まるっと補い合って、まるっと自分をそのまま認める!保育まるっと 代表 清田由香さん
”人の輝きを見つけてそれを育てる人” として、保育をはじめとしたさまざまなご経験の中で培われた想いと、その志を胸に、子どもやその周りにいる大人のみならず、日本の可能性までもを育て、寄り添い、命が輝けるようサポートされている ”保育まるっと” 代表の清田由香さんにお話を伺いました。
プロフィール
出身地 広島県福山市
活動地域 神奈川県横浜市
経歴 幼稚園教諭や保育士を経験後、保育園の運営管理職で先生達のマネジメントを経験。大人から子どもへの声かけの重要さを感じる度に、子どもの個性を認められないのは大人自身の心から来ている声かけだという事に気付く。自身が保育業界で適応障害になった経験から、その後リラクゼーションサロンに勤め大人の心を見つめる重要さを知る。
現在の職業および活動 現在はベビーシッターと保育士を掛け持ちしながら、保育者カウンセラーを目指し心理学を学んでいる。まるっとのイベントでは、自身の心理の知識を噛み砕いて、分かりやすくワークに落とし込み、人が本当の自分の心に気付く大切さを伝えている。
みんな違ってみんないいがモットー。
座右の銘 一期一会
記者 よろしくお願いします。
清田由香さん(以下、清田) はい。よろしくお願いします。
「まず大人が自分の可能性に気づくこと」
記者 "保育まるっと" の代表として、現在はどのような活動をされているのですか?
清田 保育者さんの心のサポートをしています。今はどちらかというと保育士さん向けのサポートがメインになっていますが、子どもの周りにいる大人をサポートしていきたいので、もちろんお母さんたちなども含まれます。
私は保育の仕事をもう10年以上しているので、物事を噛み砕いてわかりやすく伝えるのが得意なんです。なので、その特技や今までに学んできたものを活かして、毎月イベントを開催しています。
記者 どのようなイベントなんですか?
清田 参加者さん同士がワークを通して、自分の思いや気持ちをシェアしたり、気づきが生まれるような内容です。現代は忙しい人が多いので、立ち止まって自分を見つめる大切さを伝えていきたいと思っています。
例えば、今自分がどんな感情を抱いているのか、マイナスでもプラスでもいい、どっちに今傾いていて、なぜその気持ちなのか、自分の大切な価値観を一緒に見つけられるようなワークやイベント創りを心掛けています。そしてワークの後にはみんなで一緒にご飯を食べて、お酒も入れながらざっくばらんにお話をして楽しみます。
記者 どのような想いではじめられたんですか?
清田 保育の仕事をしていると、自己肯定感の低い子供がいるのはなぜか、それとその周りにいる大人が自己否定しているのはなぜかって思うことがあるんです。だから、まず大人が自分の可能性に気づき、自分はこれでいいんだって自己肯定感を持つことが一番大事なのではないかとずっと感じていました。それで今までいろんな経験をしてきて、自分の志を形にしたいと思ってやりはじめました。
「日本中に自己肯定感が広がる」
記者 どんな志なのか聴かせてもらえますか?
清田 「みんなちがって、みんないい、あなたはそれでいいよ」を世の中に伝えることです。保育者さんにそれが伝わることで、子どもたちへの声かけの質が変わると思っていて、そこが私たちのミッションだと思っています。
保育者さんの中には、否定語を使う人が結構いるんです。「なんでそんなことするの」とか、「それしちゃ駄目でしょ」とか、でも私からみるとぜんぜん駄目なことなんてしてないんです。疲れているというのもありますが、やはり、保育者さん自身の心の状態が声かけに現れていると思っていて、そこを変えていきたいんです。
記者 声かけの質が変わることで、社会がどのように変化すると思いますか?
清田 「自分はこれでいいんだ」という自己肯定感が社会全体に広がり、まず自殺者の数が減ると思います。日本社会にはまだまだ自己肯定感が不足しているので、特に保育者さんたちには、一人ひとりの気持ちに寄り添って、一緒に乗り越えられるようサポートする必要が絶対にあると思っています。それによって子どもたちの自己肯定感も高まるはずです。日本の将来を想うと、子どもは未来の宝だと思うんです。
そして、ゆくゆくは今の活動をもっと発展させて、保育者さん向けの心や人間関係をサポートする研修会社にしていきたいと思っているんです。
「日本の保育は凄いんだ」
記者 社会全体の変化が実現したときにご自身は何をやっていると思いますか?
清田 日本は凄いんだって!講演したいですね。本来の日本は自己肯定感の高い国だと思うんです。私は大好きだったお爺ちゃんから戦時中の話をよく聴いていたんですが、日本人の精神性の豊かさと強さは、本当に凄いと思うんです。想いをもって人に接して、人を助けたり、優しくしたり、命を懸けて誰かを守る気持ちとか、そういった想いの強さは日本人が一番強いんじゃないかと思うんです。家族や祖国を守るために命を懸けて突っ込んでいくなんて、こんなに強い国はないと思うんです。
そんな強い日本が戦後のGHQ政策によって変わってしまっているのが、もの凄くもったいない!!
