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【連続不定期更新小説】どうして僕らは分けてしまうのだろう -俺らは人々をものさしで測って分けてしまう-

なんで俺らは人々をグループに分けたがるんだろう。そして、どちらが優れていると決めたがるんだろう。

オフ派、オン派
陽キャ、陰キャ
積極的、消極的
外交的、内向的
……

人はみんなそれぞれ異なる。人々が同じグループに属している場合があっても、それは、膨大なものさしのうちの一つで測ったときに、ある尺度の値が同じだったという意味でしかない。他のものさしで測れば、当然差異が生まれる。俺らは無数にあるものさしの山のなかから、いくつかを引っ張り出して限定されたものを測って、ああだこうだ言い合い、一喜一憂している、にすぎない。他のものさしは、まだいくらでもあるのに。

無数にあるものさしのち、たまたま一つ示された特性に、なぜ俺らはこだわるのだろうか。
どうして無数にある中のものさしのうち、ある一つで測った値で自分や他者の優劣をつけてしまうのだろうか。
そして、一つのものさしで自分が他者よりも優れていたり、劣っていると思ってしまうのだろうか。

みんなが使っているからという理由で、数あるものさしのなかから、何個かを選び、その尺度に当てはまっているか否かで、人を判断する。
そのものさしで測って、平均をひどく逸脱していれば、普通でないとわめきたてる。
平均であれば、普通を名乗ることを許され、胸を撫で下ろす。
そんな評価は、無数にあるうち、たった一つの尺度で示したものにしかすぎないのに。

どうして俺らは分けてしまうのだろう。
答えはでないまま、電車は自宅の最寄り駅に近づいていく。


数あるコンテンツのなかから、本作を手にとって頂きまして、ありがとうございます!

本作は、今の世界と少し似ている、何年か先の未来を舞台にした小説です!
一応7話目ですが、単体で読んで頂いても大丈夫な内容にしています。

次のお話はこちらです!

6話目は以下から読めます。読んで頂けたら嬉しいです!


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