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もしも福岡から「夏フェス」がなくなったら

Sunset Liveが中止になった。
1993年から始まった、福岡でも老舗のイベント。9月のはじめに2日間開催される、全国で比べると遅めの夏フェスだ。
過去に台風による1日のみの中止はあったそうだが、開催自体の断念は初めてのようだ。

ここ数年足を運んでいたSunset Live。というのも、大好きなRHYMESTERが出演する、一番近場の夏フェスだから。
福岡の最も西にある糸島市。市街地からもっと奥に入った海水浴場が会場。目当てのアーティストやバンドを観に・聴きに来た人が1つのステージに集い、手を挙げ、声を出す。身体を揺らす人、涙を流す人もいる。

福岡の有名な飲食店をはじめとしたフードの屋台がいくつも出ており、疲れたら食べ物や飲み物を食べて休む。
砂浜に設置されているステージがあり、すぐ隣には海がある。木が生い茂った森のようなステージもある。水着ではしゃぐ人もいれば、木々の中でレジャーシートを敷いて座り、ゆったり過ごす人もいる。
一つの場所、一つの夏フェスなのに、ちょっと歩いて移動すれば全く違う楽しみ方をする人で溢れるごちゃ混ぜの感じが大好きだ。

そのSunset Liveが中止になった。もちろん原因は昨今の新型コロナウイルスだ。予想はしていたが、9月開催であれば望みはあるのかと思っていた。中止はしょうがないと思いつつ、ショックは大きい。

福岡の大きな夏フェスの1つ、NUMBER SHOTも開催中止になった。

他にも福岡の夏フェス・音楽フェスと言えば、宗像フェス・中洲ジャズ・MUSIC CITY TENJINなど複数ある。しかし、既に中止が発表されているものもあり、開催の見込みは少ないのではないだろうか。

開放感溢れた場所での開催だが、アーティストを観る際の密集・密接は避けられない。飛沫なども考えると、安全面の配慮から中止することは当然のことだと思う。

さて、Sunset Liveが中止となった今年の9月。自分はどう過ごすのか。
現実的に考えると、おそらく仕事だろう。土日も関係なく業務がある仕事柄、夏フェスのために休みを取得しなければ、オフィスに勤務して仕事をする可能性が高い。

同じように参加する予定を入れていた人はどうするのだろうか?他県の夏フェスに行く?他県で開催しているものがあれば良いけれど、今年は同じような状況に見舞われるところがほとんどだろう。

最近ではfortniteでバーチャルライブが開催されたり、動画配信サイトを使ったリモートライブも開催されている。今後ライブを楽しむ形の1つとしてはとても良い。ただ、家でフェス会場ほどの開放感が得られるかというと・・・・・・という感じだ。

音楽を取り巻く環境は、CDなどの販売よりもコンサートやライブなどの市場規模が注目され、体験にお金を払うようになるというのを聞いたことがある。
サブスクなどの定額聴き放題サービスがじわじわと日本にも浸透しているが、今年、今のような事態を前にして、ようやく実感する。
確かに夏フェスという「体験」に対してお金を払い、休みを作っていたのだ。

もしも福岡から「夏フェス」がなくなったら。自分はおそらく仕事をするのだろう。福岡に住んでいる人、福岡の夏フェスに参加するつもりだった人はどうするのだろうか。
安全な状況の中でいち早く再開されることを切に願い、応援しつつ、色々なことが体験できなくなりそうな福岡の夏をしみじみと考えている。

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