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けにゃP 5th single「どうか」

右も左も分からず、体当たり精神でボカロPとしての活動を始め
初めて楽曲を投稿したのは2年前、2021年8月31日。
間もなく私は、活動2周年を迎えます。

その中で先日リリースした新曲「どうか」について
セルフライナーノーツとして、想いを綴ります。


■制作背景(制作に至ったきっかけ)

私の現在の公開ペースは年2回、半年スパンです。
正直言うと筆が遅いかと思います。この辺りは今後うまく改善するとして、
実は前作「Sink Into You」で初めてイベントに参加しました。
ボカロPにとっては最大手イベントとも言うべき「The VOCALOID Collection」です。

何千ものクリエイター様が一斉に新曲を公開するイベント。
正直言えば人脈も浅く、及び腰極まりなかったのですが、
ルーキーとしての期限も迫っていることもあり、何事も経験。
スキルアップとして挑みました。

その中で得た経験は、実は私としては物凄くて。
再生回数をはじめとするリアクションは倍以上になり、フォロワー様は急増。
そして何より、一気にクリエイターの方々との距離が縮まったというべきか。
物理的、大人同士としての適切な距離はありつつも
「迎えてくれる方々」の存在を確かに感じました。

それは私にとって、孤独な日々の中での癒しにもなり
制作意欲の向上にも繋がりました。
また動画鑑賞の機会も圧倒的に増え、自ずとインプットが増えるばかり。
アウトプットへの熱に駆られながら今春に続いて参加したのが
ボカロV系カバー2023春。
その時の記事は、以下をご参照ください。

カバー曲の制作を経て、原点を再確認しつつ
制作への熱意が高まり、ルーキーとしての卒業が近づく日々。
同タイミングで訪れたのが「ボカコレ2023夏」。

・今の自分で、原点を意識したオリジナル曲を作りたい
・作品を聴いてくれている方々に「これが自分のルーツです」と伝えたい
・最大手イベントの参加経験を経て、寄り道でなく自分の中での王道で挑みたい

そこから自ずと生まれたコンセプトがこちら。
「90年代のJ-ROCK、ビジュアル系サウンドをVOCALOIDで表現すること」

●基本構成

骨組みとなる構成は、ゴールデンウィークの最終日に一日でできました。
制作時に決めたルールは以下の通り。

・サビは4536進行を使う
引き出しもまだ少ない中で、全力投球するにはやはりこの王道進行を。

・メロディーにエモさを与える
とある教材にて「ソ#」(Cメジャーの場合)がいかにエモーショナルかを問いた記事を発見し、是非体現したく今作でトライ。
クリエイターの方々は既知の事項かとは思いますが…目からウロコでした。

・短三度転調を用いる
スコアを古本屋で購入し、ディグリーネームを書いてメモるのが数少ない私ですが、J-POPは調べれば調べる程、短三度転調が多用されていることを実感。
私なりに王道へのアプローチを体得すべく、採用に至りました。

・Bメロ途中で転調する
2年前にDo As Infinityの楽曲のスコアを見ていた時に、Bメロでふわっと
転調する曲があるのですが、当時はもう頭が追い付かなくて。
「こういうのはもっと経験を積んでからにしよう…」と当時は泣く泣く諦めたのですが、今なら実践できるかな?と。

その中で生まれた、ピアノとメロだけの簡易デモを5月中はずっと再生し、繰り返し構想を練る日々が続きました。

●アレンジ

6月上旬より着手。
楽曲のコード進行って、正直なところ大衆音楽の界隈だと
共通事項が多く、アレンジで区分けされるものかとは思います。

例えば、下手上手いは問わなければ、EDM調にすることもできるし
ジャズ調にすることもできる。
ただ、自分の原点を意識した楽曲で横道に逸れるのもどうなんだろう、と。

