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VTuberが良く分からない人にこそ聴いてほしい、VTuberカルチャーが少し分かる楽曲10選とおまけ解説

はじめまして、シード期のスタートアップに投資を行うジェネシア・ベンチャーズにて、キャピタリストをしている水谷圭吾(X:@keiggg_gv)と申します。

はじめに~VTuberって知ってはいるけれど~

小学生の頃からニコニコ動画を身近な存在として育ったこともあり、様々なネットカルチャーに関するオタク的な自身の興味関心に従う形で、エンタメ事業会社の方々や、エンタメ領域で起業をするorしている人とお話しさせていただく機会がとても増えてきました。

そんな中、わかりきったことではある前提で、最近特に感じるのが「VTuberというコンテンツ/ジャンルに対するリテラシーのが人によって本当に極端」ということです。

スタートアップに関する仕事をする人にとって、ANYCOLORとCOVERという2大VTuber事務所の成長やその時価総額の大きさに全く無関心・無知な人はほぼいないという認識です。
一方、VTuberがそもそもどういうコンテンツでどういう層に刺さっていてどういうやってファンを生み出しているのか、など、そのコンテンツ自体には全く興味を持たれていない方も相当数いらっしゃると思います。

VTuberに興味を持つきっかけは本当に何でもいいんです。
たまたまレコメンドに流れてきたから、テレビで芸人がハマっていると話していたから、好きなゲームの配信をしていたから・・・etc.

VTuberを知るきっかけの一つに、音楽の存在があり続けると思います。私がVTuberをVTuberとして確かに認識したのは、にじさんじ所属のVTuberが歌う楽曲を聴いたのが最初のきっかけでした。

これまでVTuberについてなんとなく存在は知っていて盛り上がっているんだ、ということは理解しながら、いまいちコンテンツの中身には踏み込めなかった人向けに、音楽という切り口で興味を持っていただきたく、おすすめしたいVTuber楽曲10選を紹介します。

もともとはボカロPによる楽曲提供が大部分を占めていたVTuber楽曲ですが、トラックメイカーや有名バンド、KPOP系などそのジャンルの幅は非常に広くなっています。皆さんの趣味に合う一曲が見つかれば嬉しいです。

楽曲と、それを歌うVTuberの簡単な解説を付けていますので、そちらも参考程度にお読みいただければ幸いです。

皆さんが素敵なVTuber楽曲に出会えますように!

VTuberカルチャーが少し分かるVTuber楽曲10選

KMNZ-VR

2018年というVTuber黎明期に活動を始めたバーチャルユニット【KMNZ】

楽曲に力を入れていた古参VTuberユニットとして、まず彼女らを取り上げることとします。本楽曲の作曲等プロデュースを行ったのは、日本が世界に誇るトラックメイカーの【Snail’s House】。彼らしいkawaiiサウンドがどこまでも心地いいです。

MVも素晴らしいです。2019年の時点で、バーチャルとリアルが融合するAR的世界観を作れているの、めちゃ凄い気がします。

メンバーの一人であるLIZの卒業が2023年末に発表され、いにしえのVTuberファンの多くが悲しんでいました。
余談ですが、MVに出ている一ノ瀬みかさんが所属していたアイドルグループの神宿も、活動を休止してしまいました。神宿も良い楽曲が沢山あるアイドルグループで最高なのですが、、、残念です。

にじさんじ-Virtual to LIVE

にじさんじの一周年記念楽曲として、当時のメンバー全員で歌われた楽曲。

今見ると、やっぱこんなメンバー少なかったんだ、小さい事務所だったんだってのが良く分かり、にじさんじ(というかVTuber市場)の成長をひしひしと感じますね。。。

楽曲提供は、ボカロPとして超有名なkz(livetune)さん。
kzさんが出る音楽イベントでこの曲がかかるといつも最高に盛り上がります。

にじさんじ-Hurrah!!

にじさんじが2021年から毎年開催しているリアルイベント、にじさんじフェスの2022年度イメージソングとして作られた楽曲。

作曲はkzさんに続き、ボカロPとして超有名なじんさん。じんさんはこの曲以外にもいくつかにじさんじに楽曲提供していますが、ほんと全曲裏切らない良さがあります。
サビ途中での転調がもれなく刺さってしまいます。

VTuberというカルチャーは、ファンによる二次創作によって大きく成長してきた側面が大きくあります。このMVにはまさにファンによるファンアートが使用されていて、タレントとファンがともに成長するVTuberらしさのあるコンテンツに仕上がっています。

星街すいせい-Stellar Stellar

VTuberとして初めてTHE FIRST TAKEに出演した、というアイコニックな一曲は、ホロライブ所属の星街すいせいさんによるStellar Stellar。

この動画内でギターを弾いているのがこの楽曲の作曲を行っているトラックメイカーのTAKU INOUE。アイドルマスターの楽曲を手掛けていたり、最近だとあのちゃんの音楽プロデュースをしています。ファンも多いです。

星街すいせいさんはTAKU INOUEと【Midnight Grand Orchestra】というユニットを結成し、ばんばん新曲も出しています。下記に添付しているのはつい先日豊洲PITで開催されたワンマンライブの映像ですが、ここまで演出のクオリティが高いのか!と驚きました。
個人的にはVTuberファン層以外にも、もっとマスに広く聴かれる存在になって欲しいなと願っています。。。!

