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【祝・完結記念】名著を読むための入門書シリーズ<世界を読み解く一冊の本>

「書物は一つの宇宙である。世界は一冊の書物である」をキーワードに、『大槻文彦『言海』』から刊行が開始された<世界を読み解く一冊の本>シリーズ。2022年4月、全10巻にて完結を迎えました。

本シリーズでは、『クルアーン』や『旧約聖書』、『百科全書』や『西遊記』、『チョーサー『カンタベリー物語』』や『ボルヘス『伝奇集』』、そして『エーコ『薔薇の名前』』といった古今東西の古典・新古典を、書物史、文学研究、思想史、文化史などの第一人者が、縦横無尽に読み解きます。

書物の魅力を多角的に捉えることで、その書物がいかにして〈世界を読み解く一冊の本〉としての位置を文化のなかに与えられるに至ったのかを、書物を愛するすべての読者に向かって、深く丁寧に掘り下げることを大切にしました。

私たちにとって、本とはいったい何なのでしょうか? 今後、本はどのような運命を辿っていくのでしょうか? その問いを、〈世界を読み解く一冊の本〉を紐解くことによって一緒に考えてみませんか?

シリーズ各巻をご紹介します。試し読みもできますので、ぜひご覧ください。

また、あわせて刊行記念フェア「時をかける、時を超える、世界知への旅」を開催中!開催店舗のリストは本記事の末尾をご覧ください。

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①安田敏朗【著】『大槻文彦『言海』——辞書と日本の近代』

国語学者、大槻文彦が明治期に編纂した日本初の近代的国語辞典『言海』。大槻は『言海』を通して世界をどのように切りわけようとしたのか。辞書が社会的に果たした役割とともに描き出す。

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②大川玲子【著】『『クルアーン』——神の言葉を誰が聞くのか』

極めて難解とされるイスラームの聖典『クルアーン』。ではどう読めばよいのか?
聖典を読む困難と楽しさを、丁寧に解説。信徒のみならず、人類にとっての「聖典」となる可能性を問う。

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③武田雅哉【著】『『西遊記』——妖怪たちのカーニヴァル』

映画やマンガにリメイクされつづける『西遊記』は子ども向けの本ではない?
中国の誇る〈神怪小説〉のなりたちと伝播を、妖怪たちの目線から語りつくす。

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④松田隆美【著】『チョーサー『カンタベリー物語』——ジャンルをめぐる冒険』

英文学の礎を築いた「英詩の父」チョーサー。多種多様なジャンルを革新的に問い直し、物語文学の枠組みを拡張した、中世を代表する傑作のダイナミズムを描く。

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⑤井田尚【著】『『百科全書』——世界を書き換えた百科事典』

啓蒙の世紀を象徴するフランス初の本格的百科事典は、どのように編まれたのか。森羅万象を体系的かつ批判的に記述しようとした壮大な試みを明らかにする。

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⑥川端康雄【著】『オーウェル『一九八四年』——ディストピアを生き抜くために』

全体主義国家によって分割統治された近未来世界を描く、世界的ベストセラー。「ポスト真実」の時代を先取りしたディストピア小説の世界を探る。

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⑦藤井淳【著】『空海『三教指帰(さんごうしいき)』——桓武天皇への必死の諫言(かんげん)』

日本思想の最高峰・空海が二十四歳のときに物した出家宣言書。仏教・儒教・道教という三つの〈宗教〉をめぐる対話が戯曲形式で繰り広げられる、比較〈宗教〉論とも言える本作に、若き空海の出発点を探る。

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⑧図師宣忠【著】『エーコ『薔薇の名前』——迷宮をめぐる〈はてしない物語〉』

記号論の大家エーコによる問題小説。中世イタリアの修道院で起きる連続殺人事件の謎と迷宮構造の文書館に収められた一冊の書物の存在をめぐる遠大な物語世界にエーコがしかけた知のたくらみを繙く。

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⑨今福龍太【著】『ボルヘス『伝奇集』——迷宮の夢見る虎』

幻想小説の巨匠ボルヘスによる「バベルの図書館」「八岐の園」「死とコンパス」など名作一七篇を収録した短編集。現実と虚構の境界を往来する、書物という迷宮を、ボルヘスと共に、ボルヘスになり切って読み解く。

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⑩長谷川修一【著】『『旧約聖書』——〈戦い〉の書物』

旧約聖書はいかにして生まれたのか。なぜそれは人類のベストセラーとなりえたのか。旧約聖書形成の背後に潜む激動の歴史と対比させつつ、著者たちが繰り広げた思想史上の戦いを追いかける。

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【刊行記念フェア 開催店舗】

※フェアの開催期間・規模は店舗によって異なります。

金沢ビーンズ明文堂(7月上旬~)
同志社大学生協今出川店(7月上旬~)
ジュンク堂書店難波店(9月上旬~)
くまざわ書店武蔵小金井北口店(8月中旬~)
くまざわ書店桜ヶ丘店(8月中旬~)
ジュンク堂書店池袋本店(8月中旬~)
丸善広島店(9月上旬~)

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