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JAMPの試行錯誤②:バリューについて

JAMPの試行錯誤⓪:はじめに」で書かせて頂いた通り、全6回の「JAMPの試行錯誤」では、ステークホルダーの皆さまとオープンな「試行錯誤」を行なわせて頂くため、JAMPプラットフォームのあり方や目指す方向について、私が現在考えていることを様々な切り口で共有させて頂きます。

今回の「JAMPの試行錯誤②」では、前回のビジョンとミッションに続き、当社のバリュー(価値基準)の位置づけや内容について、私の考えるところをお話させて頂きたいと思います。

会社やコミュニティにとってのバリューとは

バリュー(価値基準)については、それ無しでは集団として成り立たないわけではないものの、それが組織のクオリティや性質を規定するものであり、その意味で、並列で語られることが多いビジョン・ミッションとはやや異なる位置づけであると、私なりに理解しています。

バリューは、集団としての価値観や性格を表現し、かつ規定するものであるため、その「組織資産」が無かったとしても、「人的資産」の構築自体は可能であるものの、それが結局は「組織資産」「人的資産」のクオリティに直結します。

JAMPのビジョン・ミッションに対し、どのようなバリューを大切にすることが各種事業を運営していくうえで重要かつ適切なのかを言語化し、明確にしておくことが、ユニークな個性として成熟し、差別化や競争力につながっていきます。

また、そうした形で価値基準を明確にしておくことで、所属する金融専門人材やパートナー企業が連携して事業を推進していく際に、判断・行動基準として機能し、スピードアップやコミュニケーションコストの削減といった現実的な効果も期待できるでしょう。

こうした考えに基づき、創業からの数か月の間、JAMPがそのミッションを通じ、ビジョンを達成するために、大切にすべきバリューは何なのかということを丁寧に検討してきました。

JAMPが大切にする5つのバリュー

現在、私たちJAMPは、会社として、金融専門人材コミュニティとして、そして金融事業プラットフォームとして、次の5つのバリュー(価値基準)を大切にすると定めています。

①大胆に、そして敢えて適当に
②朝令暮改を恐れない
③判断基準としてのクライアント・ファースト
④プロフェッショナル集団を極めよう
⑤納得感や理解を大切に

①大胆に、そして敢えて適当に

私たちは殆ど全員が金融業界出身者ということもあり、個々人の性格や価値基準は、良く言うと、とても真面目、悪く言うと、堅物で融通がきかないという傾向もあると自己認識を持っています。勿論、金融事業に携わる以上、安全や厳格なプロセス管理等は必須であり、そうした私たち個々人の特性は重要であるのは間違いありません。

一方、過度にそうした方向に傾き過ぎると、極端に動きが遅くなったり、無駄なプロセスが生じたりというリスクもあります。残念ながら、多くの大手金融機関がこうした状況に陥っている状況を私たちは知っています。

「金融業界を最適化する」という困難なミッションを果たすためには、様々なソリューション仮説を試し、高速で検証するというPDCAプロセスを回す必要があります。スピード感のないスタートアップ企業は単なる零細企業に過ぎません。

「大胆」かつ「敢えて適当に」というベクトルを明示的に意識することで、スピードと適度な寛容さを保ちたいと考えています。

②朝令暮改を恐れない

これも同様の趣旨ですが、一貫性を重視するあまり、判断やアクションのスピードが鈍ってしまうのを避けるため、敢えてこの価値基準を言語化し、明確にしました。

「言っていることとやっていることが違う」というのは絶対に避けなければなりませんが、「言っていることがころころ変わる」というのは敢えて推奨する。そうやって、スピード感ある判断やアクションを生む土壌をつくりたいと考えています。

③判断基準としてのクライアント・ファースト

私たちは、耳触りの良いお題目ではなく、合理的・合利益的な判断・行動基準として、「クライアント・ファースト」という価値基準を置いています。

この前提には、当社サービスを支持して下さるお客様が「顧客資産」として蓄積されることが、中長期的には私たちJAMPの「金融資産」や「人的資産」などにもつながるという、循環・拡大する「価値創造サイクル」の考え方があります。

④プロフェッショナル集団を極めよう

とはいえ、「クライアント・ファースト」は決して「お客様に甘言を弄する」ような行動を意味するものではありません。短期的にはお客様にとって厳しい判断であっても、中長期的に高付加価値が見込めるのであれば、プロフェッショナルとしてそれを提案すべきです。

また、このステートメントにある「集団」には、「チームワークの重要性」の意味合いも込めていますが、これもお題目ではなく、「チームとして他分野の専門人材と連携することが個々人の利益にもつながる」という合理的・合利益的な行動基準を明確にすることで、お客様にとっても、私たちJAMP全体にとっても中長期的に有益な行動につながることを意図しています。

⑤納得感や理解を大切に

私は、全てのステークホルダーが常に幸せという状況は現実的ではなく、それを目指すことはできないという考えを持っています。ある主体にとっての合理的・合利益的な判断やアクションが、他の主体にとっての不満につながるということはどうしても避けられません。

ただ、そのような場合にも、何故そのような判断やアクションに至ったのかという納得感や理解を得るプロセスは大切にしたいと考えています。

衝突やあつれきを恐れていては物事をスピード感もって、大胆に進めることはできません。恐れるべきは非論理性であり、非合理性であるべきです。

今後について

これからJAMPが金融専門人材コミュニティとして、金融事業プラットフォームとして、成長していくにつれて、所属する専門人材や連携するパートナー企業はどんどん多くなっていくと思います。

そうなったとしても、こうしたバリュー(価値基準)を大切にし、JAMPならではの付加価値を社会・経済に提供していきたいと考えています。

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