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同族会社に勤める者の葛藤と責任


日本においては全企業の95%程度が同族経営と言われており、経済における同族経営の重要度は非常に大きい。

私が勤めている会社も、創業100年以上で同族経営である。

代々の社長や事業部長、企画部長は創業家出身者から選出されている。

そういう会社に10年を超えて務めていると見えてくることがある。

・独特の人事

創業家の人間は出世のスピードが段違いに早い。

そして実績とはほとんど関係なく昇進していく。

たとえ傍から見たら失敗したとみなされるプロジェクトを担当していたとしても、次の瞬間には出世している。

才能や素質とは関係ない、”血の力学”が存在している と感じさせられる。


効能もある。

・派閥のような社内対立がない

社内には良くも悪くも派閥らしきものがない。

将来的な社長は決まっているので、社長になるための抗争・競争といったものがないからだと思われる。

・決断が素早い

重要事項の決裁権は創業家にあるため、ほぼ即断即決だ。

これは良くも悪くもスピード感を早めている要因の一つだ。

押さえるべき人物が明確なのもわかりやすい。



今でも会社の業績は絶好調である。

コロナの世の中においても受注は伸び続け、工場はフル稼働で対応し続けている。

株価は伸び続けており、大株主は当然創業家なので、経営の足元は万全だろう。

最近はオフィスの建物を更新しまくっているが、キャッシュは潤沢なようである。

つまり、今後も創業家が社内の上層部を占める様相は変わる気配など微塵もない。


このような状況から、私が思うようになったのは、付いていく主君は自分で選ばなければならない ということだ。

創業家が経営の才能に満ち溢れた人物を必ず輩出し続けるという絶対の法則は存在しない。

つまり社長にふさわしくない人物が社長に就いてしまう というリスクは常に存在しているといえる。

上司を部下は選べない などと言われたりするけれど、ダメなものはダメ という時はある。

自分の人生は自分のものなのだから、付いていく主君は自分の責任で選ばなければならない。


最近、社長が代替わりした。

付いていきたい主君か、付いていける主君か 時間をかけて見極める必要があると思う。

そして、いざというときに会社に頼らない”生きていける力”を自分自身に身に着けていきたい。


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