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多重転職者の悦楽

自宅のデスクの横に、2002年1月9日の新聞記事の切り抜きを19年間ずっと貼っている。
その間に2回引越しをしたが、この記事も一緒に引っ越しをしている。
新聞紙はすっかり色褪せてしまったどころか、かなり汚い。
しかし、記事の内容は全く色褪せていない。
『会社は5年ごとに辞めよ 「次」に向けて自分を磨け』と、中村修二さん。
記事の内容を一部共有させて頂く。
『4~5年ごとに辞めるつもりで、次に自分が高く売れるための仕事に熱中することです。終身雇用に安住していても、本心は飽きている人が多いでしょ』
『ひとつの会社に忠誠を尽くし、出世したところで何になりますか。いまだに多くの企業で、能力ではなくポジションで給料が決まっている』
『社員が会社にすべてをささげている状態は、会社のためにも本人のためにもなりません』
『あと何年で辞めるんだと常に思っていれば、次により良い仕事を得られるように自分を磨こうとします。自分を磨かないまま、仕事に飽きてもズルズルと会社に居続けてるから、上司の悪口かゴマスリしかすることがなくなるんです』
私は31歳のとでこの記事に出会ったのはラッキーだった。
26歳の時に初めての転職を経験し、2社目の企業に勤務していた。
この記事に大いに刺激を受けたので、ずっと机の横に貼っている。
正社員フリーターの原点はこの記事からスタートしたのだ。
それから、私なりの解釈で記事の内容を実行に移し、社歴を重ねて50歳となった。
この記事のお蔭で今では大いに救われているとさえ感じている。
終身雇用を所望し、1社に捧げたコストが膨れ上がり、それがサンクコストとなってしまい、取り返そうと必死になり、ますます身動き取れなくなったサラリーマンを横目に、会社を渡ってきた。
会社に人格は無いのに、「会社が決めたこと」と会社さんという人に従い、時には「会社に裏切られた」と怒ったり嘆いたりする悲哀もない。
会社ではなく誰かが決めたこと理解できないのは、視野偏狭の愛社精神の賜物なのだろうか。
19年の年月を経て、ようやく多重転職者に追い風となる時代になってきた。
19年も必要だったのは、会社もサラリーマンも氷河のようにゆっくりとしか動かず変わらなかったからだ。
正社員フリーターはこれからも軽やかにステップを踏んでいくだけだ。
そのステップこそが、多重転職者の悦楽なのだ。

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