【読んでみたシリーズ#001】企業のゴールとは?いわくつきの一冊『ザ・ゴール』を読んでみた
こんにちは!
LOCAL LOGITEXの佐藤慶樹(けいき)です。
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まず最初に嬉しいご報告をさせてください。
前回の『「ユニクロ対ZARA」ファストファッションの覇権を争う2社のサプライチェーン戦略』をnoteで公開した際に、その週の”特にスキを集めた#マーケティングの記事”に選ばれました!
ブログを開設して早2カ月。
少しずつビュー数やスキの数が増えていくのはとてもモチベーション向上に繋がります。
これからも定期的にアップしていきますので、引き続きよろしくお願いします。
ということで、
前回の名著紹介が大変好評でしたので(図に乗って)今回から【本要約シリーズ】を開始したいと思います!
1.日本での出版が許可されなかった、いわくつきの一冊『ザ・ゴール』
記念すべき第1回目はエリヤフ・ゴールドラット氏の『ザ・ゴール』をご紹介します。
マネジメント思考をストーリー形式で理解できる本書は、Amazonでこう紹介されています。
この”いわくつきの一冊”には一体どのような内容が書かれているのでしょうか。
2.「とにかく効率をあげろ!」上司のムチャブリにどう対応する?
本書は、ユニコ社ユニウェア部門ベアリントン工場の所長であるアレックスが主人公です。
アレックスは物語の冒頭、ユニウェア部門の副本部長であるビルからこう言われます。
・七週間も納期に遅れていて大手顧客の社長が大激怒!
・人手は十分与えている。問題は効率!
・この工場は赤字!三カ月で立て直さなければ工場閉鎖!
この状況をアレックスはこう表現しています。
本書が発行されたのは1984年。当時のアメリカ企業と日本企業の切磋琢磨を表した文書ですが、現代の我々としても当時の日本企業に負けないよう努めていきたいですね!
3.企業のゴールと3つの指標
このアレックスのピンチに登場するのが、かつての恩師である物理学者のジョナです。
空港で偶然再会したふたりは次のような会話をします。
・ロボットの導入でひとつの部署では効率が36%も上がったと言うアレックス。
・ロボットを導入しただけで工場の収益が36%も増えたのかい?と聞くジョナ。
・そうではないと苦笑いするアレックス。
「ということは、実際には生産性は向上しなかったというわけか」とジョナは結論付けます。
ここで現場目線で機械の稼働率だけを見て「生産性」を語るアレックス(個別最適)と、ロボットを導入しても収益が上がらなければ「生産性」が上がったとは言えないと語るジョナ(全体最適)の対比が非常に興味深いところです。
会社の仲間たちと話し合い、アレックスは以下の結論に辿り着きます。
企業の目標(ゴール)はお金を儲けること。
それ以外のすべては、その目標を達成するための手段
ジョナはそれに同意し、次の3つの指標を教えてくれます。
1.スループット(販売を通じてお金を作り出す割合)
2.在庫(販売しようとする物を購入するために投資したすべてのお金のこと)
3.業務費用(在庫をスループットに変えるために費やすお金のこと)
ここからアレックスは、これらの指標を実際の現場の作業ルールに当てはめていきます。
4.ボトルネックをさがせ!
システム全体を最適化する必要性を理解したアレックスは、”ボトルネック”を学びます。
ジョナはボトルネックをこう定義付けています。
「ボトルネックとは、その処理能力が、与えられている仕事量と同じか、それ以下のリソースのこと」
そしてボトルネックを活かす手順として下記の3点を挙げています。
(1)まずはボトルネックがあるかどうかさがす
①仕掛品が多く溜まっているところ
②リソースが仕事を処理できていないところ
(2)ボトルネックと非ボトルネックを分ける
(3)ボトルネックを通過するフローを市場からの需要に合わせる
①ボトルネックの時間のムダをあらゆる方法でなくす
②ボトルネックの負荷を減らして生産能力を増やすこと
本書では、ボトルネックの能力を増やしスループットを向上させる方法などが具体的に解説されています。ぜひお手に取ってご覧ください!
5.まとめ
物語の終盤で、資材マネージャーのステーシーが生産性を高めるためのガイドラインをホワイトボードへ書くシーンがありますが、この5ステップがよくまとまっているので引用させていただきます。
ステップ1:制約条件を「見つける」
ステップ2:制約条件をどう「活用するか」を決める
ステップ3:ほかのすべてをステップ2の決定に「従わせる」
ステップ4:制約の能力を高める
ステップ5:ここまでのステップでボトルネックが解消したらステップ1にもどる
この5つの集中ステップを繰り返しスループットを向上させ続けることで、企業の全体最適化を実現することができます。
本書では製造工場を題材に取り扱っておりますが、KPIなどの数値で進捗管理を行っている組織にはすべてこのTOC(制約条件)理論が当てはまります。
業績がイマイチだけど、どこから手を付けていいかわからない・・・という企業の方は、まずはボトルネックを探してみてはいかがでしょうか。
コミック版もあるので、短時間で『ザ・ゴール』のエッセンスを理解したい方におススメです!
さて、今回は私がおすすめする書籍『ザ・ゴール』をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
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