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アフターコロナ / ウィズコロナ時代の働き方について考える 〜デザインリサーチプロジェクトに参加して Part1〜

こんにちは。ANKR DESIGNでUXデザイナーをしている大倉です。

ANKR DESIGNでは4月〜5月にかけて、
完全リモートで、リモートワークに関するデザインリサーチを行う
というプロジェクトを実施していました。


そして私も、デザインリサーチプロジェクトにリサーチャーとして参加しました。

今回は、アフターコロナ/ウィズコロナ時代の働き方について考える
という目的で、
アフターコロナ/ウィズコロナの働き方に興味がある皆様に向けて
私のチームで得られたプロジェクトのリサーチ結果をシェアしたいと思います!

アフターコロナ/ウィズコロナ時代、どういう働き方がいいの?

リサーチを通してわかったことは、
アフターコロナの働き方は、
リモートと勤務のコラボレーションになると思われる

ということです。

人々が求めているのは、
「選択の自由(状況に応じて最適な働く場所、時間を選べること)」
であるからです。

働く状況によってはオフィスの方が良いこともあり、リモート環境である家やカフェの方が良いこともあります。

なぜそう思うのか?

なぜそう思うのか?について、
デザインリサーチで得られたインタビュー結果と、
そこから抽出したインサイト・HMW(How Might We)を通して
お話しできればと思います。

デザインリサーチプロジェクトでは、チームでリモートワークを行なっている人複数人に約1時間ほどのインタビューを実施しました。

そのインタビューより、以下のような結果が得られました。(一部抜粋)

◆リモートワークのメリット◆
- 朝の支度やメイクをしなくて良いのが楽
- 通勤のストレスがない
- 移動時間が減って時間の節約になり、仕事の効率化に繋がった
◆リモートワークのデメリット◆
- 偶発的なコミュニケーションが生まれにくい
-  コミュニケーションのハードルが高く、ちょっとした質問がしずらい
- 家という生活空間だと切り替えが難しく、仕事に集中しにくい

つまり、リモートワークのメリットもありつつ、オフィスで働くメリットもある。ということです。

こうして、得られたインタビュー結果を元に、
チームでインサイト(気づき)とHMW(この状況をより良くするためにはどうしたらいいのか?)を抽出しました。

リサーチ結果より得られたインサイトとHMW

私たちのチームでは、グループワークを重ねながら、
3つインサイトと4つのHMW(How Might We)を抽出することができました。

それぞれについて順を追ってお話しします。

インサイト1
レスポンスがいつ返ってくるかわからない状況だと、1回でしっかり説明をしなくてはならず、コミュニケーションのハードルが上がる

オフィスであれば、「今話しかけていいですか?」と聞いたり、
様子を伺うことができるため、ちょっとした質問がしやすいと言えます。
一方でリモートワークだと、
今の相手の状況が見えないため、話しかけていいタイミングがわかりません。相手からの返信が来るタイミングがわからないため、
1回の質問でしっかり説明をしなくてはならず、結果、コミュニケーションの精神的ハードルが上がっていると言えます。

逆に、リモートワークでは、電話や他の人に話しかけられて仕事を中断するということはないため、集中して仕事できるとも言えます。

HMW1
リモートワーカーのために、
状況伺いの返事がすぐ来るかわからない状況を考慮しながら
コミュニケーションのハードルを下げるにはどうしたらよいか?

◆まとめ◆
話しかけていいタイミングがわからないことが、コミュニケーションのハードルをあげている一方で、オフィスで話しかけられるデメリットも上がりました。
私たちのチームでは、
「話しかけていいタイム」「集中したいタイム」がリモート状況下でも、オフィスであってもわかると良いのでは?
という話になりました。

インサイト2
仕事に没頭できる状況であれば、物理的な切り替えがなくても良いが、リモートだとその環境を作りにくいため、気分転換を意識している人が多い

インタビュー結果を通して考えられるのは、
オフの空間=生活空間と考えている人は、仕事場と決めている場所で仕事をすることで、オンオフを切り替えているということです。
仕事をするために場所の切り替えが必要な人にとって、
生活空間である家で働くことは、
仕事とプライベートの境界を曖昧にしてしまうことになります。

結果、切り替えのために「仕事以外のことに没頭する時間」を求め、
運動、散歩、ペットと遊ぶ、料理等をする人が多いのではないでしょうか?

HMW2
仕事の場と生活空間を分けていた人が、
生活空間で仕事をしなければならないことを考慮しながら
仕事とプライベートの切り替えを上手くするにはどうしたらよいか?

◆まとめ◆
チームでは、このHMWを通して、
オンとオフを分けたい人にとって、「仕事以外のことに没頭する時間」は現状でできる気持ちの切り替えの手段であること、そして、
家という生活空間で「オン」になることの難しさを感じている人が多い
ということを改めて実感しました。

リモート環境でも「仕事の場」を作る手段を導き出していくことが、これからの課題と言えそうです。

インサイト3
コントロールできない要素・予測できない要素(ランダムさ)を求めて、その手段の一つとして料理をする

コロナ影響下でのリモートワークでは、毎日がルーティン化してしまいます。仕事をし、スーパーに行く日々です。刺激がありません。
そのような日常の中にいると、予測不可能な出来事、冒険を人々は求め出すします。
家でできて、結果が予測できない要素・・・と考えたときに、一番手軽なのが実は料理なのです。

また、人になかなか会えないコロナ状況下で、SNSへ料理の写真を投稿することにより、承認欲求を満たす形で、人と繋がることができることも
料理ブームに拍車をかけていたと考えられます。

HMW3
家から出る機会が限られている人が、
使えるリソースが家の中に制限されていることを考慮しながら
承認欲求を満たすにはどうしたらよいか?
HMW4
家に居なければならない人のために、
行動範囲が家の中に限られていることを考慮しながら
予測できない状況を作り出すにはどうしたらよいか?

◆まとめ◆
人との直接のコミュニケーション機会が減少したことで、承認欲求が満たされる機会も減っており
外出機会が限られていることで、「予測不可能な状況」や「偶発的な出来事」が起こりにくい
ということがわかりました。

リモート環境での予測不可能性・冒険を生み出していくこと、
そして、人とのコミュニケーションを増やす方法を考えること
がこれから必要だと言えそうです。

リサーチを通しての総括

これらのリサーチ結果を総括すると、
アフターコロナ / ウィズコロナの働き方として、
オフィスとリモートワークの良いところを組み合わせるために、
「選択の自由(その時の状況に応じて最適な働く場所、時間を自由に選択できること)」
がこれから求められると言えます。

また、リモートワークのデメリットを払拭すること、つまり、
リモートワークで得られにくい偶発的なコミュニケーション、ランダムさをオンラインで発生させる方法
を考えていくことが、必要だと言えそうです。

私自身もリモートワークを続けていますが、リモートワークのメリットを感じつつ、オフィスのメリットもあることを痛感します。

何事もそうですが、これからの時代は、
それぞれ特性を知り、いい面を活かし、それをパズルのように組み合わせていく ということが大切だと思いました。
リモートワークは21世紀のそのような新しい考え方を促進する一つの手段であるとも言えそうです。

次回はオンラインリサーチのメリット・デメリットについて書いていますので、もし興味があれば是非読んでみてください。


最後に、この記事が、これからの働き方を考える上で少しでも参考になれば嬉しいです。


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