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『エジソンズゲーム』が自分史上最高の映画でした

#毎日note #9日目

エジソンズゲームが今まで自分が見た映画の中で一番と言えるほど面白かったので備忘録的に感想・解釈と考察を解説。

あらすじ解説:エジソンゲームとは

エジソンズゲームとは、未熟な資本主義下において、今の人々の生活の礎である電気を生み出し普及させた、全く違う生き方をする三人の男達を巡る『電流戦争』という実話です。

エジソンとテスラが直流 vs 交流で競い合い、電球を生み出したエジソンが敗北したことは良く知られている話だと思います。しかし各々どのような思惑があり、何故互いは協調せず争うことになったのか、深く知る者は少ないはず。そこには資本主義社会を凝縮した生々しい人間同士のドラマがあり、卓越した知性を持つ者たちの力強い生き方を垣間見ることができました。

この映画を見る前と後では、街中が電気で照らされ明るく光る東京の街が、全く違って見えると思います。

感想①三人の男と生き方

エジソン / ウェスティングハウス / テスラ

まずこの映画を見ると話したくなる感想は、三人の男の誰が好きか、誰に共感するかということでしょう。それぞれに強烈な個性と魅力があります。

トーマス・エジソン

孤高の発明家。何年もかけて発明を成し遂げる。同時にそのアイデアが他人に奪われることを恐れ、狂気的に自身の発明が世に広まる事に執着する。社員に厳しくこだわりが強い姿はスティーブジョブスと重なるものがある。

ジョージ・ウェスティングハウス

実業家。周りの才能をうまく引き出し、技術を世に出すことに長ける。エジソンとの競争は望まず共に手を取り合いたいとするが…(ネタバレのため略)

ニコラ・テスラ

エジソンよりももっと孤高の天才。彼の頭を巡る思考やアイデアが見据える先は100年先。未来に残るのは人ではなくアイデアであると彼は言い切る。社会への実用はなかなか叶わず、孤独にその生涯を終える。


自分はウェスティングハウスに最も共感し、目指したいとも思いますがエジソンに憧れます。やはり世の中に実用化され役になってこそ意味があるし、自分もそれが実行できる経営者でありたいと思います。

一方で、1万回もの試行錯誤を繰り返し自分の中で新しいものを生み出すエジソンのことは素直に尊敬しますし憧れます。

しかし三人とも最高にかっこいいですし、様々な示唆や気づきを与えてくれます。あなたは誰が好きですか?

感想②資本主義の縮図としてのエジソンズゲーム

この映画の中には、資本主義という一言では言い表せない仕組みの特徴がギュッと詰まっているように思いました。

この社会では、アイデアを生んだ人は必ずしも利益を得られません。実際、電気網を作ることで利益を得たのはエジソンではなくウェスティングハウスです。報われるのは最も努力したり貢献した人とは限らず、金や特許をうまく活用した人だったりします。資本主義は欠陥のある仕組みです。

しかし一方で、資本主義という仕組みが無ければ交流電気というより安価で使いやすいインフラは生まれなかったかもしれません。資本主義による競争環境があるからこそ、この世の中にはより便利な物が生まれ消費者は便益を被っているとも思います。また、資本主義がなければ、エジソンが資本を集め大規模な組織で開発を行うことも難しかったかもしれません。

独占禁止法もまだなかった当時、このような資本主義の特徴がより色濃く出ていたと思います。

資本主義は、何だか色んな欠陥があって良くない気がするんだけど、よく考えたら便利で現状考えられる最もベターな仕組みである。でももっと良い仕組みもある気がしてむずがゆい…。そんな特徴が映画の中で表されていて、とても考えさせられます。


感想③人生で大切なのは金や名誉か

エジソンズゲームは、この普遍的な問いにこう答えます。

いや、一番大切なのはプロセスだ

この映画の終盤で、エジソンはずっと付いてきてくれた秘書にこう問いかけます。

「どうして一緒にきてくれたんだ?」

それに対する彼の答えはシンプルです。

「楽しいからですよ。」

また、印象的なシーンに、ウェスティングハウスとエジソンが万国博覧会で出会い対話するシーンがあります。そこでは、勝者であるはずのウェスティングハウスが羨ましそうに、エジソンが電球を発明した時の話を聞いています。発明したときの感動は、エジソンとその仲間たちにしか味わえなかったことです。

自分も思います。

金を稼ぐことも功績を残すことも大切かもしれない。

しかし、金や名誉のために今何かに取り組むのではない。『一生懸命何かに取り組むこと』それ自体が楽しく、誇らしく、充足した人生をもたらしてくれるから取り組むのだと。究極的に大切なのはプロセスなんだと。

そんなメッセージを自分はこの映画から感じました。

感想④:じゃあお前はどう生きるのか

そして何より、様々な発明品を世に送り出すエジソンの熱量に心を動かされずにはいられませんでした。

エジソンやテスラ、ウェスティングハウスをはじめとした登場人物達は、自分の利害や競争環境で葛藤しながらも、必死に世の中を良くするものを生み出そうとしていました。

じゃあ自分はどうするのか?

1万回もの試行錯誤を繰り返し、世の中に価値貢献できるような自分でありたい。内なる想いに働きかけてくれる映画でした。

最後に

自分はこんな考察をしましたが、見る人によって全然違う解釈になり得ると思います!

興味の有無が分かれる映画かもしれませんが、ここには書ききれなかったような名シーンが他にいくつもあり、ビジネスに関わる人であれば絶対面白いと思うので是非見に行ってみて下さい。イミテーションゲームで主演を務めたベネディクト・カンバーバッジさんの演技も最高でした❗️

映画館は座席を空けるなどコロナ対策もしっかりされていました。この時期に上映しているのがもったいない良い映画です。


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執筆者 / 養田峻介

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