無心になると、頭の中でドンドン音が鳴っていって。
それを形にすると、ワクワクが止まらず、どんどん筆が動いて。
気付けば頭の中のオールスターが、どんどん現れていきました。

この楽曲のアレンジコンセプトは、ある意味大乱闘スマッシュブラザーズです。
GLAY、L'Arc〜en〜Ciel、LUNA SEA、SIAM SHADE、Janne Da Arc、SOPHIA、JUDY AND MARY、FIELD OF VIEW…
書き切れないですが、私の脳内にいる巨匠達が大騒ぎしているイメージを形にしました。

特に力を入れたのが「ギター」です。
実は2年前は何を隠そう、ギターに関する知識が本当に浅く
パワーコードの意味がわかりませんでした。
経験を積むことで徐々に理解は深まりましたが、今回は制作を通して学んだことの総おさらいも兼ねて「シンセに頼らずギターサウンドで作り上げよう」と。

しかし改めて、ギターって面白いんですよね。
奏法やエフェクターのセレクトで無限にアプローチが広がることを実感しました。
ディレイ、ワウは経験が浅かったのですが、今回実践して本当にいじり倒すのが楽しくて。

ディレイをいじってる時はもう頭の中に、ずっとSUGIZOさんやINORANさんがいて。
サビのバッキングを考える時は、ずっとTAKUYAさんがいて。
ソロを考える時は、ずっとDAITAさんやyouさんがいて。
ベースだけど、やっぱ動かしたい時にはtetsuyaさんがいて、
ソロを考えるときにはJさんがいて。

もう本当に、頭の中で鳴り止まなくて。
それを形にすることは、総復習であり、何より至福でしかありませんでした。

●動画

頭の中で浮かんでいた絵は「青空と黄昏」
絵師である一縷さんにこのイメージを伝え、美麗なイラストが一枚誕生しました。
このイラストの魅力を最大限引き出すべく、自分なりに試行錯誤。

動画は今も勉強中で知識が浅いので、まだまだ偉そうなことは楽曲以上に言えませんが、AviUtlの技術を実践でより学ぶことを自己目標に掲げています。
グループ制御もろくにわかっていなかったのですが、今回体得できたことは収穫のひとつでした。

余談ですがこの動画、イラスト以外に実写画像も使っていますが
ライセンスフリー動画を除けば、ほとんど箱根で撮りました。
6月に実は小旅行していたのですが、1サビ後~AメロのGtのシーンは何を隠そう
バスの移動中に、窓から外を撮っただけの動画です。笑
ただこういう一コマが、作品に繋がったりすることを実感。

しかし動画は本当に難しいな…今作でも自分のできる最大限を意識したけど
もっと大胆なアプローチも、時には必要ですね。
それは経験を重ねつつ、自分のペースで習熟度を深めていけたらと思います。

■完成

構想・着手から約2ヶ月半を経て完成。
それがこの動画です。

楽曲は公開後は、リスナーの方々のものにもなります。
解釈も人それぞれ。
人によっては刺さることも、好みに合わないことも当然。

私が伝えたかったことは、思春期に塞ぎ込んでいた自分を救ってくれた
あの時代の音楽が、いかに太陽のような存在であったか。
どんだけカッコよかったか。
ある意味、あの時代へのラブソングとして作りました。

ご存知の通り、30年を経た今でもバリバリ現役の方々であって
過去を振り返ることもナンセンスですが、確固としたルーツは
柔軟に音楽活動を続けていく上で、アウトプットが必要でした。

そして、この機会に私を支えてくださる活動者の方々をはじめ、
応援してくださる方にお届けできたこと、嬉しく思います。

活動2周年、5作目に生まれた拙曲「どうか」が
皆さんにとって、少しでも長く聴いて頂ける楽曲になりましたら
私としても、これ以上の幸せはありません。

長文失礼いたしました。
「ボカコレ2023夏」にて私の自作曲を聴いてくださった方々に
感謝の意を込めて、結びの挨拶とさせて頂きます。


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