私たちの祖先は凄いんだ!あなたは凄いんだよって言ってあげたい。保育を通して日本を元気にしたいんです。
「命が輝く瞬間を見つけるのが好き」
記者 そもそも保育士になろうと思ったきっかけは?
清田 もともとピアノが好きだったので、ピアノができる職業を探したのがきっかけです。私は昔から面倒見がいいタイプで、近所の年下の子の面倒をよく見ていたんです。あと昔から人に優しくしたいと思っていたし、その人の可能性や輝きの種を見つけるのが好きだったんです。みんなが悪いと言ってることでも、私は「えっ、それでいいじゃん」って言ってあげるし、言ってあげたい。その考え方が子どもに対しても通ずるなと思ったんです。私は人を観察するのが大好きなんです(笑)。特に子どもを観察すると本当に面白いですよ。
記者 どの辺りが面白いんですか?
清田 例えば、保育園で子どもが椅子を入れようとしていて、机に引っ掛かってしまってなかなかうまく入れられません。でもその子はやりたいからずっと椅子を入れようとするんです。そこで余裕のない先生は「早くしなさい」って言うんですが、私はそこを見るのが好きなんです。「がんばれ、がんばれ」ってそっと見守って、椅子が入った瞬間に子どもが私の方を見るんです。「できたね」っていうと「うん」って頷く(笑)。その瞬間が絶対的に大事な瞬間だと思うんです。キラって光る瞬間というか、命が輝く瞬間で、もの凄くいい笑顔をするんですよ。
やろうとしている気持ちが成就されたときの達成感と、それを一緒に共感してくれる先生が近くにいることは本当に大事だと思う。保育園や幼稚園にはそういった瞬間がいっぱいあるんです。でもそれって大人の心が疲れていると見えないんです。子どもの可能性を活かすのも潰すのも先生次第だと思っています。
「こんなにもパワーが出るなんて」
記者 今までの人生での一番の変化ポイントは?
清田 保育の仕事から一旦離れて、リラクゼーションサロンで働いていたことがあるんですが、そのときの経験が一番の変化ポイントです。はじめ大学を卒業し、幼稚園で働いていたときは「私の言うことを聞きなさい」みたいな軍隊的な保育をやっていて、こんな保育をしたかったわけじゃないと思い、人間関係もあまりよくなくて、適応障害で倒れちゃったんです。
その後、リラクゼーションサロンで働くことにしたんですが、仕事復帰がめちゃめちゃ怖くて、電車に乗るのも震えていたくらい仕事や人間関係が怖かったんです。でも、たまたま働くことになったそのお店の店長さんが全国指名No.1の店長で凄い人だったんです。人の心を認める人でチームでやっていたんですが、みんなの個性を大事にしてくれる人でした。
はじめ私はまだ受付しか出来なくて、内心はビクビクしていたんですけど、顔はいつも笑っていたみたいで「入ってきたばかりなんだから、それが出来ればいいんだよ」って言ってくれました。「笑っていればそれでいいから」って言ってくれて、その言葉がすごく刺さって、こんな私にも出来ることがあるんだって思えたんです。
それから私はめちゃめちゃ頑張りました。人に認められること、寄り添ってもらえることで、こんなにもパワーが出るんだと自分でもビックリしました。そこから心を知ることと、お客さんに寄り添うことを徹底的にやったら前の月まで全国1008位だった結果が、その月は全国4位にまでなれたんです。
店長との出会いによって「こんな私でもいいんだ」って自分を認めることが出来ました。リラクゼーションサロンに勤めて、そこで心を知ったというか、自分の心を受け止めることや内面を知って、それで保育の世界に戻ったんです。
幼稚園で働いていたときは、まわりの先生の評価ばっかり気にして、すごく子供を怒っていたんですが、評価を気にして保育をしている自分や個性を大事にしていない自分が嫌でした。だからこれからは一人ひとりの個性を大事にして、その人の輝きを見つけて、その可能性を育てるような保育をしていきたいんです。
"保育まるっと" の意味は、まるっと補い合って生きる。まるっと自分をそのまま認めるということで、十人十色、それぞれでいいじゃないという意味なんです。できないところは人にやってもらえばいいし、頼りながら生きればいい。それが人間なんだと思います。
記者 店長さんとの出会いが大きかったんですね。まさに人との出会いで人生は変わりますね。保育を通して日本を元気にするという夢がいち早く実現できるよう私も応援したいです。本日はありがとうございました。
清田由香さんに関する情報はこちら
↓↓
◇きよたゆかホームページ
◇メールアドレス(保育まるっと) : hoikumarutto@gmail.com
◇Facebook
【編集後記】
今回、インタビューの記者を担当した、見並、田中、石塚、阿久津(カメラ) です。
常に人を可能性でみて、ありのまま包み込むように寄り添って、認めてあげる。これぞ教育者のあるべき姿だと思いました。「命が輝く瞬間をみるのが好きだ」という清田さんの言葉が印象的です。子どもに対しても、その周りの大人に対しても、そして、日本に対しても、命の輝きを常にみている方なんだと思いました。清田さん、貴重なお話をありがとうございました。
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