになってきました。
「カラオケ」というものが普及してきた時に、「誰でも歌える歌でないと売れない」という状態になったので、歌手の安売り状態になってしまったわけですが、それに似ている。

様々なパッケージ化されたネットのツールを展開して、手を出しやすそうなものから様々な人に利用されていく…
しかも、隣に住んでいるお兄ちゃん、お姉ちゃんがYouTuberになれるような時代ですから、自分も何かしら便乗でもして…と無い頭で考えてしまったのでしょう。

問題は、そのYouTuberとやらが非常に幼稚なことが多い。子供からすれば大人がその程度なら、自分たちもその程度で大人として生きていけるんだ…と、とんでもない勘違いまでしている始末。
幼少期からの家庭教育や学校教育の中で、「大人」が大人として責任を取ってこなかったことが、「不良品欠陥品の子供」を大量生産流通へ導いているのだから根深いとは思います。

記事にも出てくる「バイトテロ」なんてふざけた言葉が横行している事も悩ましいわけですが、そもそも「テロ」なんて言葉を簡単に使う時点で教養なり社会性というものを疑いたくなります。
少なくとも「テロ」行為というのは、方向性や目的というものが定まった状況で起きるわけで、バイトの子がする行為ではないです。

センセーショナルな記事にするために、妙な造語が増えることに気持ち悪さも感じますし、現役の学生である子供たちがそんな言葉を安易に使う時点で、彼らの学びの姿勢にも狂いが生じているのでは?と思いたくなります。

しかも己の行為は、単に食べ物を粗末にしたということにとどまらず、実際は命あるものを愚弄し、社会の信用問題をも犯す卑劣極まりない下衆な行為です。

もっと簡単な言葉で言いましょう…
犯罪行為とか違法行為なだけです。


実際のところ罪の深さは単に法に書かれたもので表す以上のものでしょう…
己の生き方、己の存在を賭けた問いに対してそのような答えしか出せないという事が、「ひとりの人間として」どれだけ恥ずかしいことかが全く分かっていない。
テロとかバカとかそんな単純な言葉で済まされないぐらい、レベルが低い…否、信じられないぐらい非常にあり得ないレベルで低いわけです。

道具、情報ツールやシステムというものは、人間が人間らしく生きるために存在しているのであって、別に人間を排除したり、単に無計画な意味での楽をするための存在ではありません。
人間が人間らしく豊かに生きるため、幸せになるために使うのが筋じゃないでしょうか?

Twitter、Facebook、Instagram、TikTokは自分の代わりに何も考えてくれませんし、自分以上のことはやってもくれません。
でも、そういう便利なツールを使って、クリエイティブなことをするのは他でもない人間の役目です。

哲学的な説明をするなら、「道具は最初から目的があって作られる」でも「人間は自分で自分を定義しなければならない」わけです。


昨今のこのような話題に目を向けると、単純に「道具に人間が使われてしまっている」という悲しくも恐ろしい状況なわけです。
違いますよね、「人間が道具を使う」のが正しい姿です。

そういう全体的な意味で、「不適切な行為」と総称するのであれば、納得します。ただ、バイトの子がおかしなことをやらかしたことだけをピンポイントで「不適切な行為」と表すのはやめていただきたいものです。
残念ですが、そこまでレベルの高い話じゃないですから。

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