今こそ読みたい新訳武士道

今回読んだ本は新渡戸稲造さんが書いた「武士道」を現代人にわかりやすく翻訳した「今こそ読みたい新訳武士道」です。


僕は日本人ですが武士道について改めて何かと考えても具体的なイメージが出来ませんでした。そこで武士道とは何かを知りたくてこの本を手に取りました。


今回は3つの観点から武士道について説明します。

武士道の起源


武士道とは武士の守らなければならない掟であり、身分の高い戦士がその職業と日常生活で守らなければならない道徳でした。
また、武士道の起源は「仏教」「神道」「儒教」から来ています。


・仏教
運命を穏やかに受け入れて静かに従う。
機器や災難に直面しても心を平静に保つ。
生に執着せず死を受け入れる。

・神道
主君に対する忠誠
祖先に対する尊敬
親に対する孝心

・儒教
知行合一(知と行は常に表裏一体。全ての知識は毎日の行動で示す)

武士道とは


武士道とは大きく分けて7つの要素から成り立っています。


・義
誠実と正義を示し、武士道の土台となる教え
決断する力
死なねばならぬ時には死ぬ
戦わなければならぬ時には戦う

・勇気
勇気とは正しいことを実行すること
大義の勇(正しい道徳を行うための勇気)と匹夫の勇(浅はかな血気にはやる者の勇気)の違い
外から見ると冷静沈着である、落ち着いた心が見えること

・仁
人の苦しみを感じる心
民を治める者が必ず持たなければならない最高の徳

・礼儀
他人の気持ちに対する思いやりが形になって表れた物でなければならない
親切、妬まず、自慢せず、傲慢にならず、相手を不愉快にさせない。自分の利益を求めず、怒らず、恨みを抱かない
他の人の感情を思いやる優しい気持ちで行うもの


・正直と誠実
嘘をつかず言葉を曖昧にしない
心さえ誠実であれば神様に祈らなくても神様が守ってくれる
度が過ぎた礼はご機嫌取りになる

・名誉
自分の品位と価値を意味するもの
怒りと欲を捨てて初めて心は楽しむ
人を相手にしないで天を相手にする。自分の全力を尽くし、人を咎めないで自分の誠の足りたいところを探す

・忠義
主君や目上の者に対する忠誠
国家は個人に優先する
国歌でも歌われている「細石の巌となりて 苔のむすまで(細かい石の塊が、硬く大きな岩になって、その上に苔が生えてくるまで、永遠に続く)」
忠義な家来は主君と意見が分かれても、主君を正義に導くよう説得し、説得できないときは主君の意志に自分を任せる

自分なりに考えた武士道


内容を振り返ると現代社会でも十分に使える事が沢山あります。人に対する思いやり、正直でいること、これらも武士道の中にあります。

また、ビジネスのシーンでは上司に対しても意見を言う、人との争いではなく自分の能力を高める、これらは活かすことが出来ます。

また、武士道とは日本における武士に対する道徳教育でした。グローバル化が進む中、他国の道徳教育についても調べてみたいという気持ちになりました。

番外編

ここでは読んでる途中に気になったことを呟きます


・騎士道
本書の中で武士道と比較されている。詳しくはわからないので騎士道についても調べてみたい


・士農工商
この中で商人が1番身分が低いとされていた。封建時代は武士は金銭を軽蔑するように教育されており、現代においても金儲け=悪という気持ちは多少なりとも残っているのでは?

・日本人は感情を表に出さない理由
本書では日本人が感情を表に出さない理由として、本来日本人は感情が豊かすぎるので抑えないと感情を出しすぎてしまうからだと記載されている

・切腹
腹を切るのはそこに魂と愛情が宿っているから。
自分の魂が宿るところを開いて見せる。汚れているか清らかかあなたの目で確かめなさい。
名誉が失われたとき死ぬのは救い
死は不名誉を避ける場所
切腹とは自分の罪を償い、友を救い、自分の誠実さを証明するためのもの
しかし無闇に切腹すれば良い物ではない。死に急ぐことは武士道では卑怯と思われていた

・刀
力と武勇の象徴


・西洋のレディファーストの起源
アメリカの植民地時代、女性が絶対的に不足していたので男性が女性を丁重に扱わないと教養があると思われなかった

最後までお読み下さりありがとうございました。

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