見出し画像

目指せ!会計事務所のバリューアップ! ~RPAセミナー サイドストーリー~

今年も会計事務所様向け「RPA活用セミナー」がスタートしました!

画像1
ここからWEBセミナー配信してます。
運営スタッフは別室でオペレーションしてくれます。

会計事務所におけるRPAに効果はあるのか

会計事務所業界でRPAが注目されはじめたのは、3年くらい前からでしょうか。多くの事務所で何らかの形でチャレンジされているようですが、実際に明確に「効果があった」とおしゃる事務所様は、実は多くはありません。
私どものセミナー後のアンケート結果などでも、「導入済み」としながらも、効果については「まだなんとも言えない」との回答が非常に多く見られ、少し残念だなと感じています。

そもそも、何のために導入し、どうなれば効果があったと評価できるのか。

今回は、セミナーのサイドストーリーとして、RPA導入の目的や効果について、改めて考えてみたいと思います。

会計事務所のRPA導入目的は『バリューアップ』

RPAは業務の自動化ツールですので、その効果は何かと考える時、つい『コスト削減』に視点がいきがちです。
確かにインターネットの発達で、格安な顧問料を提示し安さを売りにする会計事務所が現れるなど、業界的には値下げ圧力があると言われています。また、人手不足は慢性的で、人件費や採用コストなどの負担が重くなっており、コスト削減は重要な課題の一つであることは間違いありません。

ですが、RPA導入の目的を、単純にコスト削減としてしまいますと、結局は、低価格競争に巻き込まれてしまいますし、そもそもRPA活用の可能性を大きく狭めてしまいます。

では何を目的にするのか?私は、是非『会計事務所のバリューアップ(価値の向上)』を目指していただきたい!!と考えています。

RPA活用がもたらすバリューアップ効果

会計事務所のバリューアップと言われても、「RPAでそんな事できるの?」とピンと来ないかもしれません。おっしゃる通りRPAは魔法のツールではありませんので、ただ、現場任せで漠然と自動化するだけは、バリューアップには繋がりません。でも、きちんと『活用』していただくことで、3つのバリューアップがしっかりと実現できるのです。
①職員の専門的スキルを最大限活用する魅力ある職場を創る
②業務を標準化、全体管理を可視化することで、サービス品質を向上する
③ITを活用した業務効率化を体験することで、顧問先への提案力を磨く

①職員の専門的スキルを最大限活用する魅力ある職場を創る

単純作業はRPAにまかせて、付加価値を生む業務、つまり専門的スキルを発揮する業務に集中できる魅力ある、やりがいある環境を作るということです。

そのために、まずは業務の棚卸しが必要になります。そして、スキルが必要な『仕事』といわゆる単純『作業』に仕分けをします。更に、個人に散らばっていた『作業』を事務所全体で集め、自動化を検討するという流れです。

気をつけたいのが、担当者一人一人が都度行っていると、それほど負担になっていない作業であっても、事務所全体で考えると、膨大な作業となっている場合があるということです。
例えば、5分の作業だとして、顧問先数が500だとすると、2500分になります。作業そのものだけでなく、その前後に、対象顧問先を調べたり、ファイル名を付け替えて、各フォルダに保管する・・・まで行うと、更に作業時間は増えるかもしれません。実に、もったいないですよね。

もちろん既に、分業が進んでいて、『作業』を特定の担当者に集約することで作業効率を上げていらっしゃる事務所様もいらっしゃいますが、『作業』であれば、是非、ロボットにやらせていただき、人は人でしかできない、また、専門的スキルを発揮するための仕事に集中していただきたいと思います。そうすることで、『作業』に追われ、疲弊することなく、『やりがい』を持って業務に当たることが可能になります。

