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距離の中にある鼓動 / 演劇『嫌いだ』@下北沢スターダスト

舞台とは文字通り「台の上で舞う」ということで、その意味で今回刮目したのは「演劇」なのだと思った。何故ならステージが無かったから。別にどちらがどうとか優劣は無い。
向かい合わせに並べられた客席の右側と左側に演じる場があり、役者がそこを行き交う。所謂"商業演劇"で育ってきた身としては斬新だった。

60分間で2個の短編オムニバス。同じフレーズや役者さんも出てきたけどリンクはしてないのだろうと解釈。
1つ目は、同期の結婚を祝いサプライズメッセージを録ろうとするアラサー3人女子(あのレベルの低さは女性ではなく女子…)の話。
2つ目は、しがらみの中で書きたいものを書けない脚本家の話。

1つ目の話で記事1個書けるくらいには言いたい事が沢山あったのだけど笑、同期へサプライズでお祝いメッセージを録ろう!なんてダンスまで練習しながら、旦那の名前が分からないなんてこと現実にある??いくら家族だけで式を挙げるから招待状を貰ってないとは言え、それを聞けない関係性って何?とめちゃくちゃ腹が立った。笑
あれが友人ではなく同期の距離感だなと痛感。三又又三ちゃんは良い子だと思うけど笑、他の2人は其々のこと「嫌い」なんだなって、少なくともあの時間では思わされた。
真面目ぶった眼鏡の女が一番たちが悪く(役者さんは悪くない。役の話。)旦那はヨウヘイって決めつけた挙句に慰めてみせたりするの本当に性格悪いなと思った。あと人へのメッセージで自分たちを売り出そうとする所。ご家族だけで式挙げるって言ってるじゃん誰にアピールしてるんだよ。笑 ヨウヘイの彼女も絶対他の人のこと見下してるし。友達だったらもっと大人の気遣いができると思うし、台詞の端端は同世代として共感できたけど、とにかくレベルの低い女子達だった…。
家に居るヨウヘイの「嫌いだよ」(YOはタイミング悪い笑)は好きの裏返しだなって、解った気になったけど、本当の所はどうなんですかね。
あと、片親と倹約家は関係ないよ。(壮大なブーメラン)

他方、脚本家の方の話は、書いた脚本の通りに役者が動く様を観れたのは面白かった。そうやって頭の中で動かしながら書いてるのかなぁ、とか。正直、藤原竜也が出る脚本を書けるとか大チャンスじゃんって思ってしまった自分も居る。笑
エゴが出せるまでの地位獲得の過程とか、様々なしがらみとか(映画だけじゃなく社会の一員として働いていても理不尽な事は死ぬほどある)面白がりながらも切なさと、考えたくなる材料を受け取った時間でした。
藤原竜也芸が熱くてだいぶ笑わせて貰いました。

何かになりたい内は何にもなれない。
昔すきだったアーティストが放った、時々思い出しては悶え苦しむ言葉。
嫌いになりたい内は嫌いになれない。意識している限り、捨て切ることが出来ないから。即ち執着の有無、好きの反対は嫌いではなく無関心。アンチも俺のこと考えてるんだよね、と言い放った手越祐也の真理。笑
嫌い[にもなれないの]だ、と強く思わされる時間だった。(特定の役者さんとかじゃなく全体的な話です。)

現場の良さは観に行く目的も然り、同じ対象を好きな人達が集まる所にあると思う。初めて某ジャニーズのコンサートに行った時、ここに居る数万人がみんな彼らを好きなのかと思ったら震えてしまった。それはどんな規模になっても、音楽とかスポーツとかジャンルが違っても言えることで、全員が知り合いな訳じゃないんだけど、その空間はとても尊いなと思っている。

良い俳優にはお客さんがつく。好きな人が出ていたら観に行く。その上で良い脚本、良い役に当たっていたらとても嬉しい。見つけてくれて有難うって思う。

勝手に観に行って渡したいもの渡して貰いたいもの貰っただけだから笑、みんなに有難うと言葉を綴ってくれた長屋さんは、出逢った1年前と変わらず真摯だなと思いました。久々の嬉しい再会が幾つもあって幸せが増した2日間。伝えるのは躊躇ってしまったけど、これまでの有難うとごめんなさいを込めて。遠くからしあわせを祈っています。



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