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【読んでみたシリーズ#001】企業のゴールとは?いわくつきの一冊『ザ・ゴール』を読んでみた

こんにちは!
LOCAL LOGITEXの佐藤慶樹(けいき)です。


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まず最初に嬉しいご報告をさせてください。

前回の『「ユニクロ対ZARA」ファストファッションの覇権を争う2社のサプライチェーン戦略』をnoteで公開した際に、その週の”特にスキを集めた#マーケティングの記事”に選ばれました!

noteからのお知らせ

ブログを開設して早2カ月。
少しずつビュー数やスキの数が増えていくのはとてもモチベーション向上に繋がります。
これからも定期的にアップしていきますので、引き続きよろしくお願いします。

ということで、
前回の名著紹介が大変好評でしたので(図に乗って)今回から【本要約シリーズ】を開始したいと思います!


1.日本での出版が許可されなかった、いわくつきの一冊『ザ・ゴール』

記念すべき第1回目はエリヤフ・ゴールドラット氏の『ザ・ゴール』をご紹介します。
マネジメント思考をストーリー形式で理解できる本書は、Amazonでこう紹介されています。

◆かつて17年間も日本での出版だけが禁じられた「幻のビジネス書」!!
本書の原著「The Goal」の初版が発売されたのは1984年。全世界で1000万人以上が読んだベストセラーにもかかわらず、長い間日本で翻訳出版が許されなかった。著者のエリヤフ・ゴールドラット博士は、出版を拒否し続けた理由について、次のように語っている。

「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」

引用:amazon.co.jp

この”いわくつきの一冊”には一体どのような内容が書かれているのでしょうか。

2.「とにかく効率をあげろ!」上司のムチャブリにどう対応する?

本書は、ユニコ社ユニウェア部門ベアリントン工場の所長であるアレックスが主人公です。
アレックスは物語の冒頭、ユニウェア部門の副本部長であるビルからこう言われます。

・七週間も納期に遅れていて大手顧客の社長が大激怒!
・人手は十分与えている。問題は効率!
・この工場は赤字!三カ月で立て直さなければ工場閉鎖!

この状況をアレックスはこう表現しています。

機械もある。人もいる。必要な資源はすべて揃っている。
市場もある。他メーカーの製品がちゃんと売れているのだから。
それじゃ、いったい何が悪いんだ。

競争だ。競争に我々がついて行けないのだ。
日本メーカーが米国市場に参入して以来、競争は信じられないほど厳しくなった。

三年前は、品質と製品デザインで日本メーカーにやられた。
ようやく追いついたと思ったら、今度は価格とスピードで負けている。
いったい、奴らにはどんな秘密があるのだ。

どうしたら、もっと競争力をつけることができるのだ。

引用:[著]エリヤフ・ゴールドラット. [訳]三本木 亮. 『ザ・ゴール』(ダイヤモンド社)

本書が発行されたのは1984年。当時のアメリカ企業と日本企業の切磋琢磨を表した文書ですが、現代の我々としても当時の日本企業に負けないよう努めていきたいですね!

3.企業のゴールと3つの指標

このアレックスのピンチに登場するのが、かつての恩師である物理学者のジョナです。
空港で偶然再会したふたりは次のような会話をします。

・ロボットの導入でひとつの部署では効率が36%も上がったと言うアレックス。
・ロボットを導入しただけで工場の収益が36%も増えたのかい?と聞くジョナ。
・そうではないと苦笑いするアレックス。

「ということは、実際には生産性は向上しなかったというわけか」とジョナは結論付けます。

ここで現場目線で機械の稼働率だけを見て「生産性」を語るアレックス(個別最適)と、ロボットを導入しても収益が上がらなければ「生産性」が上がったとは言えないと語るジョナ(全体最適)の対比が非常に興味深いところです。

会社の仲間たちと話し合い、アレックスは以下の結論に辿り着きます。

企業の目標(ゴール)はお金を儲けること。
それ以外のすべては、その目標を達成するための手段

ジョナはそれに同意し、次の3つの指標を教えてくれます。

1.スループット(販売を通じてお金を作り出す割合)
2.在庫(販売しようとする物を購入するために投資したすべてのお金のこと)
3.業務費用(在庫をスループットに変えるために費やすお金のこと)

ここからアレックスは、これらの指標を実際の現場の作業ルールに当てはめていきます。

4.ボトルネックをさがせ!

システム全体を最適化する必要性を理解したアレックスは、”ボトルネック”を学びます。
ジョナはボトルネックをこう定義付けています。

「ボトルネックとは、その処理能力が、与えられている仕事量と同じか、それ以下のリソースのこと」

そしてボトルネックを活かす手順として下記の3点を挙げています。

(1)まずはボトルネックがあるかどうかさがす
   ①仕掛品が多く溜まっているところ
   ②リソースが仕事を処理できていないところ
(2)ボトルネックと非ボトルネックを分ける
(3)ボトルネックを通過するフローを市場からの需要に合わせる

   ①ボトルネックの時間のムダをあらゆる方法でなくす
   ②ボトルネックの負荷を減らして生産能力を増やすこと

本書では、ボトルネックの能力を増やしスループットを向上させる方法などが具体的に解説されています。ぜひお手に取ってご覧ください!

5.まとめ

物語の終盤で、資材マネージャーのステーシーが生産性を高めるためのガイドラインをホワイトボードへ書くシーンがありますが、この5ステップがよくまとまっているので引用させていただきます。

ステップ1:制約条件を「見つける」
ステップ2:制約条件をどう「活用するか」を決める
ステップ3:ほかのすべてをステップ2の決定に「従わせる」
ステップ4:制約の能力を高める
ステップ5:ここまでのステップでボトルネックが解消したらステップ1にもどる

この5つの集中ステップを繰り返しスループットを向上させ続けることで、企業の全体最適化を実現することができます。

本書では製造工場を題材に取り扱っておりますが、KPIなどの数値で進捗管理を行っている組織にはすべてこのTOC(制約条件)理論が当てはまります。

業績がイマイチだけど、どこから手を付けていいかわからない・・・という企業の方は、まずはボトルネックを探してみてはいかがでしょうか。

コミック版もあるので、短時間で『ザ・ゴール』のエッセンスを理解したい方におススメです!

さて、今回は私がおすすめする書籍『ザ・ゴール』をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

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