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会社説明スライドから今すぐ削除するべきスライド5選 ~「伝えるべきメッセージ」と、「スライドの内容」がちゃんと噛み合ってますか?~

新卒採用においては、サマーインターンシーズンも終わり、今後だんだんと会社説明をする機会が増えてくると思います。そういったタイミングなので、今回のnoteでは私が会社説明スライドから今すぐ削除したほうが良いと思っているスライドのトップ5をまとめてみました。

もちろんケースバイケースなので例外はあるとは思いますが、それなりの数のベンチャーの会社説明を見てきた経験上、少なくとも以下に記載した5つのスライドが入っている会社説明をしている企業で、採用が大成功しているケースは見たことがないです。
※そのあたりの原因と対策に関しても、後述しています。そして、それが今回のnoteで一番お伝えしたいことだったりもします。

▼会社説明スライドから今すぐ削除するべきスライド5選

【1】会社概要
伝えてはいけない内容ではもちろんないものの、それほど重点的に話すべき項目ではないです。少なくともスライドの1ページ目で話すほどの内容ではないです。

それこそ、平均年齢や従業員数ならまだしも、「資本金◯◯円」「株主構成」「取引企業数」「経営陣一覧」といった内容を、時間をかけてわざわざ読み上げても、新卒候補者の志望度は上がらないと思います。

以前のnoteでもお伝えしたとおり、話す相手は、投資家でもユーザー/ カスタマーでもなく、あくまでも新卒の候補者であることを忘れないようにしてください。

【2】事業上の競合他社との4象限のマッピングによる比較
4象限のマッピングはよほど上手くやらない限り、ただのポジショントークっぽくみえてしまいます。特に競合である業界大手企業との比較で、「裁量の大きさ」×「専門性」といった2軸のマッピングがよくありますが、これも結局領域がニッチなだけですよね?という印象を与えかねません。

また、そもそもですが、伝えるべきメッセージは「事業上の競合他社と比較し、自社は優れたポジションにいる」ということなのでしょうか?後述しますが、採用で伝えるべきメッセージが適切に設定されておらず、とりあえず業界内で優れたポジションにいることを、なんとか伝えているというパターンが多いように思います。

繰り返しになりますが、話す相手は、投資家でもユーザー/カスタマーでもなく、新卒の候補者です。

【3】"詳細な"事業やサービスの説明スライド
しつこくて恐縮ですが、話す相手は、投資家でもユーザー/カスタマーでもなく、新卒の候補者です。

もちろん、事業コンセプトや事業の面白さを伝えることは大事ですが、はたして本当に"詳細な"事業やサービスの説明のスライドが必要なのか、改めて立ち止まって考えてみてください。
(※後述の、「伝えるべきメッセージ」が適切に設定されていない場合に、事業やサービスの説明スライドは大量発生する傾向があります。)

これまでにも、IRスライドやユーザー向け商品説明資料からひっぱってきた詳細な事業内容スライドを元に、素晴らしいプレゼンスキルを持ったプレゼンターの方が詳細に事業の説明した結果、会場の候補者たちの志望度がほとんど上がらなかった説明会に遭遇したことが、数え切れないくらいあります。

【4】先輩社員の1日
基本的に先輩社員の1日を説明するスライドは、以下のような表面的な内容しか伝えられず、それで志望度が上がるとは思えないケースがほとんどです。

よほどインパクトのある内容でない限り、限られた説明会の時間をわざわざ割いて説明する必要はないと思います。
※1日の流れを知ってもらいたいのであれば、1日体験入社をしてもらったり、採用サイトにしっかりと記載をするほうが良いです。

▼「先輩社員の1日」の典型パターン
出社→コーヒーを飲みながらメールチェック→社内会議→外出してお客様と打ち合わせ→ちょっと遅めのランチ→会社に戻って企画提案の資料作成→翌日の予定を確認→退社

社員個人にフォーカスを当てる場合に話すべきことは、どんな1日の流れかという表面的なことではなく、仕事をする上での意義ややりがい、携わったプロジェクトの実例と成果、今後の目標などに関する内容にするべきです。

【5】募集要項
これもわざわざ貴重な時間を割いてまで話をする必要はないと思います。特殊な内容や注意事項が無い限り、「募集職種:総合職」「完全週休2日制」「住宅補助あり」といった一般的な伝達事項であれば、1枚紙を印刷してそれを配布し、あとで読んでおいてもらえば十分です。

▼そもそも「伝えるべきメッセージ」が定義すらされていない

上記のような会社説明スライドで採用があまり上手くいかないのは、採用像と伝えるべきメッセージが明確に定義されていないからです。
※採用像の明確化については以下のnoteをご覧ください。

おそらく、CMや広告を打つ際は、「このCMや広告を見た人に、どんな印象を持ってもらいたいか?どんな状態になって欲しいか?」といったことを考えるはずです。

会社説明も、説明の前後で候補者の印象や状態を変化させるという意味ではCMや広告と同じだと思うのですが、「伝えるべきメッセージ」が適切ではなかったり、そもそも定義すらされていないケースが散見されます。

そういった状況がなぜ起きるかというと、これはあくまでも私の仮説ですが、そもそも「伝えるべきメッセージ」というのが、いったい何なのかよくわかっていないからというのが原因の1つだと思います。

そうした中で、私は以下のようなシチュエーションで話されるべきフレーズを「伝えるべきメッセージ」と定義しています。

◆伝えるべきメッセージ
 = 以下の◯◯◯◯と、
◻◻◻◻にどんなフレーズが入るべきか?

まずは、上記の丸と四角にどういったフレーズが入るべきか、ぜひ検討をしてみてください。そして、適切なフレーズが決まると、かなりの確率で、上記の5つのスライドの優先度/重要度が低いということがわかるはずです。つまり、「伝えるべきメッセージ」と「スライドの内容」がちゃんと噛み合っていなかったということです。
※もちろん、ケースバイケースではあります。

フレーズを検討するときのポイントとしては、
・会社説明の翌日で、かつ立ち話というシチュエーションなので、ワンフレーズでざっくりとしか表現されない。
・ワンフレーズが業界や事業内容の話が中心になりやすいので、本当にそれが適切なのかを検討する。
といった点をしっかり考慮すると良いと思います。

フレーズを決めるのは少し手間はかかりますが、極めて強力な武器になるので、ぜひやってみてください。

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