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JAMPの試行錯誤④:JAMPのカタチ-事業体・資本戦略について

JAMPの試行錯誤⓪:はじめに」で書かせて頂いた通り、全6回の「JAMPの試行錯誤」では、ステークホルダーの皆さまとオープンな「試行錯誤」を行なわせて頂くため、JAMPプラットフォームのあり方や目指す方向について、私が現在考えていることを様々な切り口で共有させて頂きます。

今回の「JAMPの試行錯誤④」では、JAMPの経営者であり、現時点では所有者でもある私が、どのような事業体構造や運営、資本戦略などを考えているのか、換言すれば、どのようなJAMPのカタチを目指しているのかについて、お話させて頂きます。

公共性を持つ金融インフラストラクチャーを目指して

私は、JAMPプラットフォームはなるべく公共性を持つエンティティであるべきという信念を持っており、何らかの形で公共性を持ち、個人商店色をなるべく排除したエンティティを目指したいという考えを持っています。

勿論、公共性を持つからといって、JAMPプラットフォームが金融機関・事業者や社会に提供する付加価値に対して、適正に対価を得ることを否定するものではありませんし、逆にそこは確りと金銭的対価をやり取りすることが、市場メカニズムを通じてヒト・モノを最適化するためには重要であると考えています。

従って、時々勘違いされるのですが、将来のカタチとして、民間営利会社であるという選択肢を排除するものではありませんし、逆にそうあった方が、プラットフォームとしての適切な運営と親和性が高いように考えています。

「公共性」という表現には、「個人商店色を排した、より安定的かつ永続的な所有・運営」という意味合いを込めているつもりです。

金融事業プラットフォームというインフラストラクチャーとして機能するためには、特定の人間ひとりの存在や能力に依存するカタチではなく、利益相反性が無いという意味での健全なコミュニティに基礎を置くスキームであるべきという考えが、その背景にはあります。

JAMPにとって適切なエクイティ資本調達とは

一方、現在は私の自己資金のみで運営しているJAMPプラットフォームですが、今後はグループ内に金融事業支援のための各種機能やソリューション開発・提供を行なう事業体を積極的に追加設立していく方針です。そのため、借入れが困難なスタートアップ企業のひとつとして、外部からのエクイティ資本調達をどうするかが重要な経営課題のひとつです。

ただ、恥ずかしながら、私自身もJAMPプラットフォームがどういうカタチとなるべきかの将来像を明確に描けていないいま、VCからのエクイティ資本調達は馴染まないと考えています。VCも投資家からの委託を受け、ビジネスとして出資をする以上、一定の期間内の損益実現を求められる主体であり、そこでの方向性・時間軸の折り合いをいま見出すことは困難です。

また、有難いことに、代表である私の個人的な関係でJAMPを応援して下さっている方々が、エンジェル投資家としての出資を申し出て下さったりもするのですが、個人的つながりで出資頂くのは適切ではないような迷いを持っています。将来のカタチや時間軸が明確でないなか、申し出を受けることは、個人商店色を排するという目標にそぐわないように感じているためです。

独立したエンティティでの事業運営を目指す

JAMPの資本戦略についてはこのような考えを持っているため、基本的には今後のエクイティ資本調達は、JAMPプラットフォーム運営で協働でき、金融機関・事業者に何らかの付加価値を提供できるパートナー企業からのみ行うという方針を現時点では考えています。

また、金融機関・事業者に提供するモノ、つまり機能やソリューション毎に事業エンティティを独立して設立し、そこに各事業で連携するパートナー企業に出資を頂くという事業体運営をイメージとして持っています。

こうすることで、各パートナー企業が自ら提供する付加価値に応じた対価や利益を享受する仕組みを構築することができ、公平性を担保することができることに加え、新しいパートナー企業が安心して参画できる仕組みにすることができると考えています。

JAMPはどのようなカタチを目指すべきなのか

「JAMPの試行錯誤⓪:はじめに」でも書かせて頂きましたが、創業間もない会社が広げるにしては大き過ぎる風呂敷だと感じられるかもしれません。

ただ、事業体運営や資本政策といったカタチは、初期段階から将来目指すカタチ(まだ明確に描けていませんが)を見据え、しっかりと考え、準備すべきものだと考えています。

より良い金融事業プラットフォームであるために、金融業界内外の皆さまのご意見をお聞かせ頂ければ嬉しく思います。

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