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レアル・マドリーの2023-24シーズン、成否を分けた3つの要因。さらにクロース引退&ムバッペ加入の来季を展望する

こんにちは。

国内外の最先端のサッカーを扱う専門誌『footballista』に、2023-24シーズンのレアル・マドリーのシーズン総括&来季の展望記事を寄稿しました。


記事の小見出しは以下の通りです。

3つのターニングポイント
 ①アトレティコ・マドリー戦の敗北
 ②ケガ人続出を乗り越えた12月
 ③マンチェスター・シティ戦の勝利とヴィニシウスの成長
後方ユニット+アタッカー+バランスを取る選手
エンバペを活かし、クロースの役割を担うのは…


スーペルコパ、そしてラ・リーガとCLのタイトルを手にした2023-24シーズン。CL3連覇とクリスティアーノ・ロナウド後のマドリーにおいて、フットボールの内容・結果ともに最高のシーズンだったと考えています。おそらくクラブ史上最も“戦術的な”チームだったのではないでしょうか。以下は今季のマドリー関連の記事一覧です(ジローナ戦とCL決勝ドルトムント戦のレビューはnoteで全文無料です)。


EURO2024が開幕し、トニ・クロースが代表に復帰したドイツは彼に導かれるようにして調子を上げています。改めて、彼というフットボーラーの唯一性、世界最高のゲームメイカーとしての実力を目の当たりにしています。この選手が引退することで、来季のマドリーとカルロ・アンチェロッティは間違いなく(毎シーズンそれを乗り越えてきたように)チームの再構築を図ることになるでしょう。キリアン・エンバペの7年越しの到着も決定し、来季誰がどのような役割を担うことでさらなる進化を見せてくれるのでしょうか。今回の記事にはその考察を盛り込みました。


そのEUROですが、ひとまず主要国の試合を一通りチェックしました。ユリアン・ナーゲルスマン率いるドイツは選手のクオリティ、戦術の完成度ともに今大会最高クラスにあると思います。クロースが離脱でもしない限りは優勝候補筆頭でしょう。戦術面においてさすがの出来だったもう一つのチームはスペイン。試合は支配できるけど勝てない、が近年の様相でしたが、今季エルネスト・バルベルデの下で好成績を残したアトレティックでスケールアップを遂げたニコ・ウィリアムズ、バルセロナの16歳ラミン・ヤマルという両ウィングの決定的なプレーに期待できそうです。アルバロ・モラタ次第か。エンバペのいるフランスは戦術も何もないですが、選手のキャラクターとクオリティ的に守ってカウンターで勝ってしまいそうなのはいつも通り。ウィリアン・サリバはアーセナルの堅守を支えた素晴らしい選手です。

と、この3か国がタイトルに近そうだと感じました。次いで可能性が高そうなのはポルトガル。初戦のチェコ戦では配置も戦術もまったくと言って良いほどわからなかったのですが、純粋なアンカー役にジョアン・パリーニャ(ルベン・ネベス)を起用し[4-3-3]に変更した第2節のトルコ戦では好パフォーマンス。連続的にボールに関わることのできるヴィティーニャやベルナルド・シウバと相性の良いジョアン・カンセロが活き活きとプレーできていました。ロナウドとぺぺの活躍も期待したいところです。ちなみにトルコのアルダ・ギュレルは得意の右ハーフスペースから繰り出されるキックで特大のポテンシャルを発揮しているので要チェック。

イタリアはルチアーノ・スパレッティがコレクティブなチームを作っていました。特にアレッサンドロ・バストーニ、リッカルド・カラフィオーリの両CBはロマンですが、崩しは仕込めていないようで前線の選手のクオリティも足りずゴールを奪うのには苦労しています。似たような状況にあるルカ・モドリッチのクロアチアと、生死をかけた一戦に臨みます。オランダの雰囲気はエムバペのいないフランス。MFより後ろにはファン・ダイクを筆頭にクオリティの高い選手が揃っているので、良いところまではいくかもしれません。ジュード・ベリンガム、フィル・フォーデン、ハリー・ケインらワールドクラスを揃えるにもかかわらず何の戦術もないイングランドを含めたこの3か国は横並びの印象です。

その他ベルギーや中堅国、ダークホース的な立ち位置にいる国はチェックできていませんが、マドリーの選手のいる国を中心に追っていければと考えています。


最後までお読みいただきありがとうございました!


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