見出し画像

日本人の給料が上がらない理由

【マガジン2020年1月号300円で販売中、1/30投稿目】

日本人の給与が他の先進国と比べて割安なってきています。日本で日本人が作った物を海外へ輸出するなんてことも起き始めています。

なぜこのようなことが起きているのか。解説していきたいと思います。

■給料はどうやってきまるのか。


労働者は自分の命の時間、労働を対価に給料をもらいます。資本家側は、給料を対価にサービスや製品を得て販売する、その差額が利益になります。
資本家側からしてみれば、給料は低く抑えておきたいのです。すると、平均的な生活水準を基準に給料が決まっています。
毎月ギリギリの生活で全然貯金ができない。なんて方、その通りなんです。
そもそもの賃金設定がそうなっていないからです。
また、労働者1人1人の能力・成果に対して支払うという考え方が無いのです。
これは、日本の社会が「製造業」をベースになっているからとも言えます。
その人が居なければ製造できないものだと、会社の存続に影響し兼ねないので、誰でも作ることができるようにしました。これは、いい面もあるのですが給料という観点からすると、上がらない理由になってくるのです。

■終身雇用による弊害


日本の会社は、終身雇用が一般的です。問題を起こしてもいない人をクビにしにくい習慣が存在します。
戦後、不安定だった日本が安定を追い求めた結果ですが、なぜ終身雇用が給料を上げられない要因になるのか。

会社側が長期雇用を前提とする場合、給料というコストは、固定されます。しかしリターンは、保証されていません。この場合、会社側は給料を安く抑えておく必要があります。
会社の状態に応じて、いつでも解雇できる状態だとすると、労働者側にリスクが伴います。長期雇用と同じ給料で働く人は、いないでしょうそうなると給料を多く払うことになります。
海外の企業は、後者によって給料が高く設定されているのです。

また、事業の失敗や時代の変化に対応する場合、終身雇用が足枷になってしまうのです。人員を削減したり、新たに教育を行ったりしなければいけません。その時に人員を減らす、入れ替えるという選択が企業側にないのです。

■下方硬直化を前提とした上方硬直化

硬直化とは、なかなか動かないこと。年功による給料アップを除けば、「給料を下げられないから上げられない」状態です。
労働の成果に応じて給料を変えられるのであれば、給料も上げやすいのですが、日本人は、給料が下がることを極端に嫌うため給料に見合う結果が出ていないときでも一定の給料を支払わなければいけません。(私は、頑張っているのにと反感を覚え、辞められてしまう)
このような状況にあるとき、もともと低めに設定して、そこから変化させない方がいいと経営者が考えるのは当然です。

■曖昧でいい加減な人事評価


会社員の人事評価は、年1回~2回、書類提出と数分の面談で決まります。管理職も提出期限ぎりぎりになって急いで行うなんてこともあります。
そんな状態で何十人、何百人もの評価を決めていてはあてになりません。

野球選手のように、個人の成績が数値として出てきているのであれば、去年の年俸と比較して上がったり下がったりできますが、会社員はそうもいきません。仕事の成果がチームやグループでの結果になるので、その人個人だけの貢献によるものかどうかは、わからないのです。そのためには、分析や日々のコミュニケーションを行う必要がありますが、会社側が管理職に対してそれを求めていません。5段階の評価であれば、4~2で評価しておけば問題ないだろう。その程度の考えと時間しか割いていないのです。

1年間を評価する際に、昨年の要望が達成されたかどうか。できていなければ減俸や退職などがある。達成されていれば昇格や昇給なんてことがあれば、必死に頑張ると思うのですが、上司も部下もなあなあで、年功序列で給料が上がるので必死に頑張る人がいなくなっていきます。最初は頑張っていても頑張るだけ無駄だな。となってしまうのです。


次回、『日本人が給料を増やすには』で続きを書きたいと思います。

記事を読んで頂きありがとうございました。
スキ&フォローをしてくれるあなたが大好きです!
毎日投稿しています。明日の記事もお楽しみに!

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

いただいた支援は、えんとつ町のプペル光る絵本展2日間無料開催のための経費として使わさせていただきます。