無目的でも行ける?かつての中心地ではじめる、小さなまちづくりの実験に必要なこと
まちに中心地は必要なのか?
そんな問いかけからはじめてる、都農町の商店街(通称:旧10号)活性化。
かつては映画館や銭湯もあった都農町の商店街。
シャッター街になって久しく、30代以下の人たちかにとっては、生まれた頃から閑散してるので、ここが賑わうイメージがわかない。。
一方で、40代以上の人たちにとっては、昔の栄華を懐かしみ、ややノスタルジックに。。地方の商店街をめぐって世代間でありがちなギャップ。
いきなり開発しようとしても見当がつかなさすぎるので、まずは、通りの真ん中にある空き地(通称:マーケット跡地)で人が集まるか実験してみてはどうか?と町に提案。
前職で縁ができた、松山市の「みんなのひろば」をベンチマークに。
松山アーバンデザインセンターのディレクターとして「みんなのひろば」など複数のまちづくりプロジェクト推進担当だった尾﨑信さんをつの未来会議のゲストでお迎えし、町長や役場、宮崎大学、宮崎銀行、町民のみなさんと話し合い。
「つの未来会議」初のオンラインでの登壇!!
1.みんなのひろば(松山市)
松山市は、1998年より「歩いて暮らせるまち」を政策目標に掲げ、JR松山駅より城山公園を抜けて、松山市駅(伊予鉄道)、銀天街商店街から道後温泉に至るモデルルートをつくり、市長2代にわたって、沿道でさまざまなプロジェクトを手がけてます。
「みんなのひろば」は、プロジェクトのひとつで4年間の時限的広場。
当時、商業・業務エリアの中心地に公園が2箇所しかなく、ちょっと休憩できる場所が全然ないという市民の声も多く、コインパーキングを広場にして、実験してみることにしたそうです。
静かで美しい広場をつくるのではなく、いろんな人たちが集まりやすく、芝生、ベンチや噴水プール、築山に土管がささってたり、古本交換コーナーをおいたり、とっかかりを増やすことに力点をおいたそうです。
つくってみてどうだったのでしょうか?
イベントもたくさんやったそうで、イベントの担い手をどんどん増やしていくことを目指していたとのこと。
どんなイベントが人気かというと
社会実験のため、どんな効果があったのか検証する必要がありました。
周辺エリアを含めた通行量などの定量評価と、町民アンケートをはじめとする定性評価を実施。
結果は松山市からも公表してます。
「みんなのひろば」について尾﨑さんの振り返り
実際にやってみてよかったと実感することは
一方で、恩恵を直接受けた店舗は1割程度
(たとえば、向かいのクレープ屋さんはものすごく繁盛したとか)
当たり前のことですが、通行量がいかに増えようと、お店は、やはりお店そのものの魅力を高めないと難しいんだなということを実感しました。
2.柳井町商店街(松山市)
もう一つ、尾﨑さんから紹介いただいたのが柳井町商店街。
実務でが関わってたわけではないそうですが、とてもユニークな動きに注目し、仕掛け人の2人と仲良くなられて、いろいろ聞かせてもらったそうです。
典型的なシャッター街だった商店街に、2017年から5年間で10店舗増加
現在も新築の雑居ビルの建設が進んでいます。
尾﨑さんが仕掛け人から聞いたうまくいく秘訣とは。。
尾﨑さんから見て、うまくいく理由は
都農町でも同じですが、店舗併用住宅だと、お店はあいてても住宅として使うため貸してもらえないことが多いもの。
仕掛け人たちは、「商店街やお店をの歴史を引き継ぎたい、この歴史ごとぼくらに貸してください」という言い方で口説き、店主が胸を打たれて貸す、
みたいな。。
3.2つのあそび
尾﨑さんから、最後のまとめとして、これからの中心市街地には2つの「あそび」が必要という話を聞きました。
機能のあそび
あそびの機能
両方必要、組み合わせると、いろんな人にとって楽しめるまちになるのでしょう。
都農町は、松山市に比べれば人口規模は50分の1
たとえば、全長700m前後の商店街の中で、両方の機能をもたせることが必要ではないでしょうか。
コンパクトに、メリハリつけて。
4.必要なキーマンとは?
「みんなのひろば」は、いまでは駐車場に戻っているとのこと。
民間で持続させていくためには、圧倒的なリーダーシップを発揮できる人が何人か必要だったようです。
たくさんのイベントを手がけ、担い手育成をしてきましたが、マネタイズまでできる人はなかなかでてこなかったようです。
これは全国共通の課題であり、やはり、最重要課題はキーマンの発掘と育成だと、会場の参加者も一同合意してた感じ。
柳井町商店街の仕掛け人曰く、シャッター商店街だから立ち上がれたとか。
すでに一番低い地点だとあとは上がるだけ、何やっても楽しいしチャンスだらけという発想になれたそうで、これは都農町の人たちには一番励みになる言葉でした 笑。
5.未来への提案
最後は参加者がそれぞれに思う、商店街の活性化
トップバッターは、商工会長!
演じるとか遊ぶとか文化の発表で人が集まり、交わる。
食などのインフラを整えて、集まった人が消費をして
民間の経済が持続可能になるように。、商売にならないと
そして人を育てる循環で、グルグル回っていくのが理想
なんとかせんといかん!
考えばっかりで、とりあえず、アクションを起こすことが大事。
やってみる!
そして、あの連中は何をやってるんだという問いかけにこたえるよう共有
行政は必要なバックアップを
無目的という目的づくりが必要みんなのひろばみたいなところに、目的もなく行くが大事
その次に、目的のない人に対して、目的となるような店をつくる
力強い、町民のみなさんの言葉を受けて、「つの未来会議」恒例の儀式「未来へのバトン」
バトンを受けた商店街沿道住民で、今年Uターン起業した27歳。
旧10号で生まれて27年間見てきてやりたいことはたくさんあるし、発展してほしい。
ぼくがやりたいことは、タコパ!
1個から食べれるたこ焼き。やってみたい。結構ガチです。
最後に尾崎さんから、現場でご飯でも食べながら、話し合ってキーマンがうまれてくるかもしれませんね。
イベントをはじめ、活動の姿を町の人たちに見せていくことが大事
必ず見ている人がいてクチコミでひろがっていきます。
なにかをみんなで一緒にやって見せていくのは最大のメッセージになります。
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