見出し画像

MBAでの学び⑦「マーケティングを学んだだけでモノは売れない」

MBAのカリキュラムではマーケティングについて広範な戦略と理論を提供してくれます。

ただ、心理学や行動経済学を学ぶ方が、消費者理解を深める鍵になるかもしれません。

この記事では、製品を売る以上に消費者の「買う」心理に迫り、マーケティングと心理学・行動経済学の違いと、そのビジネスへの応用を考察します

消費者行動の根底にある心理的トリガーを理解し、より効果的なマーケティング戦略を展開するための洞察を提供します。

心理学を学ぶ方が効果的である理由

マーケティングは単なるビジネス上の戦略ではなく、消費者の心理や行動を解析する科学だと思います。

実際、私はMBAプログラムのマーケティングを学ぶ過程で、多くのテキストが心理学や行動経済学の概念をビジネスの文脈に置き換えていることに気が付きました。

この観点から、マーケティングの学びを深めるよりも、心理学や行動経済学を学ぶ方が、より実効性があるのではないかと考えました。

消費者の意思決定プロセスの理解

消費者の購買行動は、単に製品の特徴や価格に影響されるだけでなく、深層心理や環境因子に大きく左右されます。

例えば、行動経済学では「アンカリング」という現象が研究されています。

アンカリングは初めに提示された情報が、その後の判断や評価に影響するというものです。

マーケティング戦略のカリキュラムでは、このような消費者心理を利用し、効果的に製品の価格設定を行うことを学びます。

よって、マーケティング戦略の理解は、心理学や行動経済学の直接的な学習から得られる知見が基礎になっていると考えます。

非合理的行動の予測とマネジメント

消費者行動の多くは非合理的な要素を含んでいます。

行動経済学者のダニエル・カーネマンは「人々は合理的な判断よりも感情に基づいて頻繁に決定を下す」と説明しています。

たしかに私たちは感情に訴えかける広告や共感を呼ぶストーリーを使ったキャンペーンによって、購買意欲を掻き立てられがちです。

例えば数年前のAmazonプライムのCMに心を揺さぶられ、プライム会員になった人は多いかもしれません。ちなみに私は会員になりました。

このテクニックは、心理学的な洞察に基づいた戦略であり、その本質を学ぶ方がマーケティング戦略を研究するよりも効果的ではないでしょうか。

購買行動に影響を与える心理的トリガー

消費者の購買意欲を引き出すためには、心理的トリガーの理解が不可欠だと考えます。

例えば、「社会的証明」という心理学の原理は、他人が何かを好んでいることを知ると、それが欲しくなるという人間の自然な傾向を示しています。

これをマーケティングに適用すると、商品のレビューやオススメが消費者の購買意欲を高めてくれることがよく分かります。

このように心理学の原理を学べば、より深い顧客理解と効果的なマーケティング戦略が可能となるのではないでしょうか。

以上の理由から、心理学や行動経済学を直接学べば、マーケティングの効果をより高め、消費者行動の本質を深く理解できます

心理学や行動経済学からのアプローチは、マーケティング戦略をより科学的かつ効率的に活用できるのではないでしょうか。

心理学と行動経済学を活用したマーケティング戦略

心理学を深く理解することは、効果的なコミュニケーションと長期的な顧客関係の構築にも結びつくと思います。

マーケティング戦略を策定する際、心理学や行動経済学の知識を取り入れると、消費者の心に響くキャンペーン実施が簡単に出来そうです。

例えば、限定販売は、「希少性の原則」と呼ばれる心理学の概念に基づいているはずです。

人々は入手が難しいものほど価値が高いと感じるため、限定品には強い魅力があります。

さらに、心理学や行動経済学は、消費者が無意識に感じている不安や欲求を明らかにし、それに対応するマーケティング手法を提供してくれます。

これには、「フレーミング効果」という心理学の技術が用いられます。

フレーミング効果は、同じ内容でも提示の仕方によって人々の反応が大きく変わるという心理現象です。

例えば、製品のメリットを前向きな言葉で強調すれば、より魅力的に感じさせることができるでしょう。

具体的には、ある健康食品の広告で「99%の人が必要とするビタミンを含んでいます」という表現と「1%の人には不要なビタミンを含んでいます」という表現の場合、前者のポジティブなフレーミングの方が、消費者により良い印象を与え、購買意欲を高めるはずです。

「99%の人が必要」と「1%の人には不要」は同じ意味ですが、捉え方が大きく違ってきます。

最終的に、心理学や行動経済学の活用は、単に製品を売る手法ではなく、ブランドの信頼性と顧客満足度を向上させる戦略的アプローチになるのではないでしょうか。

「消費者行動の理解」というプロセスは、マーケティングの枠を超えて、ビジネスの成功を左右する重要な要素と考えます。

マーケティングと心理学・行動経済学の比較

以下の表は、「マーケティング」と「心理学・行動経済学」を比較するために作成しました。

この表では、各分野がどのように消費者行動に対してアプローチしているか、そしてそれぞれが重視する考え方の違いに焦点を当てています。

ただし、専門家ではない私の主観で作成しているため参考程度に確認ください。

筆者作成

比較表からマーケティングと心理学・行動経済学の間には、対象やアプローチの方法において違いがあると思います。

マーケティングは商業的成功を追求するために、市場動向や消費者の行動を戦略的に利用することに重点を置いています。

一方、心理学や行動経済学は、人間の行動や心理を科学的に理解し、その知識を基に予測や行動の形成を試みることに焦点を当てています。

このため、マーケティングは「どう売るか」という問題に対処し、心理学や行動経済学は「なぜ買うのか」という問題にアプローチしていると考えます。

まとめ

MBAプログラムで習得するマーケティング理論は、主に製品やサービス市場での成功を目指している内容になっています。

私は、マーケティング理論は心理学や行動経済学の原理に基づいていると、MBAでの学びの中で解釈しました。

消費者の行動をより深く理解し、効果的なマーケティング戦略を展開するには、心理学や行動経済学の学習が非常に有益だと考えます。

例えば、消費者の購買決定に影響を与える「フレーミング効果」のような心理学的技術を活用すれば、同じ情報を異なる角度から提示し、よりポジティブな反応を引き出せるのではないでしょうか。

このように、心理学と行動経済学のアプローチをマーケティング戦略に組み込めば、製品の売上向上だけでなく、顧客の信頼と満足を得られ、長期的な顧客関係を築く上で大きな効果を発揮すると考えます。

今後、科学的アプローチをビジネスの場に活かし、より効果的な戦略を展開していきたいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
よろしければフォローをお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?