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建物より先にみどりを考える「まちなみデザイン」、計画目線ではなく住んでる人目線で
都農町に移住する前からつくってきた、都農町グランドデザイン。
緊急事態宣言やら、ふるさと納税取引停止など紆余曲折ありながら、先月、3年かかって、ようやく町議会議員と町役場課長へ説明、公式な提案に。
グランドデザインといっても定義はさまざま。
ぼくらは「パッと見てわかる、まちの未来の姿」と位置づけました。
建物より先にまちなみ、まちなみより先に住んでる人の行動。
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グランドデザインは決定事項ではなく、未来のまちづくりを町民が話し合っていくためのたたき台、という認識のもと、先月より「つの未来会議」をはじめました。
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2回目はグランドデザインの「まちなみ」に関わる企画・デザインをご一緒してる建築家・造園家の古谷俊一さんをゲストに。
町のみなさんとこれからの「まちなみデザイン」について話し合いました。
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1.みどりの建築術
冒頭で、古谷さんから「みどり」と「建物」の関係について話してもらいました。
これまではまちなみを考えようとすると計画的になってしまう
建築家なり都市計画家が考えた線がそのまま、”まち”になってしまう
みどりを先に考えて、それから建物の設計をしたい
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日本の不動産の考え方が、駅や店舗など商業的価値のあるところが中心で、そこから近いと”いい場所”、になってしまっている。
理想は、たとえば都農高校や各地の拠点が価値を発信しながらまちになっていくこと。
都農町に来るのは今日で5回目ですが、いろんな人に「この場所がいいと思ってる」という話を聞いたり、「ここむっちゃいいじゃん」と感じたところをピックアップして提案をつくりました。
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大切なことは原風景をつくること。
こういう景色が落ち着く、自慢できる、帰って来たいと思える場所。
中心市街地にそうした良さがだいぶ消失してしまっているように見える。
2.都農町のまちなみデザイン提案
古谷さん自身に都農町内を車や歩いて回って、手を加えると効果的で実現性の高い町有地を中心に10箇所ほどポイントを選んで、手書きのマップをつくってもらいました。
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ポイントを抜粋して、提案の背景を話してもらいました。
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町民がプライドをもってる都農神社。
社に囲われた緑の風景は何物にも変えがたい価値。
ただし、神社にいたる橋が味気ない印象。
神社と一体となる参道の景観を演出、木製の欄干や植栽を添えて奥の神社とのつながりを出す。
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インスタでよく掲載される町外の人たちに人気のスポット。
人が集まれる場所、何かをつくるというより佇まいがほしい。
ゆっくりとした時間を過ごせれば良い。
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駅前にしてはちょっとさびしいかなという感想。
駅自体あまり活用できてないが、とはいえやはり顔。
成長のシンボルとなる木々を植えることで駅舎(建築)と一体の風景に。
帰ってきたな、と思える景色
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建物が空をきってる線(スカイライン)、現状は建物だけ。
桜並木や杉の木立があることによって、建物が隠れる。
コンクリートの建築ってかたくてハードで角だらけ。
木々や木陰があると全体の場所の雰囲気、格があがってくる。
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ブドウ棚の下で、日陰にもなって人々が集まる。
「生産=経済が生まれる」+「居ごこちのいい場所」が理想。
つくることばかりにお金をかけるのではなく。
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敷地の広さを活かしデイキャンプ、子どもの遊び場、ピクニックができる
海風に強い植物(松や梅)を植えて、海浜公園の景観を
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中心的な場所ではあるけれど寂しさを感じさせる大きな要因。
大きな屋根の下でパブリックビューイング。
芝生広場でみんなが車座でいろんなものを観たり楽しめる場所。
小さな個店、メジャーブランドではなく、地元の人が自分の材料で自分の興味とかエンジョイできる店舗をつくっていくことと掛け合わされていく。
赤木家は文化財だけど、利活用されている印象が大事。
