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「普通」は誰かの「感動」、ジンジャールートや友人.....はじめの一歩

日々の裏側で踊る、明日への伏線

今できることに集中する。それが未来の幸せにつながる。

「何をスピリチュアルなことを言ってるんだ?」と思う人もいるかもしれない。でも、これは本当に当たり前のこと。それなのに、実際にできている人は少ない。

だからこそ、今日は友人たちの話を交えながら、「今できること」に向き合うための物語を綴ってみたいと思う。



まず、一人の友人の話から始めよう。

健太は音楽への情熱を秘めつつ、大学卒業後はプログラマーとしての道を歩み始めた。ある日、彼はため息をつきながらこう言った。

「仕事が落ち着いたら、バンド活動を始めるんだ」

その言葉に、私は疑問を抱いた。プログラマーの世界は、まるで果てしない砂漠みたいだ。いつ「落ち着く」時が来るのだろうか?

「健太、今からでもできることがあるんじゃないか?」と私は提案した。「例えば、YouTubeに演奏動画をアップロードしてみたら?」

彼の目が少し輝いた。そして、その輝きは行動へと変わった。翌週には自室で撮影した動画がネット上に舞い上がり、ささやかな反響を呼んだ。今では、エンジニアの仕事の合間を縫って、音楽の種をまき続けている。

少しずつだが、確実に芽が伸びている。


アート喫茶「フライ」のカレーライス。中目黒にあるおすすめ。

次は、女性の友人・彩の物語だ。

彩は、コーヒーの香りに包まれたカフェで働きながら、ひそかに自作アクセサリーを販売する夢を育んでいた。「いつか時間ができたら…」

そんな言葉を口癖のように繰り返す彼女に、私は静かに語りかけた。

「彩、アクセサリーの落書きよくしてるよね。それインスタグラムに投稿してみたら?」

最初は戸惑いの色を見せた彩だったが、やがて勇気を出して投稿を始めた。すると、一人のユーザーが「このイラストのアクセサリー、可愛い!」と言ってくれた。それがきっかけで少しずつフォロワーが増え、やがて「本物のアクセサリーが欲しい」という声が上がり始めた。結果的に、彩はフォロワーに勇気づけられ、自分の願いを一つ叶えることができた。


そして、忘れてはならないのがアメリカのミュージシャン、ジンジャールートの物語。

彼との関係は、コロナ前に、私が自分のバンドの曲のミックスを依頼したところから始まった。

その後、たまに連絡を取り合っていたが、彼は今や、世界中のファンを魅了するアーティストだ。

だが、その出発点は意外にも素朴なものだった。2023年、彼が初めて来日したとき、知人のポッドキャスト番組「ゆとりっ娘のたわごと」に出演するきっかけを作った。そこで語られた彼の言葉が、今も耳に残っている。

「最初はYouTuberになりたかった」

ライブで彼はこう語る。「僕が人気になったのは、YouTubeのアルゴリズムのおかげ」と冗談めかして言うが、その言葉の裏には深い感謝の念が隠されている。彼はそれを理解している。自分一人の力ではない。支えてくれるチーム、ファンの存在。すべてが、彼の音楽を形作っている。


何事も初めは小さな挑戦が、壮大な物語になる。最初は一歩ずつ、ゆっくりと。

こう話すと、「私には無理だ」と感じる人も多いかもしれない。でも、本当にそうだろうか?

確かに、最初の一歩を踏み出すことは簡単ではない。周りの人たちは、あなたの人生の責任は取らない。彼らはただ、霧の中を歩くように、感覚だけで物事を判断している。あなたの人生は、そんな曖昧なもので決められるほど軽くはない。

自分のために、自分の喜びのために一歩を踏み出す。それだけで十分なのだ。

もちろん、現実の壁は存在する。社会の暗黙のルールや、生活の制約。でも、よく考えてみよう。その多くは、実は自分で作り上げた幻想かもしれない。

時間がない?本当にそうだろうか。自分のレベルが足りない?誰がそう決めたのだろう。

冷静に見つめ直せば、意外にも多くのチャンスが見えてくるものだ。



世界的な成功を収めた人々も、最初は誰もが通る道を歩んでいる。ビートルズだって、デビュー前は幾度となく断られた。J.K.ローリングは、『ハリー・ポッター』で12もの出版社に門前払いを食らった。当時の彼女は、教壇に立ちながら、わずかな時間を縫って物語を紡いでいた。

結局のところ、何が成功するかは誰にも分からない。

そもそも「成功」とは何なのか。それを目指す必要があるのだろうか。ただ単に、失敗を恐れているだけではないだろうか。

人生は失敗の連続だ。それをまずは受け入れてみる。そして自分のやりたいことを少しずつでも実行に移す。たとえそれが小さな一歩であっても、昨日よりも今日、確実に夢に向かって動き出している。

そして、その過程そのものを楽しむこと。それが最も大切だ。

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