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Bookレポート「神山進化論~人口減少を可能性に変えるまちづくり~」

地域活性などに関わる人が気になる「徳島県 神山町」。

IT企業がサテライトオフィスの地に選んだりして話題になりますが、

その背景、軌跡を書籍「神山進化論~人口減少を可能性に変えるまちづくり~」より整理しました。

書籍「神山進化論~人口減少を可能性に変えるまちづくり~」
神田誠司著

◆人が集まる理由
神山にはなぜ人や企業が集まるのか?
それは異質なものを受け入れる風土。
国際交流やアーティストインレジデンスの取り組みで培われた
「異文化への住民の慣れ」が距離感と自由を受け入れている。
そして「やってみよう、やったらいいじゃん」というキーマンの思考。


◆移住につなげるアイデア
ワーク・イン・レジデンス。
よくある、その地域にある職に就く人を募集するのではなく、
自分の街に必要となる人を募集して相性の合う人を選ぶ逆指名方式。
手に職を持つ人を呼び込む。

◆地域における人口戦略の考え方「創造的過疎」
日本全体が人口減少する中で過疎地において人口減少は避けがたい。
それを受け入れ、数ではなく内容的なものを変えるべきではないか。
都市部から若い人材を誘致することで人口構成を変えたり、多様な働き方を実現することで例えば農林業だけに頼らないバランスのとれた持続可能な地域をつくる考え方。

◆移住者目標の立て方
移住者目標を30年後に小学校が複式学級にならずに存続できる数から逆算して決める、など
中長期に見たときに地域社会が回る状態、重要だと考える要因を据え
「バックキャスト」で計画すること。

◆人を呼び込むために必要な要素
地域に人を呼ぶには人は「可能性が感じられる場に集まる」ことを意識する必要がある。

◆プロジェクトや戦略を始まるうえで大事なこと
プロジェクトを自分事として「やる」という人がいないプロジェクトはやらない。

◆「地域」を存続させるために大事なこと
地域にとって最も重要な資源は人。
良質な資源があってもそれを価値化する人がいない限りどのような可能性も形となって共有されない。
(神山町の地方創生戦略より)

◆神山町におけるKSF(重要成功要因)
・プロセスを大切にする
・「つなぐこと」に注力する
・中間支援組織の存在
・役場の実行への覚悟

・プロセスを大切にする
神山町の総合戦略は、よくあるコンサルに丸投げした計画と、ほぼ出来上がったものを住民にヒアリングする体を取るパブコメや市民参加ワークショップではなく、「実行するための計画」を「次代を担う若い層で構成された職員住民ワークショップ」で議論して作られている。また、実行をコミットされたものが戦略になっているため、計画後の推進力が伴っている。

・「つなぐこと」に注力する
地域住民と移住者、行政と民間、農家と食堂と消費者、山林間伐とエネルギー・産業、移住ニーズと住環境など、
課題を解決するために「つなぐ」具体的にアクションが広がっている。

・中間支援組織の存在
総合戦略を実行するための民間組織「神山つなぐ公社」がエンジンとなって推進している。
官と民をつなぐ存在は必要。
また、神山つなぐ公社には、様々な領域のプロを巻き込むことで、質を伴って実現させている。

・役場の実行への覚悟
町長が総合戦略を「実現させるための計画」と公言。
総合戦略を実行に責任を持たないコンサルが立て、実行フェーズでは
存在感がなくなるケースもある中、必要な施策を次代を担う人が掲げ
実行する環境をつくり、推進させている。


◆取組みメモ
「フードハブ」
少量生産と少量消費をつなぐしくみ。
顔の見える地元生産者と連携し、集積、保存、流通、マーケティングに関わりながら消費者に橋渡しする組織体。
規格品大量消費の流通に乗せられない少量品を取り扱った飲食店を経営しまちの食堂を担い、食育プログラム、地域農業支援などもおこなう。

「アーティスト・イン・レジデンス」
神山町は移住や現在のムーブメントが起きる前に、1993年からアーティスト・イン・レジデンスに取り組んでいた。
当然海外からも国内他地域からも、まちに長期滞在し、異文化の人が訪れ、交流し、
「受け入れる風土」が醸成された。
アーティスト・イン・レジデンスがどうこうではなく、積極的に外部とかかわる「関係人口」「交流人口」づくりが、地域の人や環境を整え、移住やムーブメントにつながっている。
その地域にあった異文化の取り込み、外との関係づくりを考える必要がある。


神山進化論~人口減少を可能性に変えるまちづくり~
神田誠司著
https://www.amazon.co.jp/dp/4761526920/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_7kEKEb6C8GQQ8

#地方創生 #神山町 #移住 #働き方改革 #地域活性 #津島ツムギマチ・プロジェクト

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