Calliope Mori x Gawr Gura x DECO*27-Q

ホロライブの英語圏向け事務所「hololibe-EN」に所属するMori CalliopeとGawr Guraのコラボ楽曲。大人気の二人のコラボ曲とあって、再生回数は2000万回を超えています。コメントももちろん海外の方からのコメントで埋め尽くされていますね。

楽曲提供は大人気ボカロPであるDECO*27。

個人的な見解ですが、DECO*27の作曲したこちらの楽曲が日本を超え世界で聴かれているように、ボカロPの作る楽曲が、VTuberというメディアを介してこれまでよりも多くの人に届けられるようになった一面があると感じており、小学校からボカロを聴いて育ってきた自分にとってはこのことがとても嬉しいです。

鳳凰火凛 (CV: 健屋花那)-CHAMPION GIRL

バンダイナムコによる音楽×キャラクタープロジェクトの【電音部】というコンテンツの一環としてリリースされたこちらの楽曲。
歌っているのは、電音部に登場するキャラクターの一人である鳳凰火凛。その声を務めているのが、にじさんじ所属のVtuber、健屋花那(読み方:すこやかな)です。
作曲を務めたのは、Adoの「踊」の作曲者の一人でもあるGiga。

電音部、というプロジェクト自体は、それを説明するだけでもかなり長くなってしまうのでここでは割愛します。が、多方面から、バンダイナムコの枠を超えて(非中央集権的に)IPを育てていく新しい試みで、個人的にはとても応援しているプロジェクトの一つです。
なんといっても生み出される楽曲の量と質が半端なく高く、(私は正直ストーリー自体はあまり理解できていないものの)もっと多くの人に届けばと思っています。

VTuberというバーチャルな存在が、別の二次元キャラクターの声優を務める、という二重のバーチャル構造になっているのが面白いです。バーチャルタレントとリアルタレントの垣根を軽々と超えていく動きの一つとして、今回ピックアップしました。

涼海ネモ-UMenity

個人的2023VTuber楽曲優勝がこの曲。涼海ネモさんは、VTuber事務所「ななしいんく」に所属しています。

楽曲提供はGalileo Galileiの尾崎和樹さん。Galileo Galileiのような人気バンドからも、VTuberに楽曲提供がなされたりしているんです。

いやーーーこれはほんともっと有名になるべき名曲だと思っています。彼女の儚さと幼さのある声質と特徴的な細かいビブラートが楽曲に合っていてとにかく良い。

柚子花-午前0時のストーリーテラー

柚子花さんは事務所に所属することなく活動する、いわゆる「個人勢」と言われるVTuberです。

素晴らしい楽曲を歌うのは、大手事務所に所属するVTuberだけではありません。個人勢VTuberでも良い楽曲を歌う方が沢山います。作曲はmustie=DC。

ミュージカル調でありながらこれだけ太いベースを鳴らすって相当珍しい気がしますが、こんなにはまるんですね。大好きな一曲です。

ISEGYE IDLE-KIDDING

これも紹介せずにはいられないなぁ、、、と思い紹介します。
韓国のVTuberユニットISEGYE IDOLによって2023年8月に発表されたこちらの楽曲ですが、初めて聴いた時、正直かなり驚きました。ここまでKPOPライクなVTuber楽曲は聴いたことが無かったからです。

普段は各自がTwitchにて配信を行いながら、時折グループとして楽曲を発表しています。1000万回を超える再生数を連発するVTuberユニットはここぐらいではないでしょうか。(執筆時点で本楽曲は約1400万再生!)

直近VTuber市場における韓国勢の伸びが今かなり来ていますが、特に楽曲という観点においてはK-popという土壌も含めより強みを発揮しやすいのかもしれません。

PAS TASTA - peanut phenomenon ft. ピーナッツくん

ピーナッツくんを紹介せずに、今のVTuber楽曲シーンは語れません。。。

とは思いながら、ピーナッツくんが築いているポジションはどう説明するのが良いのか分からず悩んでしまいます。一般的なVTuberファンが彼を楽しんでいるとは考えにくく、ピーナッツくん独自のファンダムが形成されているように思います。

この楽曲はインターネット出身の個性が光りすぎるトラックメイカー6人で結成されたユニット【PAS TASTA】と共に歌っています。途中、ピーナッツくんを抽象化した表現が出てくるのがなんとも彼ららしいふざけ感が現れていて良いです。楽曲もhyper的サウンドが急にやってきてぐちゃぐちゃにする感じ、最高です。

昨年リリースされたコンピアルバム『THE RAVING SIMULATOR』(ガチの名盤)にもvalkneeやnyamuraと並んで参加しているのも、他のVTuberとは一線を画していますね。ヒップホップ系の楽曲が多い印象ですが、歌うジャンルもかなり多岐にわたっています。

終わりに

ただ単に自分の趣味を垂れ流した記事となりましたが、少しでも皆さんの関心領域が広がれば、また、良い音楽との出会いのきっかけとなっていれば幸いです!感想やコメント等、私のX(@keiggg_gv)のDMでもお待ちしています!

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