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「くれくれ星人」との交信

アレをしてくれ、コレをしてくれと他人に要求する「くれくれ星人」。
めったに遭遇しないのだけれど、最近、私史上最強のくれくれ星人に出会った。

星人はスーパー最強なのにストレートには「してほしい」と言えない恥ずかしがり屋さん?のようで、遠まわしにアプローチしてくる。相手の状況を想うと邪険にできない関係性なので、できないことには、こちらも遠まわしに「NO」と言い続け、徐々にフェイドアウト、自立へと促し、ある程度それが成りそう、、、と見えた頃合いに、思い出したような「くれくれ」光線(通信)が、また、くる。

すごいなぁ、このバイタリティ。
これあってこその、、、と星人に起こった一連のキセキに感心さえしてしまう。

先日、かねてから会いたい友人のもとへ訪ねていくついでに、星人のリクエストを叶える、という事態になった。
少し離れた場所にいる友人なので、ふだんは乗らない電車にゆられながら小旅行の気配に心躍る。訪れた先では、星人のリクエストをこなしつつも楽しいおしゃべりで素敵なひとときが過ごせた。
きっかけを作ってくれた星人に感謝しないでもない。

友人も同じく星人から「くれくれ」アピールを受けており、私よりも数段やさしい人間味あふれる対応を星人にしていた。
友とは苦笑まじりに、星人へ感じているアレコレにおいて、互いの温度差のないことも確認し合う。
彼女は、星人のリクエストに応えるだけでなく、彼女なりの工夫をこらしてくれていて、「なんとすばらしい人なの!」と私は感激し、自分の対応は冷淡なのだろうかと省みたくらい。

イベントが終了し、星人とは会えなかったものの、その場に駆けつけすばらしい工夫とともに応援したことを知らせる証拠写真を星人へ送ったところ、星人から会えなかった理由を知らせる報告が来た。
星人なりの全力で臨み、当初の希望は果たせなかったが、無事に帰宅、満足である、とのこと。

「お疲れさまでした。
 ゆっくり休んでくださいね。」

そう伝えたことで、私の星人への対応は完遂した。
その後も、星人からは、帰宅後いかにイベントの余韻を楽しんだか、イベントの写真を見るといい気分になるか、などの感想とともにいくつかの画像が送られてきた。

しかし、あれほど「応援にきてくれアピール」をしながらも、
手間をかけて星人を応援してくれた友人や、遠路足を運んだ私にたいして、感謝はもちろん、労いの言葉一つ、星人からは発信されなかった。

そんなわけで、私の殊勝な省みは、きれいに塵と化した。
あー、よかった。スッキリした。
別に、私がことさら冷たい人間ってわけじゃないや。
私が星人を心から応援できないのは、こーゆーとこだわ。

欧米の子どもは、言葉を覚え始めると「Magic Word」を教わるそう。
何かしてほしいときは「Please.」してもらったら「Thank you.」を忘れないこと。日本でも感謝の気持ちを伝える言葉は人間関係の基本。

こうした感謝の気持ちをすっ飛ばし「してくれ」だけを発信するのが「くれくれ星人」だ。
別の言い方をすれば、「してもらうのが当たり前」というスタンス。

心身に余裕がないと、フツーの地球人も「くれくれ星人」化しやすくなる。私もよくなる。特に身近な人だと星人化しやすく、これで大きな失敗をたくさんしてきた。
今は、どうかすると、そうなる性質であることを自覚し自戒し、なるべく心身に余裕をもつように(&やっちまったあとのリカバリーを迅速にするよう)心がけている。

くれくれ星人とは、心地よいコミュニケーションが難しくなる。
今回私が出会った星人も以前は話の通じるフツーの地球人だったのだが、とある事情で星人化しているのだと思う。
その事情は慮りつつも、私はさほど器が大きい人間ではないので、私が無理のない方法で、自分のことを冷淡だと責めることなく星人と交信していこうと思う。


星人との交信は、心地よいコミュニケーションというものを改めて考えさせてくれたよい機会だった。

冒頭で「くれくれ星人にめったに遭遇しない」と書いたけれど、それを思うに、改めて私の周囲の人々のありがたさを痛感した。

たとえば、先週の祝日のこと。
友人らと会食をしていたら、版元の担当編集長からラインがあった。

「先日の読者からの問い合わせに返事をしたら、すごい感謝のメールがきたので転送しておきます」

確定申告シーズン真っただ中の現在、既刊の『超シンプルな青色申告、教えてもらいました!』の読者からの問い合わせが編集部によく来る。
この本は、青色申告ビギナーさんや、小規模フリーランスさん向けの、超シンプルな青色申告ソフト(Excelシート)「簡単仕訳帳」(藤原道夫氏開発)を紹介したもの。
本来ならば、本の問い合わせで答えられるのは、「簡単仕訳帳」の操作や本の内容確認のみ。税務や税制のこと、仕訳など簿記の知識については、「税務署などへご確認ください」ですませていいものなのだが、編集長は丁寧に対応していて、私にも確認の連絡がくる。
私も税理士資格はないから答えられない(たとえあっても全部答えていたらきりがないしそこまで書籍一冊でアフターフォローできない)。
なので、プロ(税務署・税理士)への確認を誘導しつつ、「私の場合はこうしています。あくまでも御参考までに」ということを伝えるのみ。
ただ、私は自分が「確定申告も青色申告も、難しくって、大変!!」を経験しているから、「私はこういう方法でやってるよ」「今年の確定申告書等作成コーナーはここが変わったらしいよ」という経験者の情報が、たとえそれが素人のものであったとしても(真偽の確認は必要だとしても)、どれだけ心強いかも知っている。

買ってくれた読者の手助けになれたなら、よかった、とほっこり。
休日出勤して対応してくれた編集長に感謝し(ちゃんと別日に休んでくださいね!)、引き続き会食を楽しんだ。

翌日、読者の感想を読んだら、たしかに転送したくなるような感謝のメールで、こちらが励まされた。
noteに載せた確定申告レポ簡単仕訳帳Q&Aの記事も読んでもらったようで、「中山さんの記事、これ本当にすごいです、ものすごく助かります」とのこと。
書いておいてよかった~、と年明けからやってきた地味な作業が、この読者の一言で報われた。こちらこそ、ありがとうございます。

すかさず編集長にお礼のメールをしたのはいうまでもない。


こんなふうに、心地よく応援し合えて、感謝し合える世界で、これからも生きていきたいなぁ。


というわけで、そんな改めましての気づきをくれた、くれくれ星人よ、
ありがとな!




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