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「企業の会議にギャル注入」から学べること

日経新聞の記事を読んで、思わず色々調べてしまいました。

#日経COMEMO #NIKKEI

記事は、企業の会議に「ギャル」を参加させてブレストをするサービスの話です。「へぇ~」と思いつつも、イメージが湧きません。そもそも実生活で「ギャル」との交流がありません。マンガやドラマの世界の話のように思えてしまいます。

調べてみると、関テレさんのサイトにその様子が分かる動画がありました。

半信半疑でしたが、なるほど「ギャル」さんが場の空気を作っていることが分かります。

一見、奇抜な彼女たちですが、ただ好き勝手に発言しているわけではありません。動画の中のギャルこと「あおちゃんぺ」さんの傾聴の仕方はお手本にすべき姿です。特にオンラインでは、大きなリアクションで前向きな共感を表現することで空気が変わります。

そして、自分が感じたことをそのまま場に伝えている点もすごく良いと思います。いわゆる自己開示。いわゆる「ぶっちゃけ」を自然にやっています。

「受験のときとか、この鉛筆とかだったら、上手くいきそうってのない?願掛けとかジンクスじゃないけど、そういうのって手書き以外ではなくない?私ね、こうやってみんなで話してて思ったけど、結論文房具って”エモい”なって、デジタル系よりやっぱり”エモい”」。

名言ですよね。ハッとさせられます。切り口もさることながら、伝え方が素敵です。自分の感じていることに素直になって、みんなとも共有したいという発言が場を動かしています。

「すごいな、ギャルが入るとこんなにいい空気になるのか」と思いながら調べているとこんな記事がでてきました。

この記事からは、ただ素朴に「ギャル注入」したのではなく、発案者の「バブリー」さんたちが試行錯誤をしながら準備してきたことが分かります。

その工夫のひとつが「グランドルール」です。

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「ギャル」語で書かれていますが、この内容はとても参考になります。自己開示して、相手のことも受け入れるという内容になっていて、それが具体的なアクションで書かれています。

なぜ、具体的なアクションで書かれていると良いかというと空気が悪くなったときに互いに指摘できるからです。

そして、何より重要なのはホストである「あおちゃんぺ」さんがこの場でのロールモデルをブレなく務めていることです。場数を踏んでいるファシリテーターのような安定感があります。

発案者のバブリーさんの言葉です。

「今って全然、ギャルのファッションがモテないと言われていて、あえてやっているのは、彼女たちが、『自分がこうなりたい、こういう存在でありたい』という自分軸を持っている。社会のマジョリティに流されない強さを持っている。会社でいうと忖度文化を変えられる人たちだなと思っています。そこから、忖度文化が解消された先に、面白い事を起こしたり、ものを作ってみたりするという新しい流れをつくれる存在がギャルなのかなと思っています」

この発言も考えさせられます。

ひとつは、「自分がこうなりたい、こういう存在でありたい」という自分軸があることの大切さと難しさを思いました。人との関りは面倒なことも少なくありません。結果、多くの人が、空気を読んで、良い子になってやり過ごします。これは、世代に関係なくあります。だから「忖度」という言葉が日常的になったのでしょう。

もうひとつは、その「忖度」はヘンだと思いながら、一方で彼女たちを「ギャル」と括ってマジョリティを形成しようとする私たちの弱さがあることです。だから、あらためて今「多様性」という言葉も使われます。

「あおちゃんぺ」さんを場数を踏んできたファシリテーターの様だと書きました。それもそのはずです。目に見えない「圧」のなかで、自分に素直でありながら、同じように他の人を受け入れることを実践してきたのです。

そして最もその矛盾が現れる企業の会議の場に飛び込むことで、またひとつ彼女たちは、自分たちを「ウチら、エライ」と思えたはずです。

企業側の参加者は、その後どう変わるのでしょうか。ギャルたちが去ったらもとに戻っていくのかもしれません。この体験から何を学んだのかを互いにぶっちゃけられると、なお素敵な取り組みになると思います。

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