「育休を個人の組織の成長に繋げる発想と仕組み」セミナーを終えて
6月23日(水)10:00~11:30で、「育休を個人の組織の成長に繋げる発想と仕組み」と題して育休スクラさんと一緒にセミナーを企画・開催させて頂き、モデレーターを務めさせて頂きました。
男性の育児休職取得率が8割を超えるというメルカリの人事(People Experience Team)の望月さんをお招きしてトークセッション&パネルディスカッションをしましたが、その内容は人事の人間としても育休取得者個人としてもとっても刺激的で勉強になることばかり!だったので、ここに記録しておきたいと思います。
制度設計は不公平でも良い!
メルカリさんの制度設計の哲学で一番衝撃的だったのは、「制度は不公平でも良い!」と言い切っているところでした。
全社員に平等にお金を配分するという考え方ではなく、家族の事情や病気などダウンサイドで働きたくても働けない方を対象に、思いっきり働ける土壌に引き上げるために制度を作っている、と。(ベビーシッター、認可外保育園補助、不妊治療、死亡保険、、、等)
メルカリは多様な人にサービスを使ってもらうビジネスであるため、経営の意思決定にも多様な人が必要。そうすると社員にも多様な方に活躍してもらうために、ダウンサイドがあって働けない人のケアの方にfocusしている。社員からも不満がゼロというわけではないが、メルカリのフィロソフィー・ポリシーに共感して入社してきてくれる社員が多いので、大きな問題にまではなっていないようです。
人事制度もアジャイル!
望月さんはMercy Boxは「箱」なので出し入れしている、と表現していましたが、一旦作ってみた制度をレビューしてみて、あまり使われなかったとかやっぱり違うねとなったらフレキシブルに廃止している、という点も学びでした。(独身者対象の制度が少ない!ということで一時的にマッチングアプリPairsの無償提供もしてみたが、見直しをして廃止したとの由。)
通常人事をしていると(特に大企業ほど?)、制度を作るなら失敗してはいけない、なので設計前にしっかり確認して時間をかけて、、、と慎重になっている会社さんが多いのではないかと思います。しかしメルカリさんの話を聞いていると、人事制度もある意味アジャイルというかリーンスタートアップというか、先ずは作ってみてユーザー(社員)の反応を見て微調整したりローンチし直す、そんなスピーディな次世代の取り組み方になっているんだなぁ、、、と印象的でした。
育児休職が新たなチャレンジのきっかけに!
冒頭に記載した通り、メルカリでは男性の育児休職取得率が8割を超える(現時点で89%、これから取る人も入れれば100%に近い感覚との由)とのことですが、みなさん、休みに入るにあたって仕事を一旦棚卸しして引き継ぐので、副次的効果として仕事の属人化が防げているとのこと。
また、個人から見ると、休職することで一旦仕事が自分から“はがれる”ことで、真っ新な目で自分のキャリアを考えることができ、視野が広がって新しい仕事にチャレンジする機会にもなっているようです。
育休中に思考の枠を外して自分のやりたいことを俯瞰して見つめなおした結果、自ら部署異動を希望する人も一定数いるんだとか。
人によっては育休を「キャリアの中断」だとか捉えてしまうこともある中、逆に育休を「新たな飛躍のチャンス」と捉えてチャレンジできる風土は素晴らしいですよね!
Tipsはあくまでもコミュニケーション&粘り強さ
そんなメルカリさんですが、「理想論はそうでも、現場の上司やら経営陣には反対する人もいるんじゃないの?どう説得する??」という質問に対しての答えは・・・何かクリティカルな武器があるということでなく、「地道なコミュニケーションと粘り強さ」とのことでした。
個人対上司という意味では、個人が「組織に貢献するためにこうしたい!」という思いをしっかりと上司に伝え、コミュニケーションすることが重要。
そして人事と経営陣という意味でも、とにかく目線合わせを実直に、粘り強く何度もしていくということがKeyだとおっしゃっていました。
昨今、人事・組織の界隈では「エンゲージメント」がキーになっていますが、メルカリでは正にエンゲージメント・共感が個々人のパフォーマンス・引いてはビジネスを成長させていく一番の原動力だと捉えてぶれずに各種施策を打ち出して実行しており、大変勉強になりました。
小田木さん(@育休スクラ)、望月さん(@メルカリ)、そして聞いてくださった皆様、どうもありがとうございました!!
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