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電話応対が下手な人

たくさんのコールセンターで、たくさんの電話対応者を見てきました。
その中には電話応対の上手い人も下手な人もいます。
でも、実際のところ下手な人とは、自分のことを電話応対の下手な人だと決めつけている人です。

そういう人はよく「私、ボキャブラリーがないんです」「私、頭の回転が遅くてパパっと言葉が出てこないんです」と言います。

そういう人に共通している特徴があります。

振り返りをしない

電話応対が下手な人とは、電話が終わったあと、振り返りをしない人です。

しどろもどろになって入電者から叱られて、ようやく電話を終えて、「あぁ、もうあんな電話かかってこないといいなぁ」と思って終わり。

これでは、次に似たような電話がかかってきたときにも、同じようにしどろもどろになるのは確実です。

成長するのは終話後

受電対応は、電話を切った後が勝負です。

今の自分の対応で言葉に詰まってしまったところはなかったか。
もっと上手に説明できるところはなかったか。
入電者の反応は想定どおりだったか。想定通りでなかったのはどこか。それは自分の何が間違っていたのか。質問をはき違えていたのか。説明のときの言葉選びか。話し方のトーンが暗かったのか。

電話応対はその場限り。全く同じ電話がかかってくることはあり得ません。
でもそれはスポーツの試合でも同じことです。

試合が始まってみなければどんな球が来るか分からないからといって素振りをしないスポーツ選手がいるでしょうか。
ボクシングのチャンピオンは、もう十分に上手いからといって練習しないのでしょうか。

調べる、考える、練習する

どれだけボキャブラリーがなくても、終話ごとに言えなかった言葉を調べていれば、どんどん増えます。

上手な人だからパパっと言葉が出てくるのがではなく、使えそうなフレーズをたくさん用意しているのです。それは考えるだけではダメで、しっかりと練習しなければなりません。

それも、どの言葉を言いながらマニュアルに手を伸ばしどうやって調べる時間を稼ぐか、もしくは保留にもっていくかなど、口だけではなく体を使って練習しなければいざという時にできません。

ロープレの重要性

そのためには、ロープレが一番有効です。
慣れてくれば、頭の中でもシミュレーションできるようになるかもしれませんが、少なくとも最初のうちは失敗したところをロープレで練習してほしいと思います。

振り返れ 歩き出せ 悔やむだけでは変わらない

中島みゆきの『泥海の中から』という曲の歌詞です。

明日、少しましになる。
その繰り返しが未来の自分を作ります。

それでは、また。



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世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。