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一日のスタートを絵本で始めると、朝の支度が楽になる。

子供が保育園や幼稚園へ入園すると、朝の支度がとても大変になります。
幼い子供を時間に間に合うように準備させるのは、想像以上に大変な仕事です。
私は、一日の中で一番辛い時間が朝でした。

なかなか起きない娘に何度も声をかけ、最後には「もう起きなさい!」と怒鳴ってしまうこともありました。
兄弟がいないせいか、食べるのも遅く急ぐことが出来ません。
食事に一時間かかりました。

マイペースすぎる娘の一挙一動にイライラし、トゲトゲした言葉ばかりかけてしまい、幼稚園へ送り出し帰宅した頃にはエネルギーは空っぽでした。

支度の疲れと嫌な気分は何時間も続き、つかの間の一人時間の後、あっという間に娘が帰宅。
今日も笑顔で送り出すことが出来なかったと反省してばかりでした。


幼稚園(徒歩10分)の9時登園でも大変だったのに、小学校へ上がると更に一時間早く家を出なくてはならなくなりました。
最初の数日でギブアップ。
何とかしなくてはと考えて思いついたのが、子供を絵本で起こすことでした。

娘には、赤ちゃんの頃から、寝る前に絵本を読み聞かせしていたのですが、絵本が好きすぎて、眠くなるどころか頭が冴えてしまい、その後15分ほどおしゃべりしてから寝るというのが、我が家の習慣でした。

これほど好きな絵本なら、朝気持ちよく目覚めてくれるかもしれない、そう思って始めてみました。

試してみると効果てきめん。
朝、何の苦労もなく起きてくれるようになったのです。



まだ眠っている娘のところへ、絵本を持って近づきます。

「絵本の時間ですよ~♪」

と大きな声で話しかけながら部屋へ入っていくと、すぐに反応します。


絵本の良いところは、絶対に目を開けてくれることです。
眠そうにしている時は、
「目をつぶったままでもいいから聞いていてね。」
と声をかけるのですが、これまで目を開けなかったことがありません。

絵本を読み聞かせしていると、少しずつ目が覚めてきます。
読み終わってもまだ眠そうな時は、話しかけながら、何かお話しするように仕向けます。
おしゃべりすると、頭が起きてくるからです。
会話しながら、少しでも楽しい時間を過ごすことが出来たら完璧です。

後は、手を引っ張ってあげて起こせば完了。
とても気持ち良く起きてくれます。


この方法で起こすようになってから、驚くほど朝が変わりました。
思いがけず、あらゆることが上手くいくようになったのです。



早く起きることが出来れば、その後の準備も余裕が出来て、気持ち良く送り出せるだろうと思っていました。
でも、効果はそれだけではありませんでした。
自分の心がとても穏やかになっており、娘が不機嫌になることも、イライラをまき散らすことも消えていったのです。


答えは思わぬところにありました。

脳科学の分野では、今このような研究がされているそうです。


「朝、HAPPYと思うと、一日HAPPYが続く。」



一番最初に使った脳の部分を使う癖が、その後もずっと続くのだそうです。
だから、朝一番に脳にHAPPYを感じさせることが大事だということでした。



この話をテレビで耳にした時、そういうことだったのかとやっと答えを知ることが出来ました。
朝の絵本にこれほど効果があったのは、スタートをHAPPYで始めたからでした。

娘が幼稚園の頃、イライラと怒りで一日をスタートさせていた私は、一日中その気分を引きずってしまい、なかなか抜け出すことが出来ませんでした。

朝、家を出るまでずっと元気がなかった娘。
嫌な気持ちのまま起こされて、小言を言われ、笑顔もなく急き立てられる朝。
そんな朝に機嫌がよくなる訳もなく、娘にとっても毎朝憂鬱だったことでしょう。


絵本を読み聞かせして起こすことを始めると、いつの間にか夫も隣に来て一緒に聞くようになりました。
時には読んでくれることも。
川の字の真ん中が大好きな娘は、朝から最高に幸せな時間を過ごすことが出来るようになり、朝はとても楽しい時間に変わりました。

小学校に上がってまで、子供を甘やかしすぎなのではと思われる方がいるかもしれません。
でも、いつか必ず一人で起きる日がやってくるのだから、子供時代にしか経験できない「起こしてもらう幸せ」を、出来るだけ長く経験させてあげたいと思っています。

自分達が亡くなった時、心を慰めてくれる温かい思い出になればいいなと思って続けています。



今は共働きの家庭がとても多いです。
自分が出勤するための身支度もしながら、子供の登園準備までするというのは、とても大変なことだろうと思います。
子供の支度で苦労していらっしゃる方がいたら、ぜひ絵本の読み聞かせをしてほしいと思っています。

時間がないから絵本を読むなんて無理と思うかもしれません。
でも、5~10分の時間を作るだけで、幸せが倍以上になって返ってきます。
数分で終わる赤ちゃん絵本でもいいんです。

続けていくと、次第に子供の寝起きが良くなります。
起こすためにかかっていた時間が短縮されるので、以前よりも時間が増えたように感じます。


娘は、「絵本をゆっくり読む時間がほしいので、もっと早く起きたい。」
と、言うようになりました。

あれほど布団から出られなかった娘が、こんなに変わるなんてと驚いています。
朝の支度で手が離せない時は、自分で起きてくるようにもなりました。


習慣になると、朝晩の絵本は必ず読んでほしいとねだられるので、眠い時や忙しい時に辛いこともあるのですが、出来る限り頑張ってきました。

そのおかげか、娘はとても本好きになり、本から得られたものは数えきれないくらいあります。
頑張って良かったと心から思っています。

特に前の晩叱り過ぎてしまった時など、朝の読み聞かせは仲直りする良いきっかけにもなりました。


絵本は夜寝る前の読み聞かせだけではなく、ぜひ、朝も読んであげて下さい。
きっと楽しい未来が待っているはずです。



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