なお、専門的スキルを活かす業務となると、どうしても顧問先への事業計画作成や相続相談といった非常に高度なスキルを想像してしまいますが、それだけでなく、顧問先から円滑に資料を入手するなどの記帳代行のための円滑な段取りであるとか、イレギュラーな会計処理の対応などもロボットではできません。人でしかできない付加価値を生む専門的な業務と言えます。
実際に、今年の確定申告で、初めてRPAを導入したという事務所様から、残業が減っただけでなく、落ち着いて顧客対応に当たることができたことで、結果、申告業務が例年より早くに終わったという効果をご報告いただきました。

このように、RPAを活用する際に重要なことは、事務所全体の視点で、職員を付加価値を生まない単純作業から解放し、やりがいを持って専門的スキルを活かせる仕事に集中できる環境を創ることで、そのことが、結果的に生産性向上そして、収益性向上に繋がるのです。

②業務を標準化、全体管理を可視化することで、サービス品質を向上する

ロボットが効果を最大限発揮するためには、業務を標準化、全体管理の可視化が必要になりますが、それは、そのままサービス品質向上の実現へと繋がります。
ですが、ロボットを『個人』の業務のアシスタントとして活用するという発想ですと、会計事務所に起こりやすい属人化が残り、目指す事務所のバリューアップが実現しないので注意が必要です。この落とし穴に落ちないために、ロボットを開発する際には、その作業内容が、『事務所』としてきちんと承認されたものである必要があります。

例えば、お客様に最終的にお渡しする申告書類一式を取りまとめる作業を考えてみましょう。実は、この作業は、担当者ごとにやり方が異なっている場合が割りとよくあります。そこで、特定の担当者のやり方ではなく、事務所全体で最も合理的で、かつ所長先生の同意を得られた一式を、きちんと決めます。更に、これをロボット化することで、例外なくそのルールが守られます。事務所が高いレベルで標準化することが可能になります。

また、私どもはロボットの操作を「進捗管理表」を使って行うことをお勧めしています。進捗管理表は、管理者が全体の進捗割合を把握するために非常に有効ですが、それだけでなく、各担当者が自身の業務の抜け漏れを無くすためにも重要で、ベテランのスキルを見える形で新人に伝えるために有効なのです。ですが、この管理表は、記入がきちんとタイムリーに実際されないなど、運用が完全ではない場合が多くみられ形骸化してしまっている事務所様もいらっしゃいます。
ですが、ロボットがこの管理表を見ながら作業をするとなると、記入が漏れていると作業をしてもらえませんので、しっかりと活用できるようになりますし、作業漏れなどをロボットが指摘することで、活用が促進し、管理表の本来の目的である、サービス品質の向上が可能になるのです。

③ITを活用した業務効率化を「体験」することで、顧問先への提案力を磨く

さて、3つ目のバリューアップ効果は、私自身がASIMOV ROBOTICSを企業した想いそのものです。
下のグラフをご覧いただきたいと思います。
中小企業のITに関する相談相手の2番めに、公認会計士や税理士があります。一方で、特にいないという回答も、多くあります。

中小企業のITに関する相談相手

私は、中立な立場にある税務顧問こそ、是非、相談相手になっていただきたいと考えています。
でも、誤解しないでいただきたいのが、具体的なデジタル化やDXについての提案をするということではありません。税務会計と同様にITも専門性の高い分野ですので、そこは専門業者にお任せすべきです。
そこではなく、IT活用で何が変わるか、『自ら体験したメリット』をしっかりと伝えていただきたいのです。そして、会社の業務内容や財務状態を把握している税務顧問だからこそ、ITメーカーからの提案について、予算なども総合的に考慮したうえで、相談にのることできる頼もしい存在になることができるのだと考えています。

私の起業理念は、会計事務所でのコンサルティング経験から、会計事務所様を後ろからご支援するIT部隊になりたいという想いでした。

さて、今回、限られたセミナーの時間内では、十分にお話することができなかった会計事務所にとってのRPAの導入目的を、私の想いとともにまとめさせていただきました。改めて初心に戻り、来週からもセミナー頑張ります!