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最初見た時、衝撃的、こんなのあるんだ!とてもシュール。
メガストラクチャー(人間のスケールを超えた大きい構築物)がずーっとつながっていくと、悪く言うと、自然に対してつらいなという感じ
ポジティブにとらえて、ここを生産の場に変えていく。
竹細工をつくる人たちの工場が構築されていて、竹林を育てる
都農ペレット工場で間伐した竹をペレット化するような循環をつくれれば。
コンクリートの黒ずんだ感じが悲しいなという感じになるので、木々でブラインドができて、寄り添っていくように
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駐車場を遊び場に。ドッグランやキャンプできて泊まれたり。
ワイナリーというコンテンツを活かして、滞在する、時間を過ごせる場に。都農ワインは東京でも知っている人がいるので魅力が増す。
「まちなみ」をきれいに整えて、整備して、誰かが線と絵を描いてつくっていくのではなく、その場を運営する人たちの「こういうふうにしていきたい!」「こんなことできたら楽しい」が先にあって、その考えにデザイナーの考えが合わさってカタチになっていくのが理想です。
3.「散歩」「働く」「休憩」が混在一体
グランドデザインにおいても重要な拠点となる都農高校跡地の活用。
大切なことは、誰もが利用できる混在型と、テナント誘致型というよりは、運営したい地元の人たちと一緒につくっていくスタンス。
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メガストラクチャー、大きな建物が密集して立ってるので風通しが悪い印象
学校の中に果樹園をつくろうではなく、果樹園だった場所に建物があるぐらいの構想
プラス、果樹園の上部に可変型のソーラーパネルを設置して、営農型に。
発電をしながら生業を営んでいける場所に転換できないかという発想。
それぞれの建物は、考え方に合わせてコンテンツをつくって、入居してくれる人たちと話しながら、その場から価値が発信できるような建物に。
「ここは賃料いくらで誰か入ってください」ではなくて、運営したい人たちと一緒に考えていきながらつくっていく。
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白いフレームが果樹棚、その下に車が入っていけたりアプローチできる場所敷地周辺に歩道がなくて、直接、家の前を車が通る印象がある。
敷地側に歩道空間をつくり、歩車分離を当たり前にする。
植栽棚が歩道側にあると日陰になって、暑い日とか歩きやすくなる。
接道部分がまちにやさしいという感じでつくっていきたい。
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働いている人、ブドウをつくっている人、散歩する人が混在一体に。
日陰の空間を楽しめる、その上で発電してブドウをつくる。
可変式で発電効率をさげない。
農作物や植栽に陽があたらなければならないのでパーゴラ・藤棚状のもの。
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中の活動が見えて、屋外の植物も一体となってシースルー。
閉じた空間で誰が何やってるかわからないということではなく。
おおらかで、あそこで休憩しようかという気分になる。
面白いことやっているから入ってみよう。
みんなが働きたくなる、起業のきっかけにもなれば理想。
尾鈴山を見れる。
面積がありすぎるので、少し減築・解体して、公園っぽい雰囲気に
4.住んでる人たちでつくっていく
「つの未来会議」は講演会ではなく会議。
古谷さんからの話を聞いた後、参加者同士で雑談を交えながら、古谷さん、河野正和町長に対する質問を考えて投げかけます。
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最後は、参加者が主体となって「都農町の未来への提案」を記入、発表。
『都農町のまちなみデザインで一番最初に手を付けたい場所はコトは』
小学5年生からも貴重な提案が!
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5.まとめ
まとめとして、古谷さんから都農町のグランドデザインへの意気込みを。
都農町のとりくみって、かなり新しいことができるんじゃないか、可能性がすごくあると思ってます。
すごくデザイナブルでかっこいいことやったってよりも、こういうところ(1万人の過疎化した町)で実現できた景観、グランドデザイン、みなさんの活動がリンクした事例って、いろいろ見てますけどあんまり見たことないので、日本の地方のためにもとっても必要だと思います。
いい景観がすごく少なくなってきているので、逆につくりだしていけるような可能性をすごく感じてます。
今後もみなさんと一緒につくっていきたいと思います。
最後に古谷さんから新しい本の紹介をいただきました。
ぼくの作品だけではなく、他の建築家とかクリエイターが取り組んだ、みどりで本当にいい場所を自分で取材していくつかまとめた本が出版されます。
なにがいいのか、どうやってつくればいいの、ってことを絵にしながら、距離感や緑の種類、日の入り方を解説しています。
つの未来会議
つの未来会議第1回
都農町グランドデザイン
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